広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和34年 10月25日発行 内容

近く本格的工事に着手
富士鷹岡線立体交差

明春3月一杯で完成

駅北と駅南地区を結ぶ重要路線を結ぶ重要路線でもある富士鷹岡線立体交差(高架道路)の建設工事は昭和32年度より継続事業として実施して参りましたが、いよいよ近く未施行の立体橋工事に取りかかり昭和35年3月31日までには完成することになりました。
すなわち本年度は、総事業費5,550万円をもってまず第一工区=橋脚及び取合道路工事=第二工区=SPコンクリート桁、上部工事一式=第三工区=鉄道路線上の架設、同鋼桁工事=の三工区にわけて行われます。
これ等の工事の施行はすべて県に委託しまして行うことになっておりますので県に於いては去る10月15日県管理課において、まず第三工区の公入札が行われ、高田機工株式会社(本社大阪)が372万円で落札、直ちに工事に着手しましたが、引続き第一、二工区の公入札も近日中には行われ、それぞれ突貫工事をもって明春3月一杯までに完了することになっております。
◇立体橋工事
立体橋関係の工事は総延長357メートルで線路南北79メートルと84メートルの取付部分はコンクリート擁壁とし更に中間部延長195メートルの間に橋脚17脚を設けこの上にPSコンクリートをほどこし舗装をして仕上げます。
◇道路工事
道路の巾員は10メートルで立体橋の両側にはそれぞれ巾員4メートルの副道が設けられます。
なお立体交差の建設工事の総事業費は約8,500万円が必要とされ、このうち3分の2が国庫補助、3分の1が市負担となっています。
いずれにしてもこの立体交差が完成すれば市発展のガンとまでいわれています交通の難所「加島踏切」問題も一挙に解決されるというわけであります。(総務課)

進駐軍事故被害者は申出を

横浜調達局では、占領期間中における進駐軍事故被害者における進駐軍事故被害者に対する実態調査を行っております。
占領期間6年8ヵ月における静岡県下の人身被害の発生事故は約450件と当局は推定しており、このうち見舞金受給者は僅かに71名でありました。
この数字からみてもまだ相当数の潜在被害者があるものと考えられます。従ってこれらの人々が1名の泣き寝入りもないよう明春3月31日まで実情を把握確認したいと思いますので、該当者はもれなく横浜調達局へ申出るよう望んでおります。

15号 台風あばれる

田子浦港 海岸防波堤一部損傷

7号台風による大きなツメ跡もまだ生々しくその復旧工事も未完成のところへ9月26日またも15号台風が猛烈な風と雨を伴って富士市を襲いました。
とくに田子浦地区浜通りは駿河湾より打寄せる激浪が余りにも大きいため同夜8時すぎ遠藤市長は同部落に対し避難命令を出し、一まず田子浦小学校に約千余名が避難しました。
一方建設中の田子浦港はこの15号台風で西側防波堤をはじめ海岸線一帯・フ海岸堤防などは波にあらわれ大きな損害を出しました。(総務課)

‐ 写真あり ‐
(写真説明上)・・・被害甚大の田子浦港西防波堤
(写真説明下)・・・五貫島地先海岸防波堤

議会の動き
9月定例市議会

市議会の9月定例会は去る9月28日から10月2日まで5日間にわたり開かれた。
提案されたのは市一般会計の追加予算や、教育委員の任命同意など22件で2日の最終本会議には何れも原案通り可決されました。
これらの内容について簡単に御報告いたします。
◇定例会の運営
9月26日に議会運営委員会を開いて今回の定例会の運営方法について協議した。会期を5日間とすること、一般会計、特別会計の議案は重要案件なので委員会付託とすることなどを決めた。
9月28日の本会議はまず羽切副議長から静岡県議長の経過の報告、大村瑛一郎監査委員から監査報告があって議事に入りました。
この日の本会議は17件の議案を原案通り可決し、予算関係議案、5件その他1件を各常任委員会に付託しました。また今定例会までに出された陳情7件も委員会付託としました。
付託議案の委員会審査は9月29日、産業、総務10月1日建設、厚生とそれぞれ委員会を開き、付託案件の審査を行い、10月2日最終本会議を再会、委員長報告、討論を経て全議案を可決し閉会となったのであります。
◇可決された議案の内容
議案の内容について概要をお知らせしましょう。
1 吉原市外2ヶ市町教育植林立木処分について
大淵にある組合所有の立木、杉松など3万6,750本を処分することを原案通り決定。
2 教育植林の部分林契約決定
東京営林局から借りている26町7反が35年3月31日で契約満了となるので改めて契約設定の申請すること。
3、4ともに市道路の一部廃止
5 新市町村建設計画の調整について
これは富士市の第二次5カ年計画ともいうべきもので、各種事業、財政計画などを立案したものである。
6 県との工事委託契約を締結するための同意について
富士−鷹岡線立体交差事業、いわゆる誇線橋の上部工事で本年度5,550万円を要する。工期は35年3月31日まで、これが実現すれば3年計画が2年で完成となり東海道線をはさんだ南北交通は極めて緩和される。
7 保育園の設置について
蓼原に新しく市立蓼原保育園を設置することを正式に決めた。
8 工事請負契約の締結について
蓼原保育園工事で、金額は360万円、井上建設株式会社の請負である。
9 工事請負契約の締結について
富士第二小学校の増築工事で第二期分、鉄筋で普通教室8、特別1、金額1,725万円、株式会社石井組の請負である。
10 市税減免について
台風7号災害による市税主として固定資産税(家屋分)が減免された。
11、12 寄附採納について
富士中と岩松地区の2つのプールがPTAから市に寄附された。プールは附属施設一切で、これからはプールの維持管理は直接市で行うようになる。
13 寄附採納について
富士中野球後援会より、バックネットを寄附された。
14 寄附採納について
佐野貞作氏より、老人の日の敬老基金として金100万円が寄附された。
15 一般会計追加更正予算
今回は第3回で、追加額は3,131万余円、34年の累計は遂に4億を越え計4億3千万余円である。歳出の主なものは港湾負担金1,372万円、教育費1,000万円等である。
16 市立富士中央病院特別会計歳入歳出追加更正予算について
17 富士市水道事業特別会計歳入歳出追加更正予算について
18 国民健康保険特別事業歳入歳出更正予算について
19 公益質屋特別会計歳入歳出追加更正予算について
20 富士市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定について
21 富士市教育委員会委員任命につき同意を求めることについて
今回初見吾市委員が任期満了となったので、その後任が市長から推せんされました。新委員は富士市鮫島576番地加藤篤氏で議会はこれを同意しました。
22 固定資産評価審査委員会委員の任期満了による後任者の選任につき同意を求める事について
委員の望月善平氏(松岡1651番地)が任期満了となり後任として同氏が再推せんされ議会は同意でした。
以上9月定例会は5日間にわたり慎重審議をいたしました。また、この後定例会は11月に開かれます。議員30名中、伊東千代吉議員は健康が快復され、一人も休む事なく市政のため活躍されております。尚この機会に議会等の傍聴は自由に誰でも許されますから是非傍聴においで下さるようお願いいたします。(議会事務局)

