広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和36年 7月1日発行 内容

7月1日 富士山開き
山の遭難者を防止

単身登山は最も危険

 7月1日は、富士山の山開き、最近の物すごい登山ブームを反映して山に登る人の数は年々ふえていますがそれに比例して遭難者の数も毎年相当数に上がっています。
 山の遭難事故については、社会的な問題となっておりますが、山岳地帯をもつ県および関係機関では積極的な事故防止対策を講じたり、山に対する啓蒙活動を実施、安全な登山ができるようつとめています。
 この山の遭難事故が起こる原因については、いろいろと考えられますが、まず登山する際の基本的な心構えとして次の諸点があげられております。
◇山岳地帯とくに高山の気象条件は平坦地の気象状況と異なり、急変しやすく、かつ温度も低くなって凍死することすらあります。
◇自己の力量を無視した冒険的なことや無謀な登山、行動はとくに危険です。
◇自己の登山技術と体力に応じた安全なコースをえらぶと共に、単身登山は危険が伴うことが多い。
◇山小屋や山の道しるべ施設をこわしたりする者がありますが、これだけは絶対にやめましょう。

以上のほか、気象等が急変する場合は、登山口には警察官や関係者が登山口には警察官や関係者が登山者に指示を与えますが、これらの指示に従い万一事故が起こったときは、自分たちの力で処理することなく警察か関係者に急報することが一番望ましいことです。

近づく夏休み
まず健康保持の増進

 7月下旬から学校は夏休みに入る。
 まず健康の保持増進が休み指導の第一のねらいで休みの長いことから学習をおこたったり、なまけぐせがついたり不良化の種がまかれたりすることもありお互いが注意しなければなりません。
 もちろん学校や家庭でもこれらの考え方をよく理解し子供たちの実行振りをよくみとどけることが大切であります。

学習について
 この夏休みは勉強には余りよい季節ではない、したがって実行のできないような無理な計画をたてるよりもむしろ一学期の復習および不得意だったものの補充を中心にするのがよいでしょう。また積極的な面としては通学中にはできないような継続的な観察、実験や工作などを行わせ個性を伸ばしてやることも有意義なことです。

健康と安全について
 暴飲暴食をしないこと、手をよく洗わせて下さい。今年は恐ろしい小児マヒなどの伝染病が多く発生しておりますから、長時間炎天で遊ばせないように注意して下さい。また学校医から注意されている病気はできるだけこの休みに治療させてください。

生活指導について
 子供たちの放任や無関心はいうまでもなく悪いことです。小遣いの使い方や言動、持物にも特に注意し、あとで後悔しないように。

今年こそ 水泳事故をなくそう

 7、8月は水泳事故のもっとも多い時・ナあります。水泳事故には心臓マヒ、けいれん、疾病等がありますが、とくに水におぼれる場合は次のことに注意して下さい。

◆泳ぎのできない者
泳げない者のおぼれる場合は、(1)背の立たない深さに入らないこと(2)決して胸以上の深さに入らぬこと。
足をさらわれたり、すべったりすると背の立つ深さであっても呼吸の調節ができずおぼれること、距離は同じでも帰りは、行きの倍かかることを忘れないことです。

◆泳げるものがおぼれる場合
ほとんどが身体の疲労過度でおぼれています。このほか自分の力の過信、誇示で無理をしないこと、距離は同じでも帰りは、行きの倍かかることを忘れないことです。

 また水に対する知識の不足から思わぬ事故を起こしたり、潮流、波の動き、川底の変化等に注意し、水に入るときは必ず準備運動を行って下さい。

‐ イラストあり ‐

昭和36年度 国民健康保険
保険給付費の推移

 医学の発展と早期完全治療とに守られて人の平均寿命は急速に延びて来た。
 それだけに医師に診てもらう回数(受診率)も年々増加する一方だし、1回の治療費用も高くなってゆく。
 昔は頓服1つで済んだ保険も昨今では、検査だの注射やら投薬で立体的な治療が行われる、生存競争の生物界に於いて、バイキンも強くなるかも知れないが人間も抵抗力と化学力が其れ以上に強くなければ平均寿命は延びるものではない。
 この診療1件費用額の自然増に加えて、医師の加療賃金も多くなって行く、最近新聞紙上で知られる通り、お医者さんの診療費1点単価も今年の7月から値上されることになるだろう。
 富士市の国民健康保険から支払っている医療費と助産費、葬祭費の合計を一世帯及被保険者1人当たりに振り割って見ると下の様になる。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・国保保険給付費

