広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和36年 5月1日発行 内容

工費7,100余万円
し尿処理場を建設

完成は本年12月10日の予定

敷地109.890平方メートル(3,300坪)の買収を終え昨年9月15日着工以来、市内三四軒屋地先にし尿処理場を建設していますが、完成は本年12月10日の予定です。
このし尿処理場の施設は(1)投入槽、(2)消化槽、(3)撒布ロ床、(4)沈殿槽、(5)滅菌槽、(6)ガスタンク、(7)ボイラー室及び電気室、(8)弁操作室、(9事務室が完備されます。
この処理方式は加温式化学処理によるもので、消化槽は二段式で汚泥から発生するメタンガスを利用してボイラーを動かしてここで蒸気をつくって消化槽内を30度から35度、加温して30日以上消化処理したのち、他の各施設を経て、更に衛生的に処理すると共に滅菌槽において塩素滅菌した上、衛生上安全無害となって放流するものであります。
これが完成すればし尿処理能力は計画収集人口は5万7,000人、一日の処理量は54立方メートル(300石)が処理できることになっております。
なお総工事費は約7,100万余円が予定されています。

‐ 写真あり ‐
(写真説明上)・・・手前がボイラー室および電気室、その後左側が第一、第二消化槽
(写真説明下)・・・ガスタンク

知恵おくれの子の育成のために
手をつなぐ親の会が活躍

昭和35年5月、第二小学校に特殊学級が開設されて以来、御理解ある皆様方の御支援と御賛同を得まして、昨年3月に全市をあげての「富士市手をつなぐ親の会」が誕生いたしました。今年は親の会も第2年目を迎え、先日役員会を開催し新役員としての次の方々をお願い致しました。

名誉会長 遠藤脩治市長
会長 川口清俊県議
副会長 外山義一田子浦小PTA会長
副会長 秋山てる婦人会長
副会長 岩松地区より岩小PTA会長

その他理事、監事、相談役など全市から選ばれております。特殊学級も今年の4月から2学級となり、3名の教員で担任しています。児童数も24名です。

岩松学区から3名
一小学区から5名
田子浦区から1名
二小学区から15名

児童数は、34年にくらべますと2倍の人員になりました。さてこうした子ども達の教育については、それぞれの子どもの障害を知らなければなりません。
知恵のおくれた子ども達の症状や原因は種々様々で、一概には申されませんが、正常な両親、いな優秀な両親の間にすら生まれています。
学者の研究や関係機関の調査によりますと、

◇妊娠中の母体に異例があったり、障害をうけた事が原因になったりします
◇出産時の異例
◇乳児期の疾病や外傷が原因になったりします
◇内因的な原因
◇原因不明のもの(モンゴリズム)

このようにみてまいりますと、精神薄弱者の出現は、いわば一種の天災で実に恐ろしいものです。こうした原因で一人一人の子どもがみな違っています。この障害をきわめ、さらに持っている個性を見極めての個人指導が、おこなわれるのです。従って教具や備品の設備が必要となり、周到に用意された教材が準備されなければならないのです。このためどうしても学校だけの力では思うように、できませんので、広く市民の皆様方の御協力を、お願いする次第です。ただいま今年度の手をつなぐ親の会の会員募集を各学校のPTAの役員や、婦人会役員、それに母の

好評を呼んでいる市民相談室の窓口

開設以来三ヵ月で100余件を処理

みなさんの市政に対する陳情、要望、苦情をうけて行政が充分に行きわたっていない盲点をなくし、明るいよい市政の前進をはかるために「市民相談室」が設けられ早くも3カ月を経過しました。
その間に相談室が扱った件数は、4月30日現在で苦情が8件、相談が62件、陳情が11件、要望が13件、照会が9件、意見が3件、その他が1件、計107件があげられています。
つぎに相談室が取扱った相談の内容を取りまとめ市民にお知らせします。
◇苦情について
河川改修、自動車によるガラスの破損、塵芥処理、側溝および道路の舗装、道路の使用等 ◇要望について
有線放送、倉庫の借用、道路清掃、加島踏切の件、ほこり押さえ、就職斡旋、土地登記促進等
◇陳情について
学校の関係、農道、踏切道路等の拡張、水道布設、道路舗装
◇相談について
家庭の不和、子供の入籍問題、婚姻、離婚の届について、転出入について、財産の相続、遺言状作成方法等
◇照会について
新幹線についての種々問題、国会見学、身延線西回りについて、老齢年金等

