広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和34年 11月25日発行 内容

大成功だった
秋の交通安全運動

 10月16日より25日迄の10日間交通安全運動が全国一斉に行われました。
 とりわけ富士は市民運動の先鞭として全国的に知れわたった市長を中心とする市民運動推進会、県下でも組織の優秀性を誇る交通安全協会富士地区支部、婦人会、ボーイスカウト連盟の諸君、青年会議所、自転車組合の方々、各学校当局、事業団体、PTA、さらに新しく交通安全のために発足した商店街交通安全協会、など市内に存ずるあらゆる団体組織の熱心な御協力を受けまして近年まれにみる大運動を展開することが出来ました。その結果大きな成果を挙げ恐ろしい交通禍から多くの尊い人命、財産を救うことができましたことを、この運動に絶大な協力を  そこで10日間の行事のうち、主なことを2、3とりあげ皆様に成果の報告をいたし今後とも交通事故防止になお一層の御協力をせつにお願いするものであります。

◎学校の登下校の指導
 このようなことは今迄一度もいたしておりませんでしたが、PTA、婦人会の皆様が「可愛い我が子を恐ろしい事故から守るため、皆んなで協力しよう」と自発的に立上り早朝から手に手に交通安全の旗をかざして街角に立ち学童の登下校の指導をしてくれました。
 国道筋をはじめ市内各所で学童の事故の多いとき、この10日間は1件の事故発生もみなかったのです。いかに大きな成果があがったかがうかがわれ心より感謝せずにはいられません。お母さん達の中には子供を背負って熱心に指導している姿も見え、切実な中にもやわらかな明るい運動でした。

◎活躍した市民運動推進会
 この運動は推進会を母体として行ったのでありますが中でも教育委員会の方々には、ひとしおの御協力を賜ったのであります。
 日頃交通事故防止については、特段の配慮を願っていることは皆様御承知の通りです。今回もテープレコーダー、広報車の提供、その他数々のご協力をいただき陰の力として大きいものがあったことは見逃すことができません。
 「皆様こちらは市民運動推進会です。只今秋の交通安全運動が行われています。人は右、車は左、の対面交通を励行しましょう。今日は自転車の乗り方について御指導申し上げます。皆様広報車の後に続いて走っている自転車隊に注目して下さい。自転車に乗るときは左側を一列になって走りましょう。左に曲がるときは左手を横に出すか、右手を高く挙げて下さい。右に曲がる場合は右手を横に出すか左手を上に高く挙げて下さい。合図することは法規に正しく定められており、自転車に乗る人の義務です。やらなければならないことなのです。皆合図を励行し富  と明るいメロデーにのって美しい女性の声を、お聞きになったことと思います。全くその通りです。交通法規を守り明るい町づくりに一歩一歩前進していこうではありませんか。

◎テレル一日交通巡査
 この運動中を通じて警察の仕事と交通事情の実情を知ってもらうため、役員の方々に一日交通巡査になっていただきました。はじめて着る制服姿で街頭に立ち、いろいろと見分をしていただきました。中には真赤になってテレる人もありましたが、有意義な行事でした。交通事故の原因となる物件放置、路上作業取締に同伴してもらいましたが、きっと実情を把握していただけたと思ういます。

◎自転車隊のパレード
 車は左、人は右、交通の規則であります。
 守りやすくて守られないのが対面通行です。中でも自転車の乗り方が不適当で事故の原因となっていることが多々あり運転手の苦情の種です。左側は一列に並んで走っている女学生や、高校生の若々しい姿をみて、だれしも気持よいものに受取れると思いますが、自転車隊のパレードにより模範通行をお見せしましたが、あのように正しく通行し交通事故から自分を守り、又相手に迷惑をかけないようにいたしましょう。

◎運動中の事故件数は
 主なものを2、3紹介しましたが、はたしてどれ位成果が挙がったのでしょうか、統計的にみると、
10月16日より10日前(期間前10日間)3件
死者なし、傷者4名、物の損害50万円
期間中10日間 3件
死者1名、傷者2名、物の損害80万円であります。
 結果的に成果が挙がったとは言えませんが一般的には対面交通が本当によく励行されるようになりました。
 また本町通りも見違えるように整備されて来ました。これは大きい成果でみんなが交通道徳昂揚に心掛けてきている現状であります。
この10日間の成果と教訓を生かし今後とも事故防止に多大の御協力をお願い致します。
 終わりに先般県交通安全協会で募集した「交通安全の歌」入選2作をご紹介します。音符は当署交通課に保管してありますので遠慮なくお越し下さい。とてもすてきな歌です。みんなで交通安全の歌を口ずさみましょう。(富士警察署)

