広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 7月1日発行 内容

拠出制 国民年金とは

受付は昭和35年10月1日
実施は昭和36年4月1日

(富士市役所保険課)

今まで厚生年金保険や恩給などの制度のなかった農業漁業其の他零細な自営業者やその従事者などのために出来た所得の保障制度で老齢、病疾、生計中心者の死亡等によって生活の安定がそこなわれることのない様に国民共同連帯で守ろうとするものです。従って若くて働ける間に其の保障金の一端は拠出しなければならない。

■誰が加入するか
一、強制適用者(必ず申告して加入しなければならない人)
満20才以上50才未満の日本国民で厚生年金保険、各種共済組合又は恩給等の年金を受けることが出来ない人

二、任意加入者(希望申告すれば加入出来る人)
満20才以上の日本国民で左の人
(イ)厚生年金保険、各種共済組合又は恩給等に加入している人の配偶者
(ロ)遺族年金や扶助料を受ける人
(ハ)軍人軍属等の遺族に対する年金や留守家族手当、特別手当を受ける人
(ニ)学生(夜学や通信教育を受けている学生生徒を除く)
(ホ)昭和36年4月1日現在満50才以上55才未満の人

■届出はいつか?
世帯調査 本年7月1日より
届出の受付資料を控えるために市内を巡回して調査する。
強制適用者届出 本年10月1日より
資格取得届を市役所へ提出する
任意加入者申請 本年10月1日より
任意加入は明年3月末日以後は申請出来ない。

■保険料はいくらか
来年4月1日より
一、納付額
20才〜34才 月額100円
35才〜59才 月額150円

二、納付義務者
世帯主は世帯員の保険料、配偶者はつれ合いの保険料について連帯して納付義務を負う。

三、国の負担金額
毎年度保険料収入総額の2分の1

四、納付方法
(イ)月別納付
国民年金手帖に規定の印紙をはり、一ヶ年に4回市役所の検認を受ける。
(ロ)有利な前納制度
1ヶ年、10年又は全納付分の割引前納が出来る
(ハ)保険料の免除
生活保護法の適用者、身体障害者、寡婦等で年間所得が13万円以下の人や生活が著しく困難な人は保険料の免除申請することができる。
(ニ)免除者の追納
申請によって免除された場合は、後日追納が出来る。
免除申請のない人は福祉年金も交付されない。

■種別、支給要件、年金額は
拠出制国民年金は老齢、障害、母子、遺児、寡婦の要件に該当した時、別表のように交付され、年金額は保険料払込年限によって区別されている。尚、厚生年金保険法其の他の被用者年金各法との通算調整に関しては後日厚生省より達示される。

■罰則
国民年金への加入除外は総て本人又は世帯主が届出の義務があり、届出をしなかった場合とか虚偽の届出に対しては罰則が規定されている。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・昭和36年4月1日現在における分類
(図表説明)・・・年金の種類、受給要件、年金額

新作小噺

もへじ長屋
拠出制国民年金の巻


「家主さんニュース、号外、ジヤランジャランジャランジャラン」「虎さんどうした、国会デモか?」「ノウ、ノウ」「内閣がどうかしたか」「ノウ、ノウ」「チリが地震か?」「ノウ、ノウ」「じれったい奴だな早く言へ」「残念でした、当らない」「ろくでなし、わしをかつぐ気だな、その印刷は何だ…ええと拠出制国民年金?これがどうした」「へえそのね、家主さんは国民年金を貰っているんでしょ、ただで」「いやな奴だな、ただで…と、力を入れたな、何が不服だ」「ところがだ、貧乏人のワシ等、拠出制年金だから積立てをしろなんて強制的によ、とん

お知らせ

拠出制
国民年金世帯調査
7月中に実施
申告に備えて市役所保険課で基礎調査に家庭訪問します。
御手数でも面接して下さい。
その際健康保険証及厚生年金証書等を準備しておいて下さい。

住民登録は至急現住所へ
国民年金が始まると世帯主は世帯員の保険料納付義務を連帯して負わされます。
住所異動の際は必ず住民登録をして下さい。