広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和33年 6月25日発行 内容

店主の協力を願います
商業統計調査

市内850商店を対象に
7月1日から向う10日間実施

通商産業省では、本年7月1日現在で全国の卸売、小売業者等を営んでいる商店について、もれなく商業統計調査を実施することになりました。
この調査は統計法に基く「指定統計調査」としてすでに昭和27年に第1回の調査が行われ、今回は第4回目の調査であります。
商業統計調査の目的は、商業全般の実態を把握して、適切な商業政策を立てる上の基礎資料とすることであります。
さて富士市内に於ける商業統計調査の対象商店は約850軒(卸、小売店約740軒、飲食店関係約110軒)であります。
都道府県知事から任命された商業統計調査員は7月1日から向う10日間の10日まで市内各商店をお伺い調査票(甲、乙、丙)をお渡しします。その際は是非とも調査員に御協力下される様お願いします。なお皆様にお渡ししました調査票は必ず7月15日までに記載事項を記入のうえ市役所総務課までに提出して下さい。(総務課)

交通事故防止は
正しい安全運転から運動旬間を顧みて

6月1日より6月10日まで昭和33年度春季交通安全運動旬間が行われました。旬間中当富士警察署管内で交通事故が4件あり、この事故の内訳を見ますと
よっぱらい運転 2件
無免許でスピードの出しすぎ 1件
スピードの出しすぎ 1件
で無謀な運転から起こった事故であります。このうちよっぱらいによる自動車で3人も怪我人があり、そのうち2人は重体という気の毒な有り様です。このような事故は常識で考えても当然防げる事故で尊い人命をよっぱらい等によって失うというような事のないようにしたいものです。
当署では安全旬間中に主に物件放置の指導を行いました。その前に商工会の人達の協力によって本町通りの歩道と車道に自動車置場としたが、それと平行して署員による自転車の止め方等について指導を行ったのです。安全旬間が終わる頃には大変よくなって居りましたが、未だ未だの感があります。
皆さんから度々本町通りの車の止め方が悪いとお小言がまいります。その度に注意はして来ましたが、後は車の所有者の常識に訴える外はありません。しかし法規には車の駐車(長くその場に置く場合)や停車(一時的に置く場合)しては悪い場所について示されております。もう一度法規を読んで見ましょう。法規に触れるから、触れないからと言う事は問題ではなく、より安全な、より円滑な交通が出来ることが望ましいのであります。ですから車が規定通りに両側に止まっていても他の車が通行出来なければやはり道徳上からも良い事ではありません。自分だけ それから車庫のない車が相当ある様で夜間歩道や車道を車庫代わりに使っているのが見受けられます。既に盗難にかかった方も出ています。盗難だけでなく、この様に尾灯もつけず不当に長く車を置いておくと駐車違反として処分されます。
人に寝る家があるように愛車にも夜露をしのぐ場所を作って上げて下さい。
商品を路上に並べたり、車を放置しておく事によって商店のサービスも半減されます。(富士警察署)

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・交通事故現場・死者1名

議会の動き

旭化成、近く正式調印

旭化成富士工場用地買収も土地関係者の御協力により基本的な事項について妥結をみたので、市と会社間の工場設置に関する契約書及び覚書を交換すべき段階となったので、数次に亘り田子浦地区開発特別委員会及び全員協議会を開催し、草案の内容につき慎重に検討を加えた結果、これを承認したので追って正式調印の運びとなる予定である。 契約の概要は第1章「用地買収斡旋関係について」は、工場用地代金の市及び会社の負担区分、道水路の付替工事等に関するものである。 第2章「産業振興関係」は会社を育成振興する意味から助成金の交付(実質的には固定資産税の減免である)。 第3章「その他」は工場用地提供者及びその子弟又は市内住居者の採用、工場設置に伴い被害の発生した場合の措置等に関するものである。 最近における全員協議会及び各委員会の開催の状況は次の通り。