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・押し売新商売「防犯ベルを買わねえかい」

歳末
一斉大掃除と抽せん券付ねずみとり

 今年もあと僅かで暮れようとしています。一年間のすすやゴミを払ってよい年を迎えましょう。
 12月5日より27日までに必ず各町内隣近所日を定めて一斉に大掃除をして下さい。越冬する昆虫駆除のためにタタミを上げてふだん手の届かない所はDDTやダイヤジノンの粉剤を撒いて下さい。大掃除に使用する薬品は各町内会毎に取まとめて衛生課へ申し込んで下さい。大掃除をする前にねずみをとりましょう。
 ねずみの害は今更論ずるまでもない事ですが、特に食糧確保は我が国の運命を左右する重大問題であるにもかかわらず年間ねずみによる食害は2000億以上と推定されております。本年度当市産米は台風7号その他の被害を受けて平年作の4〜5割と聞いております。この様な凶作の年こそ特にねずみ駆除の必要があると思います。この外ねずみの害は巷の中毒事件や咬害による漏電が原因となって起こる火災等枚挙にいとまない。
 ねずみは夏の蚊やハエと同様我々人間生活には不必要なものであり撲滅しなければならない。
 本年度市の第一回ねずみ駆除は11月25日より10日間全市一斉に実施します。これに使用する薬品は近く区長さんや衛生指導員の方を通じて無料で配布致します。この薬品は黄燐製ネコイラズ団子で「医薬用外毒物」ですから取扱には特に注意して下さい。毒餌を置く所は流しもと、食器棚、台所の床下等物陰に2、3ケずつ紙にひねって置いて下さい。出来ればこの毒団子に種子油をつけておけばなお一層効果があります。翌日残った毒餌は必ず子供など手の届かない所へ片付けて下さい。駆除が全部済んだら毒餌は土中に埋めるか焼いて下さい。
 尚このねずみ駆除期間中ねずみ一匹につき別項の賞品があたるねずみ抽せん券を差上げます。
 住みよい環境を作るために皆様の協力を切望致します。(衛生課)

米の配給制度がかわりました

食糧庁では、米の配給制度の改善について、米配給制度改善協議会の意見を参考にして今回次の通り改善措置を決定し、11月1日から実施することとなった。主な改善事項は次のとおりです。
一、内地米の増配
従来一ヶ月5.475キログラムが11月から1ヶ月6キログラムとなった。
二、キロ建配給について
従来1日の配給量365グラムであったが、今回の改正で一人1ヶ月の配給量をキログラム建で表示する。
11月1日以降の一人一ヶ月配給量は
内地米(精米) 6キロ
徳用米(1)又は(2) 2キロ
妊婦加配 1キロ
在宅結核患者加配 1.5キロ
三、外食券制度が廃止された。
四、普通外米の割当配給制の廃・~。
11月1日以降配給通帳によらなくて米の配給所から主食用としてのみ自由に購入できる。
但し販売価格の統制額は従来通り。(商工課)

郵便貯金で災害の復興を

皆さんの郵便貯金のお金はみんな社会公共のために使われます。
このたびの伊勢湾台風の大惨害の復興には多くの資金が必要であります。こうした際、郵便貯金の積立金は、いち早く融通されて大きな働きをしております。郵便貯金が多ければ多い程、復興が早いわけです。そこで郵便局では「郵便貯金で災害の復興」と呼びかけて貯蓄運動をつづけております。一日も早く復興できますよう是非みんなのご協力をお願いします。なお郵便貯金は次の3つの種類があって便利に利用しやすくできています。
利子のよい「定額貯金」(6ヶ月据置)
毎月集金に伺う「積立貯金」(2年で満期)
出し入れ自由の「通常貯金」
(富士郵便局)

