広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 9月1日発行 内容

10月1日は国勢調査
169名の調査員で実施

市民の御協力をお願いします

今年は国勢調査の年で、10月1日には全国一斉に国勢調査が行われることになっています。ご承知のように、国勢調査は、大正9年の第1回調査以来5年ごとに過去8回行われており、その点他の統計調査にくらべ歴史もながいわけで、少なくとも戦前に生まれた人なら「国勢調査」といえば「ああ、あの調査か」という程度にその名は知れわたっています。とくに今回の国勢調査では全国約43万人の国勢調査員が全世帯(約2,000万世帯)を訪問して、約9,300万人の人口もれや重複なしに調査することになっています。またこのため用いる調査票は4 調査の方法と期間

調査は、まず9月24日から30日までに調査員が各世帯を訪問して調査票を配布し、調査票の「世帯主が記入する欄」と「おぼえがき欄」を調査員が10月1日以後再度訪問するときまでに記入しておくよう各世帯の人に依頼することになっています。
なおこの際、調査員が調査票のしくみや記入上の注意などについて世帯の人に説明することになっていますが、調査票面にもいろいろこまかい注意が書いてありますので世帯の人にも記入する前にあらかじめよく読んでおいてください。
「世帯主が記入する欄」は(1)氏名(2)世帯主との続柄(3)男女の別(4)出生年月日(5)国籍(6)一年前の国籍(7)未就学、在学、卒業の別と在学校または卒業学校の種類(8)配偶の関係(9)結婚年数(10)出生児数の以上10項となっています。

ご存知でしょうか

◇前回の国勢調査のとき(昭和30年)日本の人口はいくらでしたか
答 8,928万人です
1 静岡県は265万435人
2 富士市は4万1,332人

◇世界の総人口は何人ですか
答 約28億5,200万人です(1958年国連調査)

◇日本の人口は世界で何番目ですか
答 5番目です。1位は中国(6億6,000万人)、2位はインド(3億9,000万)、3位はソ連(2億1,000万)、4位はアメリカ(1億8,000万人)

◇日本の人口の男と女の比率はいくらですか
答 出生するときは女100人に対し男105.7人で男が多いのですが年令が多くなるに従って男の比率がさがり、20才では男女の数がほぼ等しく20才以上では女が多くなっています。

◇日本人の平均寿命は何才ですか
答 男は64.98才、女は69.52才で、戦前(昭和10年〜11年)の男47才、女50才にくらべ著しく延びています。

◇高齢者は男と女でどちらが多いでしょうか
答 80才以上のうち男は17万人、女は34万人で女が男のちょうど2倍です。

申告義務と秘密の保護

前にものべたように、・草ィ調査は統計法に基いて行われるものであり、統計法では、調査結果の真実性を確保するため全国民に対し正確に申告することを義務づけております。
従来の経験によると、申告者が申告をしぶるのは、申告した事柄が徴税目的に使われはしないかとかこういうことを申告すれば生活保護が打ち切られはしないかといった心配による場合が多いようですが、このようなことは禁じられていると同時に事務取扱上も厳重に監督されていますから安心して正しい申告をしてくださいますよう重ねてお願い致します。
また富士市の国勢調査は市内を180調査区にわけ169名の調査員によってそれぞれ調査を依頼します。
いずれ皆さんのお宅を訪問して調査いたしますが、その節は是非とも調査員にご協力ください。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・国勢調査ポスター

静岡県の人口

国勢調査で懸賞募集

各家庭および一般に国勢調査を周知徹底させあわせて調査の円滑な実施をはかると共に、統計に対する社会一般の理解を得えんがため昭和35年10月1日現在の県人口予想を左記要領によって懸賞募集することになりました。ふるって応募してください。
◇投票資格
県内に常住しているものに限ります。

◇投票の方法
(1)官製ハガキを使用し数字は算用数字とします
(2)1人で何枚応募しても差支えありません
(3)答は1枚1件のみとします。
◇宛先
静岡市追手町静岡県庁国勢調査実施本部内国勢調査人口予想係
◇締切日
9月30日(当日の消印のあるものは有効とします)
◇賞金
1等1万円(1名)
2等5,000円(2名)
3等2,000円(3名)
◇当選者
(1)正解者(2)正解者多数の場合は抽せんによって決定します(3)正解者のない場合は最も近い数字の解答者より順次決定します。
◇発表
12月末日までに静岡新聞の紙上をもって発表します。

