広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和35年 1月1日発行 内容

1960 迎春

‐ 写真あり ‐

市民の総親和で最良の年に

富士市長 遠藤脩治

‐ 写真あり ‐

明けましておめでとうございます。
各位には、あふれる希望と新しい構想を抱いて輝ける昭和35年の新春を迎えられたことを心からお喜び申し上げます。
振り返ってみますと昨年も又国の内外はもとより、当市にとっても非常に多端な年でありました。相次ぐ台風は本土各地を荒し中京地区に未曾有の大被害をもたらしたことはまだ記憶に新しいところでありまして皆様と共にここに更めて被災地の方々に御見舞い申し上ぐると共に速やかな復興を祈念してやみません。しかしこの反面皇太子の御結婚は国民にとって最も心温まる話題の一つであり、又世界強国の軍縮提案、核実験停止協定等による平和攻勢、ソ連月ロケットの裏側撮影成功等々国際的にも国内的にも非常に明るい話題がありました。
我々の郷土富士市におきましても、7号台風による風水被害等もありましたが、何よりも満5才の誕生日を迎えて行われた市制施行5周年記念の祝典は、簡素とはいえ市民各位は一層愛市の念と忘れ難い感銘に浸ったことと思います。そして、つづられて行く歴史に我々の時代の一頁を飾るかのように、田子浦港臨港地区の指定によって将来の開発が約束づけられその整備事業や工場誘致、水道事業の全市普及、都市計画事業、富士川用排水事業、市立富士中央病院等々各種の大事業が次々と進捗し或は完成して、市の建設は進展いたしました。そしてこれらの大事業 樹は風雪に耐え、栄養を吸収するために大きな根を張り、毎日人知れぬ努力を続けて一つ一つ樹令を重ねやがて大きな枝を四方に張って立派な喬木になります。私共の郷土富士市は、この樹に例えればまだ年齢が6つに増えたばかりの希望に満ちた幼木であります。そして今は将来の成長に備えて立派な根を張るためにコツコツと地味な努力が続けております。僅か5年の間ですが、小さな趣旨に芽が出てこのように立派に育って来ました。それ故に今後のめざましい発展が期待されるわけであります。「一年の計は元旦にあり」言い古された言葉ですが、やはり年改

新春を迎え
市の発展へ更に努力

富士市議会議長 漆畑五六

‐ 写真あり ‐

昭和35年の新春を迎え市民各・ハの健康と繁栄を心より祈念し、新年の御慶びを申し上げます。
永い間凝結していた米ソの冷戦は、春の訪れとともに雪解けの情勢となり、かけ声だけでない平和への暁光がみえてまいりました。
世界の政情は大きな転換期に向かい、国内政治もまた経済の伸展とともに漸次安定化しつつあります。まずまず平和な迎春と申さねばなりません。
さて、富士市は昨年市制5周年を経て、新しい建設への第二段階に入ってまいりました。近代的工業都市としての立地諸条件を具備すべき第二次5ヵ年計画は、本年より集約的に実施しなければなりません。先ず、田子浦港整備事業は、国・県の力強いテコ入れを受けて本格的な築港工事が着手されるでしょうし、富士川用排水事業は隧道工事の不慮の災害にあったとはいえ全般的には予定通り推進せられるでありましょう。
当面最も重要課題とされている富士駅総合改修事業は本年こそ是が非でも進捗いたさねばなりません。さらに昨秋以来問題となっている東海道線新幹線の路線についてもその決定が迫られてまいります。
これらの重要課題を考慮に入れての都市計画道路網の整備は緊急を要するものであり、文教政策上からみれば本年は第二中学建設に積極的な努力をいたさねばなりません。
他方上水道の完備に伴い、下水道事業計画の立案、し尿処理場建設も実施に移すことになりましょう。まことに市政の動きは目まぐるしく、瞬時も休む暇がありません。
私ども市議会は、これらの重要案件と取り組んで、真に市民各位の付託に応えるべく最善の努力を傾注いたす所存であります。
旧ろう、市議会は第6回定例議会において正副議長、常任委員等役員、委員の改選を行いました。議長は不肖私が再びその重責を担うことになり、副議長には佐野喜郎君が選任され、常任委員、運営委員、特別委員等の構成も一新されました。
私は、職責の重大さにかんがみ、議員諸君とともに誓って市政の進展に寄与いたしたい所存でありますので、市民各位の御支援御協力を懇願申し上げ年頭の御挨拶といたします。

ことしはネズミ年

‐ イラストあり ‐

我輩はねずみである。「エヘン」今年は我輩の年である。生物の王者人間共が我輩を十二支に加え然もその筆頭に祭り上げた事を深く感謝する。
しかるにちゅう公などと言って何時も馬鹿にするが我輩の仲間は40種余り(人間共は20種)全世界に君臨し鼠族反映のために我輩の敵である人間共やへび、猫その他の天敵と日夜戦い続けている。我輩の仲間はいたずらの激しいので有名であるが中でもどぶ公にはた公それにわが輩はかなり人間共を手子摺らせている。そのため年に一度地方に依っては数度に亘って毒マンジュを喰べさせられる事があるので我輩を始め一族が安心して人間共と同居できない。それ許りか時々へびや猫、いたち共にもやられる。もし我々に真の自由が与えられるならば近い将来人間

謹賀新年

市長 遠藤脩治
助役 遠藤 栄
収入役 武内秀道
総務課長 内山正己
文書課長 落合広治
土木課長 佐野清一
税務課長 長洲幹彦
戸籍課長 望月藤作
商工課長 望月雅己
厚生課長 滝川隣竜
衛生課長 鈴木敏三
水道課長 北村良作
保険課長 栗原 勝
都市計画課長 遠藤 栄
農産課長 後藤竜雄
職員一同

教育委員会事務局
教育長 涌田隆一
総務課長 稲垣正義
指導課長 塩川辰義
公民館長 松永安衛
職員一同

市立富士中央病院
院長 多々良満寿雄
副院長 児玉実光
副院長 滝本房一
総務部長 広瀬国助
職員一同

人口の動き

人口総数 4万5,018人
男 2万2,521人
女 2万2,497人
世帯数 8,623世帯
転入 212人
転出 176人
出生 68人
死亡 29人
婚姻 富士40 田子11 岩松7 計58件
離婚 富士0 田子0 岩松0 計0件
死産 富士5 田子0 岩松0 計5件
(昭和34年11月1日現在、住民登録による)