広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和36年 2月1日発行 内容

市民の利便を重点に
窓口事務を一本化
市民課・市民相談室を新設

市の行政活動は、市民の「ゆりかごから墓場まで」といわれるように、出生から死亡まで、文字どおり私達の生活と最も深いつながりをもっている事は皆様ご承知の通りです。その「お役所」は、民間会社と比べると発展向上がなく昔のままの姿であったのです。このたびわたくしたちの富士市では「お役所仕事」といわれていたいろいろの事務について少しでもよいものに(合理化、能率化)し市民のみなさまへのサービスの向上を図りたいと考えてその方針をたててきたのであります。さいわい議会の全面的な支援を得又、市民の皆さんの心からのご声援をいただ 行政事務の改善
市民サービスの向上

市庁舎は、合併後一時旧富士町役場(本市場)にありましたが、その後昭和30年現在の場所に移り今日に至っております。処が最近の目ざましい市政の進展により人口は増加し又行政法規等の改正などにより窓口事務は複雑化し、市民の皆さんに相当ご迷惑をお掛けして参りましたが、この度の市役所事務改善については、昨年夏、行政事務改善委員会が設置され根本的な改善をするため調査研究に基くものでまず第一に市民課及び市民相談室の設置と言うことになったのです。
市民課はいままでの市役所内各課にあった窓口事務をここにあつめいろいろの届書の提出や証明書の交付などをとりあつかう皆さんに最も関係の深いところです。また市民相談室は皆さんのご希望や苦情その外何でもご相談に応ずるところです。これ等の事務改善はまだほんの一端で、これからも引続いて市民の皆さんへのサービスや経費の節減のため市役所の事務を改善してまいりたいと存じますので市民の皆さんの積極的なご協力とお力添えをお願い致します。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・キャビネット

市民課ではこんな仕事をする

いま私たちが市町村事務を見ると住民が他市町村へ転出する場合戸籍、税務、保険、配給など住民の権利、義務に関するいろいろの手続を各課の窓口を回り一日役所で時間を浪費させられている。これを是正するため職能化理論による窓口一本化を研究しすでに相当の効果をあげているところもある。
この窓口一本化は従来住民には大変ご迷惑をおかけしていたいろいろの役所内の窓口事務を一ヵ所に集中し、各窓口に付帯してある住民の権利義務に関する諸台帳の統括により転記事務を減少させる。
○これら集合された諸台帳をカード化し、能率的に整備保管するためファイリングキャビネット(文書整理保管器)にて一世帯単位に格納する。
○戸籍原本の管理方式を近代的なものに改善する。
○窓口事務に関する帳票を改善、証明、閲覧、交付、登録、申請、等の手続及び住民の異動に関する諸届出事務についてはワンライティング・システム(一つの流れ処理方式)を採用する。
○窓口一本化の建前から、手数料、使用料(市民課の窓口扱のもののみ)の収納可能なキャッシュレジスター(金銭登録器)を採用し合理的な事務処理を行う。
○原則的には各課の窓口事務がなくなるので窓口用カウンターを取除く。
次に市民課の組織図と事務分掌を参考迄に記します。

お願い
このたびの新しい事務へのきりかえによって、その取扱に相当職員がなれますまでは多少のご不便をおかけいたすかと思いますが、これが本来のはたらきをするようになりますと、いままでより便利に又早くなりますのでその間はしばらくしんぼうをお願いいたします。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・市民課事務分掌表
(図表説明)・・・市民課組織図

気軽に市民相談室へ

陳情・要望など親切に処理

新しい市民課発足と同時に市民みなさんの苦情や要望などを直接お聞きする「市民相談室」が市役所本庁正面玄関をはいりますと、市民課のすぐ北側にあります。この市民相談室の仕事は、いうまでもなく市役所の仕事に対する要望、苦情、陳情はもとより個人的な問題まで相談に応じ従来はとかく立ち消えになったり、スムースに回答や処理がされない状態にあったものを確実にあくまでも相談者の納得のいくような回答をもって処理していきます。この相談にあたっては、係の判断によって関係のある係や課長に連絡して相談者と面接し更に必要な場合や事前に連 ご相談については、受付から回答が得られるよう関係者の尻をたたいて追求する等事務的な権限を持っており、あくまでも市民サービスの立場にたった白紙の状態で相談にあたり、絶対に秘密を守るのが建前となっております。市民相談室は市民みなさんの話の広場であります。
この市民相談室は全国の市町村でもかなり以前から行われており、県下では浜松、清水、三島、御殿場、袋井等ですでに実施しております。当市でもこんど市民課の設置に伴い相談室を設けましたが、将来は料理、育児婦人相談あるいは法律相談、身の上相談などの活動も積極的に行い、更には「話の広場」、といったようなものをもって真に健康的で明るい街づくりをモットーに活躍を続けるよう努力していきたいと思います。市民のみなさん何はともあれ世間話をするつもりで多くの市民が気軽に「市民相談室」をご利用下さい。

お知らせ

建物を建築する場合には必ず建築確認申請(建築届)をして下さい

タバコ消費税は
市税の中約6%を占め
市の大きな財源になっています
‐ イラストあり ‐

今月の納税
固定資産税 第4期
保険税 第6期
2月28日までに納めて下さい。

人口の動き

人口総数 4万6,670人
男 2万3,393人
女 2万3,277人
世帯数 9,206世帯
転入 211人
転出 160人
出生 95人
死亡 28人
婚姻71件 離婚3件 死産11件
(昭和36年1月1日現在、住民登録による)