広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 2月1日発行 内容

春立って未だ九日の野山かな(芭蕉)

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・下横割地先にて写す

市立蓼原保育園完成

開園予定は4月1日

 初の市立富士市蓼原保育園が南本田に完成、いよいよ4月1日から正式に開園の運びとなります。
 この保育園は、昨年9月29日着工、12月20日完成をみたので同月24日竣工検査を行いました。総建坪は1,225.0平方メートル(98.5坪)の木造平屋アルミ瓦葦外壁パネルボード張で建物の内部は保育室、遊戯室、ママゴトコーナー、乳児ほふく室、作業室、事務室兼医務室、厨房、小使室、便所、脱衣所、浴室、洗面所、洗濯場などが完備され当市自慢の保育園であります。
 とくに乳児室およびほふく室は遊戯室より出来る限り離したこと、乳児室に接し作業室を設けたこと、遊戯室にステージ兼用のママゴトコーナーを設けたこと、遊戯室及び保育室の窓に色ガラスを使ったこと、遊戯室の間仕切にフォールデングゲート(アコーデオンドアー)を使ったことなどが特徴としてあげられています。総工費は662万6,000円であります。
 なおこの保育園建設に当たっては地元民の献身的なご協力に対し当市局より心から感謝申し上げます。
◇定員 60名
保育園の定員は60名でそのうち2才未満児童は6名で、3才以上就学までの児童は54名であります。
◇開園
3月1日より臨時開園致しますが3月中は午前中で4月1日より正式に8時間保育を行い副食、給食を実施、3才未満の幼児の場合は完全給食を致します。日曜日は休園の予定であります。
◇入園資格
例えば親子世帯で働きに出たあと家庭が留守になるもの、夫婦共稼ぎで家庭が留守になる者、又は一家全部働きに出かけ保育に欠ける者、夫婦の一方が病気にかかり児童の保育に欠ける者等であります。このほか入園ご希望の方は定員に満たない場合は入園できます。
◇保育料
費用は3才以上の児童は1ヵ月910円で、3才未満の場合は1,500円の費用がかかります。詳しい事については市役所内福祉事務所にご相談下さい。

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(写真説明)・・・開園を待つ保育園

固定資産税
償却資産の申告は1月末まで

固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者は、法第383条の規定により毎年1月1日現在における償却資産について、その所在数量、取得時期、取得価格、耐用年数その他償却資産の価格の決定に必要な事項を1月末日までに申告の義務が規定されています。
申告を怠ったり或は不正申告のあった場合、罰せられることもありますので特に通知のない方でも新たに資産を求めた方は税務課へご連絡して申告書を求め期日までに申告して下さい。
尚償却資産とは、土地家屋以外の事業の用に供することが出来る資産、但し自動車は別に税が課されているので償却資産か・迴怺Oされます。

◎償却資産の種類
構築物、軌道、煙突、その他土地に定着する土木設備
機械及び装置、原動機、コンベヤ、起重機、ポンプ、旋盤、耕うん機
車輌及び運搬具、鉄道、車輌運搬車等
工具、器具及び備品、金属製木製等
申告に際し不明の点は税務課へご連絡下さい。(税務課)

目標額を上回る
赤い羽根共同募金
歳末助けあい運動終わる

赤い羽根共同募金は毎年のことでありますが特に昭和34年は3回にわたる台風襲来で県内各地に大きな被害を受け、しかも共同募金の目標額は昨年より3割増にもかかわらず市民の絶大なご協力によって左記の好成績をあげましたことを厚くお礼申上げます。
また歳末助けあい運動においても多額の金品を寄せられ、家庭および市内出身の県内施設入所者等に配分いたしました。そのよろこびは如何ばかりであったかをご想像下さい。市当局としてもこれら奇特な方々に心から感謝申上げ報告と致します。(厚生課)

■昭和34年度共同募金実績
◇目標額 76万7,000円
◇実績額 82万2,549円
◎内訳
◇戸別割
目標額 48万円
実績額 48万7,390円
◇法人割
目標額 28万円
実績額 32万4,900円
◇職域割
目標額 7,000円
実績額 9,880円
◇その他 3,790円

■歳末助けあい運動実績と配分
◇募金総額 15万6,693円
◇市社教より 1万9,807円
◇餅(切餅) 1,000キログラム
◇餅(二升搗) 81
◇白米 5キログラム
◎配分
◇要被保護世帯 15万9,714名 13万5,000円
◇施設入所者 22名 1万1,000円
◇入院患者 35名 1万7,500円
◇老人ホーム 12名 6,000円
◇施設職員 7名 7,000円
◇配分金額合計 17万6,500円
◇餅(切餅) 要被保護 250世帯
◇餅(二升搗) 要被保護世帯 81世帯
◇白米 要被保護世帯 2世帯

