広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 11月1日発行 内容

昭和35年度
優良赤ちゃん10名きまる

今年の夏期乳幼児健診においては特に体位の優れた赤ちゃんが多くお母さんたちの育児に対する熱心さが察しられました。
この赤ちゃんたちのうち、河野、望月、渡辺、福田さんの4名は国保駿東富士支部大会においても入選し、支部代表としても県下大会に出場する資格を得ました。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・本町 勝義 長男 河野宏紀
(写真説明)・・・新浜 常男 長男 望月幸智
(写真説明)・・・本市場 裕二 長男 遠藤彰信
(写真説明)・・・平垣2 嗣夫 長女 川崎しょう子
(写真説明)・・・本町 金吾 長男 渡辺和人
(写真説明)・・・水戸島南 哲彦 長女 福田順子
(写真説明)・・・柳島 長生 長女 豊田生子
(写真説明)・・・水戸島上 貞雄 長男 藤原 智
(写真説明)・・・高島 勝己 長男 大村 博
(写真説明)・・・国久 武 長男 福田昌海

新作小噺

赤ちゃんの回顧録

胎内編
いつの頃から覚えはないが、僕は真暗な狭い所に閉じ込められている、此処、胎内で今は盛んに骨や肉体を整えているのだが、兎角栄養が不足している。蛋白、灰分ビタミンなど、今が大切で、もっと沢山に輸送してくれるといいのだが…ここで聞いていると、大体、母さんは遠慮過ぎる「満腹で結構ですわ」なんて済ましている、母体が僕の栄養を稼いでいる事を忘れては困る、一度に食べて満腹なら、四度にも五度にも食べて栄養を摂ってもらいたいものだ、さて僕は間もなく十つき十日になるしシャバに飛び出す日も近い、胎内と云う処は窮屈だが、鉄のカーテ 新生児編
苦しい、僕は飛び出した途端に思わず「オギャー」と悲鳴をあげた、いつの間にか呼吸する癖がついた、然しシャバは寒いね、住心地はよくないよ、おやバイキンがいるぞ、僕の皮膚から鼻から口からこりゃたまらん、バイキンのオンパレードだ、飛び出さなきゃよかったに。
幸いに僕には母ちゃんからリレーしたバイキン抵抗の素がある。今は安心だが、これも半歳も経つと効き目がなくなると云うから心細いことだ、僕はこれから色々の病気と斗ってゆかなければならない。天然痘、ジフテリヤ、百日咳、腸チブス、結核、恐ろしい敵が並んでいる、母ちゃん!予防注射を忘れないでね、ツベルクリン反応やBCGもやってね、御願いだ。

発育編
オッパイはおいしいものだ、目を見え出して人間のツラとか云うものを拝見したが何てブザマなもんでしょうね、大きな山の下に2つのホラ穴が開いている、穴の中には黒い丸太が立ち並んで風の吹く度にヒューヒューと音を立てている、ハハアあれが鼻か、おやあんな遠くの方で変な顔がのぞいているね、ウインクしているよ、僕をあやしているのかな「アッパッパー」だって、エッヘッ、アッパッパー、何てまずいツラだ、あれ喜んでいるよ、赤ん坊が笑ったって、だってあんなまずい面じゃ笑いたくもなります、大人は純真だ。

颱風編
咽喉が痛い、この頃ジフテリーが大流行だそうな、先月の予防注射には「母ちゃん忙しくて困りましたよ」と、行かなかったもの、僕死んだって仕方ない、僕の周囲には目に見えない兇徒がうようよして居るんだ、大人はちっとも考えてくれない、頭がズキズキする、咽頭が痛い、苦しい、おや猫が来たぞ、僕の大嫌いな猫、恐いな、恐いな、目を廻しちゃおうか知ら

