広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和33年 7月25日発行 内容

夏祭り近づく
夜間の外出は禁止

良い子は父兄同伴で9時まで

富士市教育委員会は7月9日富士中において市内PTA連絡協議会、青少年保護育成連絡協議会、富士警察署の各係員が出席して夏休み中に於ける市内小中学校児童生徒らの校外指導などについて打合せ協議した結果、原則として
○夜間外出は禁止
○しかし祭典の場合は父兄同伴で9時まで
○就寝時間は健康上から夜9時、消防団本部のサイレン(1分間)吹鳴で知らせます
また夏祭り中はPTA校外指導委員、先生、学校警察連絡協議会委員が適時学童、生徒らの補導に当たることになっています。

夏の犯罪を防止

特別パトロールで

酷暑とともに学生、学童が待ちに待った夏期休暇がやってまいりました。
夏季は一般的に祭典行事、海水浴、キャンプ等他出の機会が多く、かつまた、精神的、肉体的にち緩を生じやすく、特に青少年、なかでも学生生徒にあっては夏季休暇に入り心身ともに解放感を味わうときであり、それだけに保護育成の面からはおき忘れがちになりやすく、一方成人達の軽率な行動にも影響され少年非行事犯の多発が予想されるときであります。
昭和26年度を頂天として漸次減少の一途をたどっていた静岡県の青少年犯罪も、昭和30年にはやや増加し、昭和31年には再び減少して昭和32年には又増加を示しております。
これを富士警察署の例にとってみますと、少年で検挙されたものは
昭和31年 88名
昭和32年 74名
と僅かに減少していますが、14才未満のいわゆる刑事責任がないとされている者(主として中学生)が二倍強に増えていることは注目の的となっております。
更にこれを昨年(昭和32年)の上半期における検挙人数と、本年度同期の検挙人員を比較してみますと
昭和32年上半期
(1月〜6月) 25名
昭和33年上半期
(1月〜6月) 49名
と約2倍の増加という驚くべき数字を示しております。
非行の種別はなんといっても、窃盗が一番多く、続いて恐喝、暴行、傷害、の順となっておりますが、特に本年の上半期においては、中学生による
放火 1件 1名
強盗 1件 3名
等の凶悪犯が発生し、これを検挙しております。
これは一応刑法犯、その他特別法の違反、つまり犯罪少年として検察庁へ事件を送られたもの、あるいは、児童相談所へ通告されたものですが、その他にいわゆる「虞犯少年」として家庭裁判所へ送られた少年が昭和32年1か年に、3名であったのが、昭和33年は1月から6月までの間既に2名あり、更に虞犯の程度には至らないが、そのまま放置していたら少年自身の徳性を害し、あるいは犯罪に移行するおそれのあるものとして街頭で、警察官に補導されたものは
昭和31年は 156名
昭和32年には 414名
昭和33年1月から6月まで 既に 262名
を数え・トおります。
本年度上半期に街頭補導を受けたものの非行別は一番多いのが喫煙、続いて、飲酒、怠業、怠学、不健全娯楽、不純異性交遊、盛場徘徊の順となっております。
昨年の例もみましても夏季休暇中、生徒会の自主的申し合わせや、学校の決めごととして「夜間外出の制限」を行ったのですが、これが守られず、制限外時間の外出やあるいは、ナイトショー、を見て来たなどといって深夜市内を徘徊して補導を受けた生徒の数も比較的に多かった事実がありました。警察におきましても次代を背負う青少年及び学生の保護指導の万全を期すため各学校校外指導部補導係、及び地域の青少年補導関係、団体と協力し特に非行事犯の多くはいわゆる不良のたまり場が、直接あるいは間接に青少年の不良化を助長させる原因となっているこ 「夏季防犯運動」

を実施いたしますが、特に青少年補導と暴力行為の取締のため、青少年補導特別取締班と更に制服警察官及び私服刑事で編成する特別パトロール隊を以て市内繁華街、その他主要地帯をパトロールして徹底的に犯罪の防止と検挙に努めることといたしますので、市民の皆さんにおかれましても、特におどし、たかり、傷害、暴行等、暴力行為の被害にかかったときは、進んで申告を願いみなさん方の絶大な協力のもとに犯罪のない明るい街にしたいと考えておりますのでよろしく御協力下さいますようお願いいたします。
(富士警察署)

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・暴力団追放

恩給の選択替について

昭和28年軍人恩給の復活により文官恩給を選択した者で昭和30年改正に伴う軍人恩給年額が現在受けている文官恩給年額より多額となる者(昭和31年7月分より多額となる者を含む)については特に受給者の請求を待って昭和30年10月から軍人恩給を給することとし、さきに受けていた文官恩給は昭和30年9月限りその支給を廃止することに取扱われる様になりましたので別表参照の上該当者がありましたら市役所厚生課に御連絡下さい。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・昭和31年7月以降の普通恩給年額
(図表説明)・・・昭和30年10月から昭和31年6月までの普通恩給年額

お国自慢の写真を募集

ここ数年来の町村合併などで全国におよそ221の新市が生まれ、日本の市の数は506に達しました。そこで全国市長会は第一回全国都市フォート、コンテストを実施し、各都市の写真を懸賞募集することになりました。
主題は(1)公会堂、交通機関、上下水道などの公共施設、(2)各市域に属する名勝、史蹟、(3)祭礼、行事などの風俗習慣、(4)産業関係、とくに名産、特産品の紹介の4項目に限定され黒、白カラーはいずれでもよい。
作品は4つ切以上で一枚ごとに説明と住所、氏名、日時を添えて下さい。あて先は(東京都千代田区九段1の14全国市長会フォート、コンテスト係)までに8月30日必着に送って下さい。