ねずみくじの御知らせ

ねずみくじ抽せん券は11月25日から12月5日正午まで市役所衛生課及び岩松、田子浦両支所でねずみ1匹と引換え致します。
1等 すき焼きセット 1名
2等 茶菓子セット 3名
3等 ベリーセット 10名
4等 歯磨粉 20名
5等 化粧石鹸 30名
抽せん日 昭和34年12月7日
当せん発表 市役所及両支所に掲示する。尚1等2等当せん者には個人宛通知する。
抽せん券の有効期間
昭和34年12月26日以降無効とする。
(註)ねずみは尾を3分の2以上切断して尾だけ持参して下さい。

フトンの日光消毒

フトンを干すのは、1週間1回ぐらいが適当、気温が高く湿度の低い時間を見はからって、午前10時ごろから午後2時ごろまで3、4時間ぐらい干して下さい。干し方は竿やえんがわの手すりにかけるが、冬は日射が弱くなるから、出来れば屋根のように斜めになっているところへフトンをならべて太陽に向かって直角に干した方がよい。冬でも直射日光のもとでは肺炎菌なら1時間、ジフテリヤ菌3時間、百日ゼキ菌三時間、インフルエンザ菌20分ぐらいで死んでしまいます。

優良「こども銀行」
富士中学校表彰さる

 富士市立富士中学校「こどもの銀行」は、その優秀な成績を認められ、昭和34年度優良「こども銀行」として10月17日県知事より表彰されました。
 富士中学校「こども銀行」は昭和32年4月発足、全校生徒の8割が加入し、預金額は105万円余(6月30日現在)に達して居り、関係者はこの表彰を機会に全生徒の加入を目指している。
 この表彰は(1)国民貯蓄組合法に基づく貯蓄組合で(2)学校全体が優秀であり(3)児童、生徒の能力に適応した事務の処理と、貯蓄の実践が行われていること等の詳細な審査を経て行われたものである
 なお生徒の預金入手内容は
1 お手伝いのごほうび
24万1,700円(23%)
2 お小遣いを節約して
65万1,600円(62%)
3 その他
15万7,000円(15%)
である。(総務課)

表彰を受けて
富士中学校こども銀行 支店長 伊東伯子

この度、私達の富士中学校「こども銀行」が、県で表彰されました。
現在本校では貯蓄日を毎週金曜日と定め、係の協力のもとに行っておりますが、これからは私達自身で通帳を付け利子も計算する様になりますので、その方面もしっかり学び、間違いの無いようにやって行きたいと思います。又この機会に、より一層全校生徒の貯蓄観念を高めその意義もよく理解してもらうよう努力したいと思います。

知性と読書
【公民館だより】

現代は知性の時代であります。どんな善意の人であっても又純情な美しい心の持主であっても、知性を欠いては、ほんとうに現代を正しく生きぬくことは、むづかしいでしょう。
知性のかけている人が、どんなに美しく化粧しても、高貴な服装に身を飾っても、それをごまかすことはできません。
過日新聞に、着飾ったお猿の七五三宮詣りの晴姿がのっていましたが、全く珍妙そのもので、猿はやっぱり猿だわいと、つくづく思いました。いくら着飾っても、たぬきはやはりたぬき面を、きつねはやはりきつね顔を隠しきれるものではありません。一年中銭勘定ばかりしている人や、朝から晩までうそと、ごまかしばかりを考えているような人は、その人の知らぬ間に、眼はにごり、口もいやしくなり、なんとなく顔全体が下卑見ようによっては、たぬきやきつねにも見えるでしょうし、人目でその人柄が分かるようになるから不思議なものです。純白な花を赤や これらの世の中に、正しく生きて行こうとするものは何としても、その知性をみがき、すべてのことに対する正確な判断力を養ってゆかねばならないと思います。そうでないと、どんなに正直な善意の人であっても、自己をも他人をもほんとうに幸福にすることができないばかりでなく、その人が正直であればある程、善意であればあるほど、世の中のごまかしに、惑わされ、人生の道をあやまり、知らぬ間に罪さえ犯す結果をも招くことにもなりましょう。
私共は常に知性の向上に努力いたさねばなりません。その最も手近な方法としては、先ずよく本を読むことだと思います。更に進んでは、読書会の如きグループをつくり、みんなで勉強することも結構でしょう。
公民館は、みなさんの求めている沢山な本や雑誌、新聞等を揃えてあなた方のお出を御待ちしています。一度是非お立寄り下さい。

お知らせ

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・ものしり一家