広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和34年 9月25日発行 内容

あなたの自転車はねらわれている

「カギ」はかけ登録は確実に

自転車の車籍登録制度は、昭和31年4月から実施されましたがそれ以降自転車の盗難が減り、やれやれと思ったのも束の間、しばらくすると又々被害が増えてきました。最近は特に多く、現在静岡県下で大体毎月400台が盗まれています。ですから1日平均13台の自転車が県下の何処かで盗難にかかっていることになります。私ども富士警察署管内でもその例にもれず、今年に入ってから現在まで(8月末日)色々の盗難被害の届出が216件ありましたが、そのうち43件が自転車で、丁度全体の30%に当たります。
これら盗難自転車の被害状況を見ますに、その95%までがカギのかけ忘れ、又はカギの無い自転車です。警察で捕らえた自転車泥棒を調べてみますと、彼等が狙うのはまず鍵のかけてない自転車ばかりとのことです。
何しろほんの僅かの隙に一仕事するのですから、カギがかけてあったのではやりにくいのは事実でしょう。
さらに又車籍登録の無い自転車は足がつきにくいので狙い易いとのことで、今更乍らカギの必要と車籍登録の重要性が感じられるのであります。
この度警察では、車籍登録制度の効果をさらに昂め、自転車盗難被害の絶滅を期すため、県下一斉に9月、10月の2ヶ月間を実施することに致しました。

未登録及び無かぎ自転車の一掃運動

現在富士警察署管内(富士市、鷹岡町)に、1万5,377台の自転車が登録されていますが、未登録車も相当数が散在していることと思われます。
御承知のように、本年4月から自転車の鑑札精度が廃止されましたので、車籍登録番号が唯一のものとなり、従って登録をしてない自転車が盗まれたり、偶々その辺に棄てて置かれたりしても、番号は無し誰の所有か判りません。これが登録さえしてあれば悪戯に乗り棄てられたりしても、登録番号により直ぐに所有者が判り、その人に還ることになりますが、今まで登録してあったためにこんな場合無事手許に還り被害者に感謝されたことが沢山ありました。
市民のみなさんにおかれましても貴重なお宅の財産である自転車を盗難から守るため、次の点を必ず守って戴きたいと思います。
○自転車は買受けと同時に必ず車籍登録をすること。
○現在登録の済んでいない自転車を持っている人は近くの車籍登録取扱店(自転車屋さん)でしてもらうこと。
○自転車に乗らないときは必ずカギをかけてなるべく目の届くところに置く習慣をつけること。
○自転車をやたら道端や空地に乗り棄てないこと。
○自転車のどろよけに住所氏名をはっきり書いておくこと。
以上の通り注意して自転車盗の絶滅のための運動に是非協力をお願い致します。
(富士警察署防犯係)

「としよりの日」

三会場で敬老会盛況に終わる

「としよりの日」をむかえた富士市・ナは、例年通り9月15日市内の富士第一小学校講堂および田子浦中学校講堂、岩松公民館の三会場で75才以上の招待者は、663名(男249名、女414名)で最年長者は文久2年11月23日生まれの水戸島上、味岡あきさん(96)でした。
敬老会場はいずれも紅白の花などで飾られた中で招かれた老人たちは市長、市議会議長や各種団体代表からお祝いの言葉がおくられたあと、市から出された心づくしのお弁当、お酒などを飲み交わしながらみんな楽しそうにこの日ばかりはシワを伸ばして婦人会の手踊りに拍手をおくっていました。
殊に85才以上の老人には県知事より敬老金1,000円が支給されたのをはじめ市からは88才の老寿に敬老杖が、また佐野大興製紙社長、本町の遠藤綿店からはそれぞれ88才の老人たちに祝品と座ブトンなど数々の記念品が贈られました。
終わって今年75才になられた老人たちは揃って記念撮影が行われました。

‐ 写真あり ‐
(写真説明上)・・・挨拶する遠藤助役
(写真説明下)・・・一日を楽しむ老人たち

老人ホームでも

一般老人と交歓会開く

富士市森島の市営老人ホームでも「としよりの福祉週間」行事の一環としてまず14日は賑やかに前夜祭が行われました。
現在老人ホームには32名の人たちが仲むつまじく余生をおくっていますが、16日は近隣の老人たちを招き交歓会が開かれ若かった頃のあの日の想い出話に花を咲かせていました。
また17日は映画会、18日は同老人ホームで死亡した同僚20名の慰霊供養がしめやかに行われるなど有意義な「としよりの福祉週間」でありました。

“町をきれいに”

ゴミはごみ箱へ

日ごろみなさんのご協力で清掃の仕事も順調に進んでいますが、まだ残念ながら市内の河川や空地などにゴミを捨てるのは町の美観をそこなうばかりでなく、環境公衆衛生上も恐ろしい伝染病の発生の原因となります。
どうかみなさんこれをよく理解して、ゴミを河川や空地に捨てないで必ずゴミ箱へ入れきれいな富士の町づくりに協力して下さい。(衛生課)