5月5日は「子供の日」

 5月5日は児童憲章が公布せられてから満10周年に当ります。
 児童憲章前文には、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童は、独り自分の子供であるだけでなく、社会の子供であり社会の一員である。
 従ってよい環境のなかで育て、教育し、職業指導を受け、過重な労働で心身の発育が阻害されることのないよう養育し、又社会の一員として、責任を自主的に果たすように導かれなければならない。と云うような事項が掲げられており、一言にして云えば、すべての子供は幸福に育てなければならない、と云うことに終わると思われます。
 私達はこの憲章の趣旨に添って子供の幸福を願ってやりましょう。

5月16日迄
引揚者給付金の請求権

 昭和32年5月17日法律第109号として公布された引揚者給付金等支給法にて終戦6ヵ月前より終戦時まで外地に生活の本拠を有し其の後引揚げて来た者、及び終戦後外地に於いて死亡した者の遺族に対し給付金を支給することになり今まで多数の方々の請求書類を受付て参りました。この給付金の請求を受ける権利は昭和36年5月16日までに請求書を市役所に提出しないと時効となりその権利がなくなりますので該当者でいまだに未請求の方は至急手続を行って下さい。
 尚不明の点等は市役所厚生課に問合せて下さい。

福祉年金の支給者へ

 5月6日から福祉年金5月度分が指定郵便局で支払われます。
 なるべく早目に印鑑と証明を持って受取って下さい。
 またその後に毎年実施している届がありますので市役所市民課の窓口に印鑑と証書を提出してください。

ホトトギスの話
10日〜16日 愛鳥週間

目に青葉 山ホトトギス 初かつを

ホトトギスはちょうど青葉の季節に南の方から日本の山林地方へとんでくる。好んでマツムシや有害なコン虫を食べる有益な鳥といえる。古川柳に「あの声でトカゲ食うかやホトトギス」などあるくらい大へんな悪食なのだが、それがまた人間や植物のために役立つわけである。
もともとホトトギスは生活力の旺盛な鳥であるが、詩歌にうたわれたホトトギスはいずれも悲劇的な因縁話が多い。
これは、一つは他の鳥と違って夜間に鳴きながらとぶ習性があることと、あの独特のするどい鳴き声によるものであろう、昔からホトトギスは「8,000万声のホトトギス」とか「1日4万8声鳴かなければ気がすまぬ鳥」とされ、そのためノドから血を吐くといわれ、いわゆる「泣いて血を吐くホトトギス」の伝説となってあらわれたものであるわが国では徳富蘆花の名小説「ほととぎす」の武夫と浪子の悲恋物語で一やく悲鳥の名をもらったしかしこの鳥の本性はさっきもいったように生活力は強くとくにそのヒナの育て方がまことにふるっている。ホトトギス わが国ではやはり青葉の候の心よい鳥として歓迎されている。

5月 広報ごよみ

▽緑化週間(1日〜7日)
▽青少年保護育成運動(5月中)
▽赤十字愛の献血運動(5月中)
▽郵便貯金創業記念日(2日)
▽憲法記念日(3日)
▽こどもの日(5日)
▽母の日(14日)
▽愛鳥週間(10日〜16日)
▽国民体育デー(14日)
▽春の全国交通安全運動(11日〜20日)
▽行楽期の防犯心得(5月中)

お知らせ

建物を建築する場合には必ず建築確認申請(建築届)をして下さい

刃物を持たない運動
青少年が刃物を持ち歩くことのないよう、まずよい家庭環境を作るよう協力して下さい。

タバコ消費税は
市税の中約6%を占め
市の大きな財源になっています
‐ イラストあり ‐

人口の動き

人口総数 4万7,101人
男 2万3,631人
女 2万3,470人
世帯数 9,327世帯
転入 369人
転出 159人
出生 96人
死亡 30人
婚姻45件 離婚3件 死産6件
(昭和36年4月1日現在、住民登録による)