年頭の辞
富士市長 遠藤脩治
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昭和34年の輝かしい新年を迎えて皆様と共にお喜び申し上げます。
光陰矢の如しとか、夢の如く過ぎ去った昭和33年を顧みますと、社会状勢の変転もまた目まぐるしいものがあります。
先ず皇太子妃の決定は国民としても最も明るい話題であり、22号台風の惨害は最も暗いニュースとして今更災害の恐ろしさに戦慄を感じ、多数の犠牲者に心から同情の念禁じ難いものがあります。
又当市に於いては、世紀の大事業として全市民待望の田子浦港の築造、旭化成工場建設も愈々脚光を浴びて着工し、政治、経済、産業、教育、文化等あらゆる分野に新市建設の息吹が躍動し、誠に活気に満ちた輝かしい年でありました。
しかしながら将来富士南麓の交通、文化、経済圏の中心を目途として躍進途上にある富士市として当然のこととは申しながら、市の財政需用額は大幅に延びたにもかかわらず、収入面は俗に鍋底景気といわれる悪条件にあり、私の苦慮は想像以上でありました。しかし、こうした苦しい財政状態の中にあって合併以来の新市建設5か年計画は着実に実現して居りますが、更にやるべき重要事業は山積されともすれば崩れ勝ちな私の心を鞭打ち奮い立たせたものは市議会の全面的な協力と市民各位の理解ある支援によるものであります。
ここに改めて感謝の意を表するものであります。
昭和34年は当市誕生5周年目に当たり、この新春を迎え一陽来福と共に天地の万物は皆新たになりました。山川、草木、総てが陽春の気に輝いて居ります。
幸い本年は国内財界も好転の兆が伺われます。私は昨年再度市長の重責を負い、市政執行者としての光栄を新たにして新たに選ばれた議員各位と共に更に渾身の努力を傾注し、冷静な判断と綿密な計画に基き市民各位の御附託に応え、且つは当市100年の繁栄を希う覚悟であります。
何卒倍旧の御支援御鞭撻を御願いすると共に市民各位の御健康と御多幸を御祈り申し上げます。
新年の御挨拶
富士市議会議長 漆畑五六
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謹んで昭和34年の新春のお慶びを申し上げます。
希望に輝く新しい年を迎えて市民の皆様の一人一人の健康と御繁栄を心から祈念いたします。当市議会にとりまして、昭和33年は実に意義深い一年でございました。
富士市にとって世紀の大事業とまでいわれた田子浦港の築港は着工され、多年念願していた工場誘致は旭化成の進出をみ、幾多の難関に逢着しながらも関係市民各位の深い御理解と御協力により遂に成功いたしました。又都市計画富士−鷹岡線を中心とする土木行政、学校建設等の文教政策、社会福祉、保健衛生関係等諸般の重要な施策の推進を図ってまいりました。しかも旧臘12月13日4か年にわたる実質上の第一回富士市議会議員は幾多の輝かしい業績を残して任期を満了し、これより先12月5・には激烈な選挙戦を経て新選良30名の新議員が決定致し
続いて同月16日初市議会が招集され、不肖私が議長に当選いたしました。当日は副議長以下の役員常任委員会、特別委員会の構成も円満に成立し、県下にも類例をみない議会運営がなされました。
私のこの際特に申し上げたいのは、私どもは「円満な議会の運営」と申し上げましても事に当たって是非曲直をただし飽迄も清く正しく明朗な決議機関たる議会の本分を完うする事に於いて決して他市に優るとも劣らざる確信を持っているということであります。私は議長たるの職責の重大さにかんがみ、30名の議員諸君とともに強固なる団結力を以て誓って市民各位の御期待に副うよう市政の進展に努力いたす覚悟でございます。
富士市の将来は実に洋々たる飛躍の段階にあるとはいえ、富士駅総合改修をはじめとする当面の重要事業は山積いたしております。何卒市民の皆様方には私どもの意あるところを御くみ取り下さいまして御理解ある御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上年頭に当たり、議会を代表して新年の御挨拶といたします。
千古の白雲を頂く秀麗富士の登山口および富士五湖めぐりの発着地として知られている富士市は旭化成の工場建設と田子浦築港などで新興産業都市として大きく浮びあがってきました。当市は南に、天下の名勝田子浦を有し、東はかつての東海道五十三次の宿場であった吉原に通じ西は富士川をはさんで庵原郡に接し、また北は目の前に麗峰富士山を仰ぐ人口4万4,000有余の黎明富士市でもあります。
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市長 遠藤脩治
助役 遠藤 栄
収入役 武内秀道
総務課長 内山正己
文書課長 落合広治
土木課長 佐野清一
税務課長 長洲幹彦
戸籍課長 望月藤作
商工課長 下方雅雄
厚生課長 滝川隣竜
衛生課長 望月雅己
水道課長 北村良作
保険課長 栗原 勝
会計課長 稲垣正美
開発課長兼 遠藤 栄
農産課長心得 後藤竜雄
田子浦支所長 田中常次郎
岩松支所長 鈴木敏三
職員一同
教育委員会事務局
教育長 涌田隆一
総務課長 宮崎慈謙
公民館長 松永安衛
職員一同
市立富士中央病院
院長 多々良満寿雄
副院長 児玉実光
副院長 滝本房一
総務部長 広瀬国助
職員一同
人口総数 4万4,113人
男 2万2,042人
女 2万2,071人
世帯数 8,332世帯
転入 164人
転出 104人
出生 59人
死亡 32人
婚姻 55件
離婚 2件
(12月1日現在、住民登録による)