国や市の負担金、補助金

 医療費支払の資金について一番頼りにしたいのが国の支出金だが現況の政令、省令の交付金の枠以外には大した期待はもてない、昭和36年度に於いて「富士市の国保へ交付されると思われる金額は1,440万円で、これは国保から払い出す医療費の40%に相当するが、年毎に増加して行く医療費の残60%は他の収入にまたねばならない。
 富士市が国保へ対して補助する一般会計繰入金は本年度は400万円でこれを県下の他の市と比較すると一世帯当りでは、多い方から二番目である。
‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・国民健康保険への補助金

 歳出に於いては保険給付費が総体の68%を占め、歳入に於いては、国庫支出金と一般会計繰入金と保険税が主体である。

保険税率、課税額

 医療費の上昇に対し、別途会計の立場にある国保としては、他に収入を求むることが出来ないので本年は若干、税の増収もはからねばならない、新課税額は慎重審議の結果、推定線の最小限の線で決議された。
 従って医療費と云う未知数の取扱いではあるし、財政の運行には甚だ関心が持たれるので、特に保険税の期限内納付に御協力を御願いしたい。

保険税率、税額
所得割 市民税所得割の45%
資産割 土地家屋分の20%
被保険者均等割1人 360円
世帯平等割一世帯に付 600円

‐ イラストあり ‐

農地の移動は必ず許可を

◎農地を耕作以外の目的に供する場合(工場宅地等にする)
1 売買賃貸借等の契約に依って農地を転用する場合は農地法第5条に係る許可申請書を農業委員会へ提出し県知事の許可を事前に受けなければなりません
2 自作地、小作地等について所有者又は権利者(小作人)が権利に基いて農地を転用する場合には農地法第4条に係る許可申請書を農業委員会へ提出し県知事の許可を事前に受けなければなりません。
3 農地を転用する場合富士市内農地(但し潤井川以東は除く)にあっては富士川用排水土地改良区の受益地域内でありますから農地の転用に係る協議手続を必ずなして戴く様になっております。
4 農地を転用するに当って許可を受けないと契約の無効はもとより宅地にする事も出来ず所有権移転登記等もできません。又農地法第92条に基いて罰せられる場合もありますから充分注意して下さい。

◎農地を耕作目的で移動する場合
1 耕作権のみを移動する場合は農地法第3条に係る申請書を農業委員会へ提出して委員会の許可を受けて下さい。但し創設農地(農地開放で取得した農地)は特例以外には許可されません。
2 農地のまま売買、交換、贈与を行う場合には農地法第3条に係る申請書を農業委員会へ提出し県知事の許可を事前に受けなければなりません。
3 農作を小作人より所有者に返還する(解任する場合も含む)場合は農地法第20条に係る申請書を農業委員会へ提出して県知・魔フ許可を受けなければなりません。

米山消防団長 急逝

‐ 写真あり ‐

富士市消防団長、岳南自動車株式会社社長米山芳雄氏(57)はかねて病気療養中のところ去る6月23日午前11時45分ごろ心脳卒中で急逝されました。
葬儀は富士市消防団葬をもって27日午後1時市立第一小学校講堂において富士市長が葬儀委員長となってしめやかのうちに執り行われました。
米山氏は大正15年6月消防手を拝命以来今日まで35年の永きにわたり消防に奉任し、この間町議2期、市議1期をつとめ地方自治のために貢献されました。
そしてその功績は高く評価され功績章表彰をはじめ自治功労表彰、永年勤続表彰など前後13回の表彰を受けるなど数々の栄誉に輝いたのであります。
この円熟した才腕に期待するところが大きかったのに誠に痛恨の極みであります。生前の米山消防団長の面影をしのび謹んで弔意を表します。

公明選挙のアイデア募集

静岡県選挙管理委員会では公明選挙を推進するためのアイデアを次の要領で募集します。

◇趣旨
わたくしたちの生活を豊かで楽しいものにするためには国、県の政治はもとより市町村の政治に至るまで、政治のすべてを立派なものにしなければなりません。
◇応募規定
明るく楽しい選挙を実現するための考え方を内容とするものであれば体験、意見、希望等なんでも構いません。
◇応募資格
県内に居住のもの。
◇提出先
静岡市追手町県庁内 静岡県選挙管理員会
◇締切日
7月31日
◇賞品
優秀と認められるもの10人に賞状並びに賞金を贈り応募者全員に粗品を進呈します。
◇発表
8月中旬
その他、作品には住所、氏名、年令、職業を記入して下さい。
応募作品は返しません。

お知らせ

拠出制 国民年金
10月1日より届出
強制適用者
20才以上50才未満の日本国民で厚生年金保険、各種共済組合又は恩給等の年金を受けることが出来ない人
自由加入者
年金を受けられる人の妻、20才以上の学生、50才から55才未満の人、軍人軍属の遺族年金や留守家族手当を受ける人

日曜日の診療
‐ イラストあり ‐
医師の診療は急患、重症でない限り日曜日はさけて下さい

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・明るい一家