小児コレラに注意

カゼと思ったら早期診断

 去る1月20日静岡県都市衛生課長会議が県庁本館4階で行われました。当日衛生部長が特に今年は各地に小児コレラが発生しており、死亡率も相当高率を示しているが現在いまだ発生源並に最近の実態が医学的に確立されていないので、治療方法がないから乳児を持つ家庭は充分に注意し乳児に風邪をひかせないことと大勢人が集る場所へは乳児をつれていかないこと、風邪をひいたと思ったらすぐ専門医師の診断を受けることなどの注意がありましたから伝達致します。
 なおこの症状は初め風邪をひいた時と同じ状態となり重症の場合には嘔吐や下痢を起こし次第に白痢脳しょうを起こし脱水してついには死亡するということです。
ですから満1才までの乳児を持つ家庭ではくれぐれも注意して症状がおかしい時はいち早く専門医師にみてもらって下さい。

家庭調査にご協力を

 皆様の所有する家屋について地方税法の規定に基き、毎年調査することになっておりますので本年も近日中に調査に伺いますからその節はぜひご協力願います。(税務課)

引揚者給付金の請求

 引揚者の家庭及びその遺族で給付金の請求手続きがいまだ済んでおらない方はありませんか、この請求は昭和35年3月31日をもって締切りますので、その後の請求は無効ですから該当者は速やかに市役所厚生課へおいで下さい。(厚生課)

◆スポット◆

■農協の数はいくつあるか
農林省の発表によると昨年3月末の農業協同組合の総数は、全国で3万1,049でこのうち出資組合は1万7,908となっています。
信用事業も行っているいわゆる総合農協は、1万2,406で非出資の農協は1万3,141あります。

■左ききと右きき
人間には右ききの人が大多数で左ききの人は、千人に3、4人ぐらいといわれている。
ところが赤ちゃんはほとんど区別なく両手を使う。この理由はまだはっきりしていない。
いまでは、左ききの人は器用だといわれるほど野球の左投手はちょうほうがられる。
また外国人には、左手で字をかく人が多いといわれている。

■ビタミンCとは
ビタミンCは疲労回復に役立つ大切な栄養源である。
ビタミンCは夏ミカン、ポンカンなどのカンキツ類や農村で手軽に入手できるサツマイモなどに含まれています。
また野菜ではピーマンやみどり色の葉菜類、マッ茶、クリ、あま柿などにもたくさん含まれています。このほかビタミンCはビタミン剤の中でも最も安い薬ですから薬でとってもよい。

5日は「立春」
窓際に鉢植の花など

 2月4日は節分、5日は立春。きびしい寒さのうちにもこの言葉を聞くと、なんとなく明るい気持ちになり、わずかずつ日あ・オも伸びてくる。梅のつぼみもふくらむ。この月は春へ近よる準備の月でありやがてそれぞれ入学試験もはじまります。

「衣」
 2月はとかくホコリっぽくエリやソデのよごれが目立つ。家で着るものや小さい子供にはとりはずしのきくカバーの工夫はいかが…ときに暖かい日ざしの縁側でほどきものなどの整理。きしむ糸には植物性油をしませた小切で軽くこするとよくほどける。あとはベンジンでふくことを忘れないで下さい。また2月は冬物の買いどきです。

「食」
 毎日の食卓にのせる食料のことですからメートル法にもすっかり慣れたことでしょう。まだ100匁は375グラムなどと換算している方は誰ですか。
まだまだ寒さもきびしいのでやはり寒さへの抵抗力をつけるためタンパク、脂肪を多くとりたいもの、そろそろ出回る青野菜は多少かためでもビタミン補給からぜひともとって下さい。

「住」
 この日から3月にかけて一年中で火災のいちばん多い月です。空気が乾燥していて思わぬ大火になります。ふだんから火の元には注意が大切ですが、家の中をいつも整理しておくのもかん要です。
 貴重品をとりまとめるか、あるいは分散させるか、いずれにしても所在をいつもはっきりさせておきたいものです。また窓際にハチ植の花などはいかがですか、陰うつな冬から春を待つのに、切花などより自分で手がけるハチ植の面倒をみるのもよいものです。
外にある庭木には、寒肥をやる季節です。いまは化学肥料がかんたんに手に入るし施肥法もむずかしくありません。春から先のことを楽しみに…。

2月のこよみ

◇節分の日(4日)
◇立春、寒明け(5日)
◇針供養(8日)
◇日露戦争(9日明治37年)
◇大日本帝国憲法法が発布さる(明治22年)、文化勲章が制定さる(昭和12年)(11日)
◇所得税の確定申告(16日〜3月15日まで)
◇万国郵便連合加盟記念日(19日)
◇ワシントン(アメリカ初代大統領)とショパン(ポーランドの作曲家)生まれる
◇車両火災予防運動(28日〜3月5日)

お知らせ

生活の明日を豊かにする貯蓄
郵政省・大蔵省

人口の動き

人口総数 4万5,097人
男 2万2,560人
女 2万2,537人
世帯数 8,655世帯
転入 201人
転出 158人
出生 59人
死亡 23人
婚姻 富士37人 田子14人 岩松9人 計60人
離婚 富士1人 田子0人 岩松0人 計1人
死産 富士8人 田子0人 岩松0人 計8人
(昭和34年12月31日現在、住民登録による)