■全員協議会
5月20日
旭化成との工場設置に関する契約書、覚書交換その案文につき協議した結果、若干の字句の修正は特別委員会に一任することとして承認することに決定した。
6月5日
前回に引続き契約書、覚書の文案の訂正又は字句の修正等につきこれを諒承した。
なおその席上旭化成富士工場黒田建設事務局長より工場設置に対する議会の協力に対し御礼の挨拶があった。
6月9日
厚生年金保険積立金還元融資による旭化成が建築する住宅建築事業主体引受について協議の結果これを承認することに決した。

■総務委員会開く
5月19日 委員協議会
岩松小学校老朽校舎(旧職員室)処分につき協議の結果、処分方を当局一任と決定した。
6月5日 委員会協議会
一、田子浦港工事事務所宿舎建設用地貸与について これは若松築港(株)が田子浦港浚渫工事のため一時的に市有地を貸与するものでこれを承認した。
二、本州製紙(株)潤井川発電敷地賃貸借契約の更新について
貸付地は旧岩松付富士町用水組合の所有地で大正13年の契約で既に契約期間も満了したので今回契約を更新せんとするものであるが他にも旧用水組合の所有地で貸付地があるのでこれらも同時に現場踏査の上改めて協議することとなった。(本州製紙関係の契約面積1町2反27歩である)
三、市有地払下について
松岡字林の宅地74坪余を借地人より払下げの申入れがあったもので、この払下げを承認した。
四、厚生年金保険積立金還元融資により旭化成が建築する住宅建築の事業主体引受について
これは旭化成が融資申請額3,500万円を以て延741.5坪の住宅を建築するため便宜市がこの事業主体を引受けるものであるが、協議の結果一応当日は保留となった。6月9日委員会協議会午前8時開会、前回の委員協議会において一応保留となった旭化成が建築の事業主体引受については市当局及び会社よりなお要請があったので再度委員協議会において協議の結果市の財政上の負担を伴うものではなく会社育成の見地よりこれを承認することに決定した。

■産業委員会
5月28日 委員協議会午前10時閉会
一、岩本山公園展望台の設置
岩本山あたご神社附近へ展望台を設置する計画で、高さ26尺鉄骨造りで経費約50万円程度にて至急着工することとした。
二、米の宮公園公園開きについて
三、昭和32年度3月伊東競輪収支精算について
3月競輪は売上げが非常に良好で精算の結果につき次の通り報告があった。
収入総額 1億1,913万3,483円
支出総額 1億1,394万7,792円
差引収益金 518万5,691円
6月4日委員協議会午前9時開会
一、新農山漁村特別助成事業計画につき審査の結果、これを承認したのであるが、事業の概要は左記の通りであります。
1 共同利用農機具 事業主体は富士農協で事業費275万5,000円にて動力ミスト45台、0型手動撒布機7,000台を購入し共同防除等に利用せんとするものである。
2 肉豚貸付施設は事業主体は三農協にて事業費65万4,000円を以て養豚の改良普及に資するためである。
3 農事放送施設の事業主体は岩松農協で拡声機29か所及び応答機を各部落へ置き農業関係の連絡用に供する。事業費は238万4,000円である。

■田子浦地区開発特別委員会
5月20日 委員会開会
旭化成工場用地買収費その他諸経費の負担区分及び市と会社の交換すべき工場設置に関する契約書覚書の案につき研究協議した。
6月5日 同委員会開く
・ョ化成との契約書、覚書案の字句の修正等につき協議した。
(議会事務局)

水源ポンプ場
田子浦浜通り

田子浦浜通り地区給水の水源でありますこのポンプ場施設工事は浅野物産株式会社により工事を急いでおります。
この施設工事の概要は次の通りであります。
(1)水源井=鉄筋コンクリート内径200メートル乃至300メートル、深900メートル
(2)ポンプ=電動機直結タービンポンプ口径100ミリ×20馬力及び30馬力、ガソリンエンジン1台
(3)圧力水槽=内径180メートル、長436メートル2基、構内配管一式
(4)その他=ポンプ室鉄筋コンクリート建19件、監視人住宅木造15坪。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・工事中の田子浦水源ポンプ場と右下は同水源の集水井

