広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 4月1日発行 内容

昭和35年度施政方針
新市第二次建設へ

一般会計予算4億7,000万円
3月定例市議会ひらく


 新年度予算をきめる富士市3月定例市議会は3月8日午前9時招集で開かれました。まず会期は最終本会議の24日までの17日間ときめこの間総務、建設、厚生の各常任委員会が開かれそれぞれ付託議案など市当局提出25件が慎重裡に審議されました。
 遠藤市長は8日本会議のへき頭、昭和35年度予算に対する施政方針を約40分にわたり大要次の通り説明いたしました。

‐ 写真あり ‐

 本日ここに昭和35年度一般会計並に特別会計予算を提案するに当たり、予算編成の経緯と35年度施政方針の一端を申し述べたいと存じます。
 私は昭和29年市長に就任以来7年目を迎えたのでありますが、この間最も苦心いたしますのは予算の編成であります。申すまでもなく予算は市の財政計画であり将又事業計画であり1ヵ年間の施策の大半がこれに集中表現されるため、市政運営上極めて重要な意義を有するものであり予算編成に当たっては充分慎重な配慮を要することは勿論であります。私は今市長就任以来第7回目の予算を提出するに当たり、一層この感を深くするものであります。
 市制施行以来私は予算編成に当たっては「入を計って出ると制す」という予算編成の原則を堅持し市財政は一応健全財政を維持しつつ合併の主眼たる新市建設5ヵ年計画を実施すると同時に市の発展の基盤となる各種重要事業を協力に推進して参ったのであります。
 今や本市は新市建設の第一期を終わり第二次建設の段階に入ったと申せましょう。港湾整備、用排水事業、道路整備等の産業基盤は着々強化されつつあり、加うるに有利なる地理的条件と相俟って当市の飛躍的発展は期して待つべきものがあると存じます。この飛躍的発展に対応して私はこの際思い切った積極的な施策を断行すべき時であると考えるものであります。併し乍ら市制施行5か年にして財政規模は約2倍の膨張を示しているとは申し乍ら、その財政力にも自ら限度があることを忘れてはなりません。近年往々にして市民等の強い要望により、その事業遂 さて地方自治体の予算は自ら国家予算とは異なり同一に論ずる事は出来ませんが、しかし国家予算を無視して市予算を編成するこ・ニは出来ないのであります。
すなわち地方財政は国家予算の動向により、その影響が非常に大きなものがあるからであります。
従って現在国会に提案中の予算について検討致しますと、一般会計の予算額、或は35年予算に現れた財政投融資額等から考え産業の進展による生産の増加等を考え合わせて34年に比較して諸民の所得は可成り伸張をみるものと考えられるのであります。
従って35年度中に於いては特別な事情の変化のない限り景気の後退は考えられないのでありまして概ね堅実な歩調で推移するものと予想され、物価も大体横ばいの傾向をたどるものと推定されるのであります。斯様な見透しの下に予算編成を行ったのでありますが、税収入については或る程度の増収が期待出来るのでありまして、前年度の自然増収分と併せ考えますれば可成りの伸張を示すものと云えましょう。35年度におきましては、これら主要財源を最大限度に投入致しまして目前に山積みする各種重要事業に充てたのであります。(写真は遠藤市長)
(図表説明)・・・昭和35年度富士市一般会計歳入歳出予算総括表
(図表説明)・・・特別会計歳入歳出予算

「歳入」

市税収入は約3億円を押える

 先ず歳入の面から申し上げますならば、市財政の大宗たる市税収入を2億9,957万4,000円に押え計上致しました。既に申し上げました通り経済界の活況に伴う市民税における法人税割、事業場等の設備拡張による固定資産税、電気ガス税等については特に期待を寄せるものであります。当初予算に於いてか様な巨額な市税を計上致しました事は一見無謀な感を抱かれるかと存じますが特別の事情のない限り税収の確保には充分なる自信を有するものであります。
 更に税収入1億7,165万9,400円を計上し当初予算総額4億7123万3500円と相成ります。税外収入に於ける国庫支出金6,300万円、起債4,400万円等についてもその確保については市税徴収以上の困難性のあることも予想せらるる所でありますが、重要事業の執行はこれ等財源の確保にかかっている点に思いを致し、その万全を期し、もって市政の円滑な運営を意図するものであります。