海外へ移住するにはどれだけ費用が必要か

海外へ移住するには、多くの金が必要だと誤解している人が多い。その例としてある本にはこう書いてあった。「最近海外に出かけていって明るい希望をもって働いている移民青年の記事が、いかにも若者の気持ちをかきたてるように紹介されているのを新聞や雑誌でよくみる。しかし彼等はみんな農業高校や大学の農学部を優秀な成績で卒業した中農以上の農家の青年たちだ。移住は誰もが行けるというものではない。郷土に対する愛着や人間関係はふり切ることができるが、渡航費用も仕度金もひねり出せない裸一貫の二、三男にとっては、移民は事実上の単なる 移民とはそれほどお金のかかるものであろうか。いや現在の移民政策は決して、それほど無策ではない。裸一貫の二、三男にも南米に行ける道を開き、方法をたて双手をあげて待っている。
まず移住に必要な経費をみよう。移住には南米の農場にやとわれて働き数年して独立する雇用移住と南米に土地を買い入れ最初から地主となって移住する自営開拓移住とがあり、この自営開拓移住にはたしかに相当の金額(40万円から50万円)を必要とするが雇用移住は殆んど金を必要としない。もっとも全くただで行ける訳ではなく、やはり出国の手続や県庁、出発港までの旅費、荷物の運賃等で若干は必要である。
それでは、どれだけ必要かというと、ブラジルを標準に考えてみると、日本の港を出てブラジルの港につくまでの渡航費は全額政府が10カ年無利子据置き後10カ年間3分6厘5毛の利子で年賦償還を条件として貸付けてくれ、上陸港から農場までの費用は雇主が負担してくれるので、船中の小使いだけで殆んど自分の金を必要としない従って問題は船に乗り込むまでどれだけの費用が必要かということである。
まず単独青年が移住する場合であるが、戸籍謄本、健康診断書、写真等々の書類を作る手数料が約9,000円、横浜または神戸等で船を待つ間、泊まっている移住あっせん所の経費が約1,000円、その他県庁等へ手続きのための往復旅費、あっせん所までの旅費や荷物運賃等だいたい1万円で合計2万円位は必要となる。ところが県から1万円、国から5,500円が支度金として移住決定と同時に移住者に対して支給されるのである。以上の外船内での小使と現地における予備に若干準備できれば結構であるが、本人の心掛け次第でなくても行けないことはな また家族そろって雇用移住する場合も、右の単独青年の場合と原則的に異なったことはないが、人数が多くなればそれだけ旅費その他の経費が必要で、一例を5人家族(家長、その妻、15才の子1人、15才以下の子2人)の場合にみると所要経費が約6万7,000円、これに対して国および県より支給される支度金が合計6万1,000円である。なお家族の場合被災者その他特別な事情のある者には、このほかに3万円以内の特別支度金も出る。これは一例で家族が変われば所要経費や支度金の支給額も変わるが大差はない。船中での小使や現地の予備金等は いずれにしても南米へ移住するには必ずしも多額の費用を必要としない。お金がなくて行く方法はできているので、志のある人は県庁農政課内の海外移住協会にご相談下さい。

市行政の合理化

9月30日で支所廃止

田子浦支所及び岩松支所は、いよいよ来る9月30日をもって廃止しその取扱事務は10月1日より本庁に統合されることになります。
支所廃止後、両地区に関する戸籍事務、住民登録及び印鑑に関する事務は本庁戸籍課で扱い配給関係は商工課で取扱います。
また廃止後の両支所は、市公民館分館とし、地区公民館活動のセンターとして各種団体の諸会合等に利用していく方針でありますので利用する場合は従来よりある公民館附属文庫の係員にあらかじめ申出て許可を得て使用することになります。又地区住民の出生時、死亡時の手続きの便宜を考慮し、届出用紙請求のための時間的不経済をはぶくため、用紙を文庫係員の手もとに置きますので、必要の方はそちらへ請求していただく方法もありますから活用願います。

住民登録について

過般住民登録の完璧を期するため住民登録人員名簿を市内各世帯に配布されて御承知のことと思いますがこの名簿に登載されて現在居住していない方又は他市町村より転入市内転居等の異動あるものは市役所戸籍課又は田子浦、岩松支所に届出て下さい。(戸籍課)

23日「秋分の日」

9月の衣食住

新涼、残暑、台風と9月の天候は複雑ながら、雲のゆきかい、草木の色もさすがに秋らしく変わる。都市の勤労者も農村の方々もこれからずんずん仕事の能率もあがってゆく。家庭では秋の季節と夏の始末を季節の移り具合をみながら適当に整理したいものである。老人の日や(15日)秋分の日(23日)を中心になにか家庭のレクリエーションを企画するのも家をあずかるものの、たのしみの一つとしたい。

「衣」
洋服がふだん着になったいま、季節の衣替えなどという言葉があまりぴったりしなくなった。9月の普段着は夏着の上に朝夕は1枚着るものがあれば十分、フトンの手入れの仕残したものはなるべく彼岸のころまでに仕上げ夏フトンの仕立かえなど手ぎわよくしたいもの。

「食」
涼しさが続くと気がゆるみ、食物の作操に手ぬかりができるもの。調理にも貯蔵にも、また食中毒の警戒をしたい季節です。涼風とともに増してゆく食欲に、夏のつかれをとり戻す大切な時期でもあるから、食品の取り合わせには十分気を配りましょう。
今月は台風の本格的なシーズンなのでこんな時のため、カン詰やイモ類、カボチャ、タマネギなど貯蔵のきく野菜類をいつもたやさぬのも家庭をあずかるもののつとめでしょう。

「住」
9月には2、3回ぐらいは台風が本土に上陸するものと覚悟せねばならない。その場になってからでは間に合わないから台風対策を家族全部でよく立てておくこと台所の清掃をぜひしておきたい月です。更に高温多湿で戸棚のカビ、天井や壁のくもの巣、ガラスのよごれなど夏の間の乱れを一掃して、味覚の秋の調理場にいたしましょう。秋まきの花の種など彼岸前におわりたい作業の一つ。

お知らせ

転入転出は14日以内に戸籍課又は支所へ

タバコ消費税は
市税の中約6.3%を占め
市の大きな財源になってます
‐ イラストあり ‐

建物を建築する場合には必ず建築確認申請(建築届)をして下さい

昭和35年第3次2等陸・海・空士募集中
受付期間 9月1日〜10月10日
試験期間 10月16日〜11月6日
応募資格 昭和11年1月2日から昭和18年1月1日までに生まれた日本国籍の男子
詳細は市役所総務課へ

人口の動き

人口総数 4万6,127人
男 2万3,122人
女 2万3,005人
世帯数 9,044世帯
転入 255人
転出 185人
出生 63人
死亡 31人
婚姻 富士14人 田子8人 岩松5人 計27人
離婚 富士3人 田子0人 岩松0人 計3人
死産 富士13人 田子1人 岩松0人 計14人
(昭和35年9月1日現在、住民登録による)