広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和34年 8月25日発行 内容

猛威を振るった7号台風

住家全壊33 半壊149戸
農作物の被害実に2億円
災害救助法発動さる


富士市を襲った7号台風は、60年来にない大きな被害を残して立ち去って行った。
旧盆の8月14日午前6時30分ごろ駿河湾方面より北上した7号台風は、最大風速40余メートルという強風と雨をもって荒れ狂いアットいう間に市内の住家および工場などの非住家が倒壊したのをはじめ田畑の冠水、橋梁、道路の欠潰など市内随所に約5億2,000万円にのぼる損害を与えた。
そして台風一過後はまるで嘘のようにカラリと晴れあがり各所に吹き飛んだトタン、屋根瓦、樹木の倒伏などが見る目も惨たんたる情景をみせ、いかに7号台風が猛威をふるったかを物語っていた。
市は直ちに市役所に災害対策本部を設ける一方同日市議会は全員協議会を開き差し当たって罹災者に対し救援の手をさしのべるなど積極的な対策を打ち出した。
市内における被害状況は大体つぎの通り(数字は被害金額)。
○住家の被害
(1)全壊家屋 33戸
(2)半壊家屋 194戸
計 2,000万円
○非住家
(1)全壊 89戸
(2)半壊 145戸
計 2,900万円
○教育関係
小学校 167万円
中学校 245万円
その他 14万円
計 426万円
○その他の施設
(1)市庁舎及び支所 34万円
(2)市営住宅、老人ホーム 46万7,000円
(3)焼却場 4万4,000円
(4)ポンプ置場、水防倉庫、その他 200万円
計 144万2,000円
○公営企業
(1)水道関係 5万円
(2)病院 12万円
(3)東電 500万円
(4)電話局 200万円
計 717万円
○農業関係
(1)農作物の被害 1億3,989万3,000円
(2)林産物の被害 3,795万円
(3)その他 2,290万円
計 2億74万2,000円
○商工業関係
(1)建物、機械類、その他 1億8,000万円
(2)生産品 3,000万円
計 2億1,000万円
○土木関係
(1)道路崩壊4か所 40万円
(2)木橋流失3か所 32万円
(3)木橋破損2か所 18万円
(4)市内路面復旧 12万円
(5)河川被害 65万円
計 167万円

罹災者に救援物資を

住家の全壊33戸と194戸の半壊家屋を出した富士市は14日県より災害救助法の発動を受けたが、市災害対策本部はこれらの罹災者たちに災害見舞金として取りあえず3,000円から5,000円あておよび毛布、タオル、学用品などの救援物資をおくり関係者から深く感謝されている。

電灯、電話も被害甚大

市民の生活に直結する富士市管内の電灯、電話も台風7号により相当数の損害を出した。
19日東電吉原営業所および富士電報電話局の被害調査によれば電灯、電話の損害だけでもザット7、800万円を上回るのではないかとみられている。
その被害の内訳はつぎの通り。
○東電関係
電柱(折損、倒伏、傾斜を含む)250本
高圧線切断 50ヶ所
低圧線切断 210ヶ所
引込線切断 2,000ヶ所
変圧器損害 12台
損害総額 約500万円
○電話局関係
電柱折損 6本
電柱倒伏 5本
電柱傾斜 67本
碍子破損 60個
ケーブル侵水 63ヶ所
電話線切断による不通ヶ所 1,000ヶ所
損害総額 約200万円

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・特設された対策本部
(写真説明)・・・横倒しになった美容院(前田)
(写真説明上)・・・全壊の日本カフェイン(水戸島)
(写真説明中)・・・屋根瓦が崩れ道路も通行止め(新田助六)
(写真説明下)・・・倒壊した佐野鉄工場(前田)

災害復興 住宅資金
貸付のお知らせ

台風7号の災害のため家屋に損害を受けた方に、住宅金融公庫より災害復興住宅の建設又は補修資金貸付をいたすことになりましたので、市内の罹災者で借入希望の方がありましたら、市役所都市計画課に用紙等が準備してありますからご相談にきて下さい。
○貸付を受けられる方
建物の価格の2割以上の災害を受け、かつ住宅の部分が建物全体の5割以上である家屋の所有者、借家人又は居住者
○貸付を受けられることのできる災害復興住宅
建物の場合1戸当たり住宅部分床面積4坪以上20坪以下であること。補修の場合は床面積の制限なし。(併用住宅は宅地部分が全体の2分の1以上であること)
○貸付金額(限度額)
(1)建設費 最高30万円
(2)補修費 4万円以上15万円以下
(3)整地費 最高5万円
(4)移転費 5万円
○償還期間
18年以内(この期間内で3か年の据置期間を設けます)
○受付期間
昭和34年12月末日まで
○受付場所
富士市役所都市計画課内

計量器(はかり等)定期検査

計量器の定期検査は取引上使用する場合又は証明上使用する計量器について、計量法の定めるところにより毎年1回実施することになっております。
本市の定期検査は9月3日から9月12日まで10日間次の日程により行うことになりました。つきましてはこの定期検査の事前調査を去る8月20日頃より検査の前日まで各戸に伺い下調査をいたしておりますので御承知下さい。
なお、本年はメートル法完全実施により行われる初めての定期検査であるのでメートル系以外の計量器は定期検査の対象になりません。もし尺貫系、ヤード、ポンド系等のみの計量器を所持している世帯はメートル系に修繕をして後検査をうけるようにして下さい。
検査の結果不正の計量器は修繕しその正確性を保持せしめて計量法に違反することを未然に防止するのがこの法律の精神であるので、事前調査による調査洩れの場合でも計量器所持者は進んで検査場に計量器を持参し検査を受けて下さい。(商工課)

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・定期検査日割表

あなたの生活状態は
全国消費実態調査

総理府統計局ではこの9月1日から11月30日までの3ヵ月間にわたり「全国消費実態調査」という統計調査を行うことになりました。
この調査は、全国から7,700ほどの調査区域をえらび、その地域にお住まいのみなさんに家計簿を記入していただく調査であります。
この調査で国民全体のくらしの状態や国の経済計画や政策をたてる場合の重要な参考資料とするものです。
どうかこの調査の趣旨をご理解の上、関係調査区域のみなさんのご協力をお願いします。
なお、この調査で調べたことがらは、徴税その他「統計」以外の目的には絶対使用しませんのでご安心の上、正しい記入をして下さいますよう重ねてお願いします。
指定された調査区は次の部落であります。
下横割南 1、2、3、8、9、10、12、13班
十兵衛南 5、6、7、8、13〜17班
前田 1、2、5
前田新田 5、6、7
田子 1、2、3、4
また調査することがらは
○世帯員について
(1)世帯主との続柄と氏名
(2)男女の別
(3)満年齢
(4)勤め先の名称
(5)勤め先または自営の事業内容
(6)している仕事の内容
(7)勤め先の企業の雇用者数など
○住居について
(1)種類
(2)用途
(3)面積
(4)地代、家賃、間代など
(5)設備
○家計簿について
(1)現金収入票
(2)支出票
(3)日計表
○その他
家具、什器類、衣類などの品名及び取得時期別数量など
(総務課)

人口の動き

人口総数 4万4,994人
男 2万2,515人
女 2万2,479人
世帯数 8,600世帯
転入 217人
転出 303人
出生 75人
死亡 17人
婚姻 ・x士25 田子7 岩松6 計38件
離婚 富士1 田子0 岩松0 計1件
死産 富士1 田子0 岩松1 計2件
(昭和34年8月1日現在、住民登録による)