保健編
久し振りに清々しい気分だ、秋の日が目を射てまぶしい、病院に来てから幾日になるだろう、此のあいだ「死んじゃいや」なんて、母ちゃん泣いたっけ、だけど僕だって死にたくて病気したんじゃあるまいし、病院の先生はせんびりの芥子漬をなめた様な顔をして母ちゃんに言っていた「注意力を欠いては乳児は育ちませんよ、丈夫なよい子に成長させるにはお母さんの保健思想と努力が大切ですよ」とさ、母ちゃん頼んまっせ、僕だって大きくなったら、父ちゃんに負けない様に偉くなるから、バイバイ…。(完)

市文化祭開く

11月3日の文化の日には国を挙げて自由と平和を愛する人々による、いろいろな文化活動が行われます。
わたくしたちの街でも、11月2日、3日、4日の3日間第一小学校講堂で写真、書道、絵画、切手の展示会を行います。
11月6日の日曜日には富士見高校講堂で午前9時から午後5時まで、市内小中学校の音楽発表並びに市内各文化団体による音楽、演劇などの発表があります。当日は市民の皆さんに喜んでいただこうと一生懸命努力を重ね子供たち、又いそがしい仕事の中からわずかの時間を利用して完成した汗の結晶に、たくさんの市民の方の心からの拍手を期待いたしております。

としよりに福音
県立老人保養所が開設

この度県立の老人保養所ができました。比較的低い利用料金ですから気軽にお出掛け下さるようおすすめ致します。
概要左の通りです。
場所 伊豆長岡町73(電話伊豆長岡26)
名称 木造平屋建333坪
建物 静岡県老人保養所
各室 13室
広間 1室(40畳)ホール1
風呂 7個
一、利用出来る方は概ね60才以上の老人その他所長が特に承認した方です。
二、利用しようとする方は寿荘にあらかじめ申込んで下さい。
三、寿荘は申込みを受ければ直ちに都合の良否を申込者に連絡します。利用料1泊2食付税および奉仕料含め旧館500円、新館800円、席料広間50円、旧館70円、新館150円。
細部については市役所内福祉事務所へ御連絡下されば御説明いたします。

新刊図書案内

9月下旬から10月上旬
富士公民館文庫

古代知識階級形成 亀井勝一郎
江戸城とその附近 豊島寛彰
若人の新しい旅 日本交通公社
政治と人間 矢内原忠雄
日本の安全保障と国際法 大平善悟
21世紀への階段(上下) 科学技術庁
化学繊維の実際知識 角替利策
すし物語 宮尾しげを
新養豚技術 寺川 正
貿易為替の自由化 松井 清
小物盆栽と草物盆栽 野崎信夫
若人のための78章 谷口雅春

投票所がふえました

衆院選挙の際は間違いなく

選挙管理員会では、皆さんの投票を便利にするため投票所を増設しました。これによって今までの投票区が別表のように変更されました。指定された投票所以外では投票ができませんから充分気をつけて下さい。特に同じ部落内でも投票所が違うところがあります。
皆さんの手元に渡りました入場券にも投票する場所が書いてあります。投票所を間違えることのないようよく確かめて下さい。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・富士市投票区一覧表

お知らせ

政界が澄むも濁るもえらび方

拠出制 国民年金
10月1日より届出
強制適用者
20才以上50才未満の日本国民で厚生年金保険、各種共済組合又は恩給等の年金を受けることが出来ない人
自由加入者
年金を受けられる人の妻、20才以上の学生、50才から55才未満の人、軍人軍属の遺族年金や留守家族手当を受ける人

市立富士中央病院
診療科目 内科・外科・小児科・産婦人科・眼科・皮膚科・耳鼻咽喉科・放射線科
院長 多々良満寿雄
富士市本市場
電385・386・808

火災を発見した時は すぐ電話で「火事」と
火災を発見した方は、逸早く電話で「火事」と呼んで下さい。電話局では「火災通報電話」ですぐ消防団本部につないでくれます
富士市消防団本部 電話1380番

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・良心