広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和34年 7月25日発行 内容

収入支出の概況

昭和33年度下半期(33.10.1〜34.3.31)における収入支出の概況は別表6及び別表7の通りであります。

以上一般会計に於いて歳入総額3億6,319万4,672円に対し歳出総額3億1,200万3,559円でありますが、この内、歳出の今後出納閉鎖期日(5月31日)までに土木費等に相当の支出が予想されるので歳入が現在額(3月31日)以上に今後期待出来ない事を考え合わせた場合楽観はゆるせない状態であります。
なお別表7について水道会計の差引3,775万3,000円余の減額は今後この事業の主な財源である起債を長期に借入れる事によって収支のバランスがとれるものであります。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・第6表 昭和33年度一般会計歳入歳出状況
(図表説明)・・・第7表 昭和33年度特別会計歳入歳出状況

住民の負担状況(市税)

1人当たり6,006円
1戸当たり3万1,636円(33年度)

市が仕事を行うためには財源の裏付けがなくてはなりません。この財源の内訳については既にみられましたように市税をはじめ国庫支出金、地方交付税等色々の科目がありますがその大部分は直接に又は間接に市民負担に帰しております。地方交付税、国庫支出金、市債など国庫依存財源にしましても国庫収入の8割程度は国税でありますので市民のみなさんの国に対する租税負担の一部が全国的にプールされて、あらためて市に還元されるものに外なりません。いづれにしましても市民のみなさんは国民あるいは住民として国税、県税、市税の三つを租税として負担 市税の税目中収入の第一位を占めますのは固定資産税で調定額1億1,600万円余に対して収入済額は1億500万円余でありその収入歩合は約90%であります。第二位を占めるのは電気ガス税の8,000万円余でこれは調定額に対し100%の収入実績をあげております。次いで第三位は市民税の5,700万円余に対し97%の収入歩合を示しております。これに市たばこ消費税、軽自動車税が続きこれらを市税のうち普通税と称し、その総額は2億5,900万円余であります。この外に目的税として都市計画税があり、その収入済額は869万9,00 以上主要税目について述べましたが本年3月31日現在における市税総額について別表8にもある通り調定額2億8,199万3,933円であり、収入済額は2億6,804万8,765円で、その調定に対する収入歩合は95.1%であります。
次に参考のために本年度3月末現在における主な税目に係る住民の負担状況を前年度(32、31、30年度)と比較し一表にまとめると第9表のようになります。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・・・表 市税税目別収入状況
(図表説明)・・・第9表 市税住民負担年度別比較表

財産、公債及び一部借入金の状況

◎市有財産
統一ある市政の活動が行われるためには職員その他の人的要素と市が直接間接に行政目的に従って使用する物的要素との調和的運用を必要とします。市有財産といわれるものは机、椅子など庁用器具や備品、消耗品、更には歳計現金を除いた市所有の物的要素をいい、土地、建物など不動産及び特定の目的のために積み立てられた金額、有価証券等によって構成されています。
これら市有財産の維持管理については財産台帳の整備は勿論運営上万遺憾なきを期しております。
なお昭和34年5月末日現在の市有財産の現状は下表の通りであります。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・市有財産一覧表

◎市債及び一時借入金の状況
市の負債は主として事業費の財源とする一会計年度以上の長期にわたる市債(起債)と年度内の収入支出のアンバランスから生じる歳計現金の不足に充てるための一時借入金とに分かれます。一時借入金は予算執行上の資金操作でその一時借入金は予算執行上の資金操作でその年度内に必ず償還されなければならないもので当市においてはこの様な一時借入金は昭和34年5月31日現在ありません。
次に市債についてその状況を説明する前に公債費即ち歳出における市債の元利償還金及び一時借入金の利子についてその推移を一表でみると次の通りであります。
(註)29〜32年度は決算額、33年度は、決算見込額34年度は5月末現計予算額による。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・公債費の状況

昭和34年5月31日現在借入市債の目的別内訳は第10表の通りでありますが、この内特に注目すべきは33年度末(34年5月31日)現債額3億3,900万3,000円に対し66.6%を占める特別会計分事業債(上水道、病院、と場)に係るものが大部分であり又一般会計に係る公債費について、その償還金額を昭和34年度についてみると歳出総額中に占める率は3.5%であり、今後市債償還について市財政上何ら圧力を感ずるものではなく然し乍ら当市今後の状態を推測すると地域社会の発展に伴う投資的事業の施行は不可避であり、この財源の相 ‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・第10表 市債目的別現在高

あとがき

本報告書はもとより市の財政事情を市民の皆様に説明するのが目的でありますが、御承知のように昨年度に引続き本年度は当市発展のための基盤となるべき重要事業が累積し、これに伴う財政需要も年々増大の一途を辿る結果となったのであります。
こうした情勢下にある当市の財政の現状は今後なお困難と努力を要する問題があり幾多の紆余曲折が予想されるのであります。
このような予測に立つ当市財政においてその根幹をなす市税収入について近年相当の伸長をみておりますが、これは法人、個人所得の増大と設備資金の投入による施設の拡充によるものであり、今後に於いても相当の伸長を期待するものでありますが国家経済の消長とも関連があり即断することは困難であります。
この様に幾多難関はございましょうが市民各位が市制に寄せられる真摯な御賛助、御協力とによりこれらを排除し健全財政の確立につとめるは勿論、市自ら創意と工夫を重ね行財政の運営を合理化し事業の能率的運用を行い市政に託された使命を果たしたいと念じて止みません。