近年来の人出
賑わった浅間神社祭り

米の宮浅間神社神殿落成記念祝賀祭と公園まつりは盛沢山な行事を織り込み7月1、2日の両日にわたり盛大に行われました。
この日の催しの花形はなんといっても稚児行列で駅前には着飾ったお稚児さん600余名がお母さんたちに付き添われ県警察音楽隊のブラスバンドを先頭に浅間神社まで行進、一大絵巻をみせました。
また境内には奉納相撲、弓道をはじめ参道の両側には屋台店がズラリと立ち並び近郷近在から集った参詣者でゴッタ返し近年来の人出でありました。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・駅前通りを行く稚児行列
(写真説明)・・・落成した神殿前で賑わう参詣者

一人泳ぎは危険です

水泳シーズンに入りますと毎年必ず水の犠牲者が出て尊い人命を失っています。今年こそ一人の水魔の犠牲者を出さぬようお互いが協力し合いましょう。そして特に水泳する子供たちは必ず次のことを守って下さい。
○一人で泳ぎに行くことは危険ですから、友達を誘って行きましょう。
○泳ぐ前には準備運動を忘れずにやりましょう。
○空腹時および満腹時のときは泳がないようにしましょう。
○水泳中顔や唇が蒼白になったら自らすぐに上がりましょう。
○万一事故が起きた時は大声をあげてすぐ近所の人を呼びましょう。
○夏休み期間中は市役所広場の国旗掲揚塔その他市内各所に水泳可否の三角旗を揚げます。赤旗は水泳禁止で白旗は泳いでもよいことになっています。(富士警察署)

タンク車 霊柩車購入

富士市はこのほど消防用のタンク車および霊柩車を新しく購入しました。このタンク車はいすず58年で最大放水量は一分間に1,500ガロンを有しタンク容量は2,200リットルの放水口数5口と指揮用拡声機付といった最新型であります。またこのほか前方に圧力撒水と後方に重力撒水があって火災シーズンオフには市内目抜通りをはじめ各道路に撒水を実施、市民から大変よろこばれています。
また霊柩車は、いすず58年の105馬力で乗車定員は27名となっておりモダンな霊柩車です。

‐ 写真あり ‐
(写真説明上)・・・消防タンク車
(写真説明下)・・・霊柩車

遺族扶助料軍人恩給の請求

遺族年金および弔慰金の請求は来年3月を以て時効になり請求権が消滅します。また遺族扶助料及び軍人恩給の請求についても同様ですから未請求の方は今年中に市役所厚生課までに請求手続きをして下さい。

国税だより

所得税の納付について

今月は所得税の納期です。税務署では納付書を作成し7月12日頃までに皆様にお届けいたしましたので期限までに必ず納税願います。
昨年納期限より遅れて納税された方については署員が納税のことでお伺いします。
納税貯蓄組合員の方については組合長さんからもお願いにあがる予定ですが日頃の貯蓄によりすすんで納税願います。(富士税務署)

市民の声
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◎市営住宅に一言
今までの市営住宅は、郊外へ平屋建で土地を広くとって建てておりましたが、これでは大事な土地が無駄になりはしないでしょうか。狭い耕地を余りつぶしたくないものです。木造平屋建を廃止して鉄筋コンクリート造りにして道路筋へアパート式に建設したらいかがでしょうか。これなら、市営住宅その他どんどん建設すると思いますが、こういう方法で建てたら土地も節約出来、又市の美化にも役立つと思います。
市といえばやはり建物がものをいうでしょう。
市内の主要道路筋へ2階、3階又は4階と建てたら見違える程美しくなると思います。
又、市営住宅を1か所にまとめて「市営住宅村」を作ったらどうでしょうか。
バラバラの村落式ではどうかと思います。
今度建てる時はよく考えて戴き度いと存じます。
ブラジルの某大都市では、海岸付近が高層建築物のアパート群でその偉容は、地上十数階、何とも云えない様なすばらしさで日の光に照らされ堂々とそびえ立っております。
市営住宅について関係者の御考えを述べて戴き度く存じます。
蓼原 M・ソウタ

○回答
あなたの御意見と私も同じです。しかしあなたのお説の通り「狭い耕地を潰さないで、鉄筋2、3階の高層建築アパートを建てたら…」については少し考えが違います。
市営住宅はあくまでも庶民を対象(1か月の収入が家賃の15、16倍月収3万2、3,000円以下)にしておりますので、これ以上の月収のある方は入居を断っております。又鉄筋による3、4階のアパートともなれば当然水洗便所になりますが、いまの処では市内に下水道の施設がなく加えて家賃も相当にハネ上がるので、実際問題としては月収1万5,000円や2万円のサラリーマンでは、入居できないのが実状かと思います。
従って市は木造坪当たり約3万8,000円およびブロック建坪当たり4万円程度で、一戸でも多くの市営住宅を建て広く住宅に困っている市民に、低家賃で入居させたいと係は念願しております。
以上あなたの投稿について要点のみお答えしましたが、御了承して下さい。(厚生課)

お知らせ

暴力団追放
‐ イラストあり ‐