市議会の動き

9月は市議会の定例会が開かれます。開会の日取りは月末の28日頃からです。
今月は10日に全員協議会を開きましたので、その状況をお知らせいたします。
一、市立保育所の建設について
市立保育所は市内蓼原の神社地に建設することになりました。建物は乳児のほふく室、幼児の保育室等全部で約100坪です。19日に工事の入札もすまし年内には完成するでしょう。市議会はこの建設の一切を承認いたしました。
二、敬老会の実施について
これはもう15日にすんだ事ですが、老人への贈り物などを承認しました。
三、台風7号災害の復旧について台風7号は富士市に大きな被害を与えました。その災害復旧の報告があり、職員からは活発な意見が出されました。
四、社会保険出張所の設置について
これは厚生省の出先機関です。かねてこの誘致の運動を当局でしていましたが、事実に成功したわけで、これから会社、事業場等はとても便利になると思います。建設場所は旧市役所跡で現商工会議所の裏になります。
五、教育植林について
教育植林26町7反、桧などが3万6,000千本を売却する件ですが富士市は売上げ金の10分の3が入ります。
六、国民年金法の施行について
国民年金の支給についていろいろ説明をうけました。
七、その他
富士−鷹岡線立体橋の本年度工事に県を委託することを承認しました。永年の懸案も来春3月には完成するでしょう。
市議会は伊東千代吉議員を除き、健康で市政のことに飛び廻っています。伊東議員も間もなく快復されると思います。
なお、これからの市議会は、田子浦港、富士駅改修等重要問題のため益々多忙となると思います。市民各位の御支援をお願いいたします。(議会事務局)

戸籍の氏名 やさしく変えられます

これまで戸籍上の氏名は、その文字がどんなにむずかしくても、正当な理由がなくても変えることができませんでしたが、それをこんどから市役所に届ければ、例えば国、弁、浜田、伝吉というように変えることができます。
その旨を戸籍課へ印鑑を持って申出ればやさしい氏名に直すことができます。(戸籍課)

国民年金(老齢福祉年金、障害福祉年金、母子福祉年金)の
受給権調査について

保険課で9月の始めより年金の調査書を受付けています。
提出された書類は個々に交付要件に該当するかどうかを調査していますが左の様に大別されます。
1 年金額が全額交付される人
2 年金額が減額されて交付される人
3 今、交付されないが近い将来に於いて貰える可能性のある人
4 同居の25才以上の子供が長期の失業や病気の時だけ貰える母子家庭
5 所得や公的年金の変動により交付の可能性のある人
6 他の公的年金の関係上、交付される見込みのない人
この内、11月1日から国民年金が交付される可能性が多いと推定される人に限って、保険課へ来て戴く様に通知を差上げています。
(9月下旬より開始)これは県へ提出する書類が、裁定請求書や戸籍抄本、住民票謄本や其の他に色々な届書や証明書も必要ですからこの書類を取り揃えたり、書込んだりする為です。ですからお宅へ呼出し状が届いたら、書類の書込や質問に答えられる人が来る様にお願いします。
尚、調査書については現在未だ提出していない人も相当数あります。
この人々は自分は年金を貰えないと締め切っているものやら或は調査書の提出を忘れているものやら又は自分が70才以上だと言う事まで忘れたものやら判断に迷います。前に記した様に、現在直ぐ年金を貰えなくとも、境遇の変化があった場合は交付されると云う人もあります。この人々についてはやはり台帳に記録して置きたいと思います。御手数でも関係のある人は全員調査書を出して下さい。

赤い羽根募金

目標額は76万7,000円

赤い羽根共同募金運動は、今年もまた10月1日より全国一斉にくりひろげられます。
富士市の目標額は76万7,000円がきまりましたが、募金の方法は大体の処一般関係に48万7,000円、法人関係に28万円を予定しておそくも12月一杯までには目標額を完遂したい予定で準備を進めております。(厚生課)

敬老
▽公民館だより▽

毎年9月15日には全国各地において敬老会を催し1日大いに老人を慰めることは洵にほのぼのとした喜びに打たれるものです。けれ共、これが単に形式的な年中行事の一日として、おわるのであって、あとの364日が、敬老ならぬ軽老ということであっては、かえって老人を悲しませることになりはしまいか。
「尚歯」(しょうし)と言う言葉がありますが、これを「よわい、を尊ぶ」と読ませ、年寄りや先輩を尊敬して、長幼の順序をみださないことに使います。
よく「長幼序あり」などといい、いかにもこれを東洋の専売用語のように考え自慢するむきもありますが、実の所、近頃の日本よりむしろヨーロッパの方が、長幼の順序がハッキリしていると言う人さえあります。あちらさんにもSENIORES PRIORES(セニオレス・プリオレス)という言葉があるそうです。これは「年長者を先にせよ。」という意味だそうですが、近頃の電車やバスに乗っても分かるようにいつも立っているのが年寄りで、座っているのが若い者と相場がきまっているようです。この奇現象も若い人には極めてあたりまえで彼等は別に 荘子には「宗廟尚親、朝廷尚尊、郷党尚歯、行事尚賢、大道之序也」とありますが、これを意訳すれば、こんなことにもなりましょうか。「一家一族の祭には近い親類を先に、遠い者を後にする(宗廟尚親)。勤務先では身分の上の者を先にする(朝廷尚尊)、県人会や同窓会では先輩と年の順序にする(郷党尚歯)。仕事をするには賢い者を大切にする(行事尚賢)。これが自然の道である(大道之序也)」と言うのであります。
まことに平凡であるが、かく心がくべきであると信じます。

お知らせ

転入転出届は14日以内に戸籍課に届出て下さい

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・ものしり一家