基本選挙人名簿にもれていませんか

縦覧期間 11月5日〜19日まで

‐ 写真あり ‐

選挙の基本になる基本選挙人名簿は、毎年9月15日現在で市選挙管理委員会が調製します。
この名簿に登録される・フは、日本国民で
(1)住所要件 本年9月15日現在で市内に引続き3ヵ月以上住所を持っているもの(本年6月15日以前より)
(2)年令要件 本年12月20日満20才以上のもの(昭和14年12月21日生まれ)の2つの要件を備え(欠格条項に該当するものは除く)ているものであります。
こうして10月31日までに基本名簿が調製されますと、登録もれや誤載を訂正する方法として11月5日より19日までの15日間市役所の一定の場所で選挙人の縦覧に供します。
そこで若し名簿にもれていたり名前等が間違っていたりするのを発見したら縦覧期間内に文書で市選挙管理委員会に異議の申立をし修正を求めることができます。
なおこの名簿は本年12月20日に確定、この後一年間使われます。(総務課)

土地立入について

田子浦港整備事業及び特別都市水利事業に伴う調査のため左記写の通り土地立入について公告されたので御協力願いたい。
県公告(写)
昭和34年4月3日付静岡県公報第7,113号により公告した土地立入測量の作業期間を次のとおり変更したので、測量法(昭和24年法律第88号)第39条の規定により公告する。
昭和34年10月16日
静岡県知事 斉藤寿夫

一、測量計画機関 静岡県
一、測量の種類 地形測量及び水準測量
一、立入区域 吉原市、富士市、富士郡鷹岡町地内
一、立入期間 昭和34年10月1日から昭和35年3月11日まで

続々集る救援物資

台風15号は伊勢湾台風と命名されその惨状は目をおおうばかりであります。
富士市内の各種団体をはじめ学校や各家庭では、いち早く同情の金品を用意され「名古屋地方の罹災者たちにあげて下さい」と市役所厚生課に届けられました。
10月15日現在で委託された同情の金品は左記の通りでありますのでお知らせいたします。
愛知県へ
衣類(食料品を含む)55梱包送りました。
三重県へ
衣類 9梱包送付ずみ。
岐阜県へ
衣類 8梱包送付ずみ。
現金2万4,000円は静岡県知事に委託して罹災各県へ送付しました。
尚義捐の品物の取扱いは10月25日まで、お金については11月末日まで取扱いますのでよろしくお願いいたします。(厚生課)

富士二小の増築

工費約3,000万円で

市立富士第二小学校鉄筋コンクリート三階建の増築工事は、第一期工事に引続き去る9月29日より第二期工事に着手しましたが、完成は明春2月29日の予定。
同工事は第一期工事に引続いて行われるもので鉄筋コンクリート三階建延建坪353坪で普通教室8、特別教室1の計9教室が増築され、これで第一期工事の普及教室6教室をあわせると15教室が完成するわけであります。
なお第一期工事の請負金額は1,298万円の第二期が1,725万円です。(教育委員会)

共同募金

完遂までもう一息

国民たすけあい共同募金運動は市内各家庭の深いご理解と法人その他団体の絶大なご協力を得て好結果を納めております。
10月15日までに31万円の達成をみましたが、本年の目標額は76万7千円でありますので何分にも皆様の温かいご支援を重ねてお願いいたします。(厚生課)

人口の動き

人口総数 4万4,896人
男 2万2,468人
女 2万2,428人
世帯数 8,579世帯
転入 207人
転出 301人
出生 70人
死亡 23人
婚姻 富士8 田子6 岩松5 計19件
離婚 富士0 田子0 岩松0 計0件
死産 富士5 田子3 岩松1 計9件
(昭和34年10月1日現在、住民登録による)