「歳出」

緊急事業を重点に
消費的経費は極力節減


 つぎに歳出について御説明申し上げます。
 ご承知の通り私は1月7日各課長を招集し35年度予算編成に関し重点施策について指示を与え原案を作製に着手せしめ次いで16日議員各位の御参集を求め、私の35年度に於ける重点的施策の構想の概要を申し上げその後議会側より貴重な御意見を承り、これらを指針として予算原案の査定の臨んだのであります。
 さて各担当課長より提出せられた要求総額は5億6,600余万円という巨額に達しました。
 これを歳入額に比較して余りにも不均衡でありいかに積極的な予算とは申し乍らこの金額を容認することは出来得ないのであります。結局消費的経費は、極力これを節減することは勿論、事業面については、その緊急度に応じ重点的にこれを取り上げ三次の査定によって漸く今般提出の線に決定いたしたのであります。
 次に款を追って説明申し上げます。

◎支所廃止は向う6ヶ月以内に
第一款議会費、第二款市役所費については、人件費等の増加によるもの以外は大体前年度同様でありますが、田子浦、岩松両支所廃止については従来より検討致しておったのでありますが、近年着々道路も整備されつつあり中心部との交通も逐年利便となった今日、市行政の合理化と経費の節減の意味をもって向う6ヶ月をこえない範囲内で両支所を廃止、廃止後は地区公民館活動のセンターとして活用致すため逐次整備いたして参りたいと考えております。

◎常勤団員を増員
第三款消防費については、すでにご承知のことと存じますが、私は常設消防設置の意図を持っておるものでありますが、本年度一気にこれを実施することについては、財政的に難点がありますので取りあえず本年度は常勤団員の増員を行い充分訓練を行い体勢を整えてより完全実施の段階に進みたいと考えております。か様な事情を考慮して昨年度より72万円の増額計上をいたしたのであります。

◎道路舗装を土木事業
次に第四款土木費について申し上げます。建設関係事業は私が本年度企図しておる最も重点事業の一つであります。ご承知の通り都市計画課もすでに独立課として設置をみておる関係上、五款都市計画費を包含していた港湾費、都市計画費を分離計上いたしました。従って第四款土木費における本年度事業として特に企画いたしたものは道路舗装でありまして市の中心部より逐次外郭へ拡大して参りたいと考えます。その外道路橋梁、用排水路の新設維持修繕等も緊急度を勘案して取り上げたものであります。

◎都市計画費を新設
第五款都市・v画費として重点なものは継続事業である田子浦港整備事業費2億3千万円に対する負担金として2,415万円を計上し新規補助街路舗装費として富士鷹岡線分900万円、同じく吉原・富士川線の街路築造費として2,100万円を計上しその完成を期しております。
尚橋梁費として鷹岡線富鷹橋工事費並に取合工事費等で3,000万円を計上いたし市単独街路事業費として1,200万円を計上し継続事業である本調四丁河原線、竪堀岩本線の施行を期しております。

第二中学校の新設

工費 3,300万円

第六款教育費については、本年度予算総額の15.3%即ち7,811万4,200円を計上致しました。本年度教育関係に於ける重要なものは中学校の新設であります。これが施設費並に工事請負費に3,350万円その他小中学校の指導要領改訂に伴う備品費等の関係費用を約350万円を増額計上いたしました。

◎住宅20戸を建設
第七款社会及び労働施設費については特に本年度取り上げて申し上ぐる点はありませんが、住宅建設について第一種、第二種合わせて20戸の建設は前年度同様でありましてこの経費は826万2,000円次にかねてより要望のあった保育園新設については本年度財源等の関係上取り敢えず土地購入費90万円を予算化致しました。

◎今年こそ解決したい し尿処理、下水道問題
第八款衛生費について申し上げます。申すまでもなく近代都市行政においてし尿処理問題と下水道問題は緊急解決すべき重要課題であることは各位のすでに御認識のことと存じます。本市においても特にし尿処理の解決は一日も放置を許さない現状に鑑み取り敢えず万難を排して本年度着工を決意致しここに3,800万円を予算化致しましたが、若し順調に工事の進捗する目安がつきますれば立替工事としても年度内完成を期したいと考えております。尚下水道調査費として30万円を計上致したのであります。(二面へ続く)

3月市議会日程

本会議(8、9、10、11日)
総務委員会(14、15日)
経済委員会(18、19日)
原生委員会(21、22日)
本会議(24日)

お知らせ

富士市役所の執務時間が4月1日から次の通り変わります。
◇始業時間 午前8時
◇昼休み 正午から午後1時まで
◇終業時間 午後4時30分

建物を建築する場合には必ず建築確認申請(建築届)をして下さい

人口の動き

人口総数 4万5,289人
男 2万2,661人
女 2万2,628人
世帯数 8,725世帯
転入 203人
転出 189人
出生 65人
死亡 38人
婚姻 富士19人 田子11人 岩松11人 計41人
離婚 富士0人 田子0人 岩松0人 計0人
死産 富士8人 田子0人 岩松2人 10人
(昭和35年3月1日現在、住民登録による)