広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和36年 12月1日発行 内容

財政事情の公表
当市は健全財政保つ
昭和35年度決算で一般会計収入は6億7,000万

富士市の財政が現在どのようになっているか、また現在までにどのように変わってきているかということを市民の皆さんに知って戴くために市では、毎年6月、12月の2回に亘り財政事情を公表しております。今回は昭和35年度決算見込状況から見た財政の動向と、昭和36年度予算の執行状況、住民の負担状況、財産、公債の現在高等を公表して皆さんが市の行財政の動向を把握されるか等広くその実態を知って戴きたいと存じます。

市財政の動向と方針

 神武景気から岩戸景気へ、そして所得倍増と国家経済の発展、ひいては国民生活の安定充実に伴って、幾多の変遷を経てきた地方財政も漸くその軌道に乗った感があります。  毎年4月から翌年3月迄を年度として計算される市の財政は、この11月定例市議会において、昭和35年度決算が報告されました。その内訳は収入6億7,136万9,000円、支出5億8,745万1,000円、差引8,391万8,000円で昭和29年市制施行以来ひきつづき黒字財政を堅持しております。とりわけこの年度は差引余剰金においても予算額に対する歳入、歳出の執行率においても最高を示し極めて好調でありました。このように本市財政も着実に健全財政の歩みを続けており、市政の発展に寄与しているわけでありますが、これらにつ

予算、決算の推移

 まず「予算、決算の推移」によると、予算並びに決算規模は経済の発展、市民生活の安定に伴い、主要な財源である市税収入の着実な伸びと共に逐年膨張しております。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・予算、決算の推移

主要財源の推移

 「主要財源の推移」により、歳入の内容について更に検討してみると、まず、財源を市税、使用料および手数料、財産収入などのいわゆる自主財源と国庫支出金、市債などの依存財源とに大別した場合、自主財源ではその大半を占める市税収入の向上に伴って、めざましい伸びを示しており、昭和35年度決算額は昭和31年度の約倍額程度に増加しているのでありますがこれと同様依存財源においては3倍以上の伸びであります。この事は投資的経費の増強に伴い、地方債をはじめ国庫補助金等の資金確保の賜物であります。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・主要財源の推移

主要経費の推移

 次に「主要経費の推移」を見ると、健全財政とは、収支の黒字のみでなく、行政水準の向上をも加味したものでなければなりませんが、この点について一方法として将来にわたり、事業効果を及ぼす投資的経費、即ち建設事業費の執行状況を検討すると左上の図表にあるとおり、著しい伸びを示しており、市政発展の裏付けとなっているわけであります。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・主要経費の推移

収入支出の概況

 昭和36年前期(36.4.1〜36.9.30)における収入支出の概況は別表の通りであります。
 一般会計の予算の執行率は37.5%2億4,293万円余でこの内88.6%を占めるのは市税で2億1,531万円余があり如何に自主的財源として大切でありその役目を果たしているかがわかります。その他主として国庫補助金をはじめ市債等依存財源は今後に期待するものであります。
 次に歳出については予算に対する執行率は32%で、2億729万円余となりこの内建設事業面に充てられた主な経費は土木費の道路橋梁費(平垣地内静岡下田線側溝新設工事外)及び河川費(用排水路砂浚人夫賃等)の31.8%の執行率をはじめとして都市計画費では予算額に対し執行率は9.1%と比較的低く、補助街路事業としての吉原富士川線道路新設工事費からこの内大部分を占めております。又この都市計画費において執行率の低い原因は田子浦港整備事業地元負担金及び補助街路事業等主要な経費が今後残っているためであります。教育費では南中  尚、病院及び水道の両特別会計は公営企業法の一部改正に伴い36年4月1日よりこれを適用することとなったため経理方法が変わりましたので次の機会に改めてその状況を公表いたします。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・昭和36年度一般会計歳入歳出執行状況表
(図表説明)・・・昭和36年度特別会計歳入歳出執行状況表

住民負担の状況

 昭和36年9月30日現在における市税の調停額は総額3億5,713万円余でこの内収入済額は2億1,531万円余でこの収入歩合は60.3%、これを前年度同期に対比すると若干下回っていますが、その収入済額においては約2,800万円余の増となり甚だ収納状況は好調であり納税に示された各位の熱意に対して心から感謝するものであります。
 市税収入は経済界の好況と市民各位のご協力によって年々向上しておりそれに伴う住民一人当たりの負担額も上図のように移り変わっております。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・市民一人当たり市税負担額のうつり

人口の動き

人口総数 4万7,989人
男 2万4,132人
女 2万3,857人
世帯数 9,612世帯
転入 247人
転出 162人
出生 91人
死亡 26人
婚姻36件 離婚3件 死産14件
(昭和36年11月1日現在、住民登録による)

お知らせ

お断り!!
紙面の都合により「財産、公債及び一時借入金の現在高」と「あとがき」は次号(1月号)に掲載します。

建物を建築する場合には必ず
建築確認申請(建築届)をして下さい