パラチオン、ホリドール等の事故をなくしましょう

ホリドール、パラチオンは農作物害虫の駆除にはなくてはならない農薬ですが、毒性が強いので人間にも中毒事故が起こっている事は新聞、ラジオ等の報道で御承知の事と思いますが、その事故防止のために6月15日から7月14日までの間、有機燐製剤の危害防止運動が全国的に行われていますので、次の点に注意して中毒事故を起こさない様、気をつけましょう。
(1)使う時は実施指導員(普及員市農産課、農協、農業共済組合の技術職員、病害虫防除員)の指導の下に完全な服装で共同防除を行う様にしましょう。
(2)水田等での防除は有機燐製剤がないので撒布時は特に注意し現場に近寄らないようにしましょう。
(3)撒布後の田畑には必ず赤旗を立てる様にし、赤旗の立って居る所は危険ですから入らない様にして下さい。
(4)万が一子供等が事故を起こしたら至急医師にその旨を伝えて診て頂く様にして下さい。(農産課)

効き目のある薬の撒き方について

蚊とハエの駆除のうち一番問題となっているのはハエの駆除である。このハエは今が最もよく出る時期(繁殖のやま)で駆除がなかなか難しい。環境的駆除(施設改善、清掃等)と薬剤散布を併用する事が理想であるが、環境的駆除は個人の経済的問題と文化の進展に大いに関係があるので実現が難しい。そこで手取り早い駆除方法としてどうしても薬剤撒布が一般的に行われる。この薬剤撒布について効き目云々という前にどうしても知って置いて戴きたい事は有効致死量(ハエを殺すに必要な薬の量)と言う事です。防疫用殺虫剤に限らずすべてこの薬にはこの有 先ず最初に薬剤の選定ですが、現在市販されている中ではDDTとダイヤジノンの混合剤が最もよい。これ等の薬剤にはそれぞれ油剤、粉剤、乳剤と三つの形があり撒布にあたってもエンジンダスター、電動噴霧器、肩掛自動噴霧器等実際に則した機械を使用する事が大切です。家バエは家庭の台所、便所、農家の畜舎、堆肥舎等の最も多い。この様な場所には前記のDDTダイヤジノン混合油剤を肩掛噴霧器を使用して残留噴霧と言って壁、天井、窓等ハエのとまる(休息)場所へ1平方米当50ccを撒布する。DDTの入っている薬は撒布後白色になる事がある 客間、居間等はエンジンダスター電動噴霧器を使用して前記油剤を撒布する。エンジンダスターの基準は10坪の家で約3分間噴霧する。二階旅館、アパート等は電動噴霧器を使用して下さい。一斉駆除だけに頼る事なくハエを見たら殺すと言った考えを持って個人でも補助的に撒く事が望ましい。
家畜舎便つぼの中にはオルソやダイヤジノンの乳剤またはDDTやダイヤジノンの粉末を撒布する。この様に場所と状況により使用する薬品を変え適切に駆除すれば充分な効果が期待出来ます「論よりしょうこ」一度実行して見て下さい。それも隣近所協力して(衛生課)

ハエ撲滅

塔ノ木区民の活躍

旧国道沿線の戸数70戸余りの塔ノ木区では昨年来熱心に環境衛生の向上のために区民協力して立上り衛生指導員富士原幸夫氏が中心となって研究を重ねモデル地区柚ノ木に負けない立派な成績を上げている。
本年5月全区に31個のコンクリートのゴミ箱を新設しハエの発生源である家庭のゴミ処理を完全に実施すると共にこれ等は常に薬剤撒布を行っている。
明るい笑顔でこの夏は、ハエや蚊のいない生活が楽しめる事でしょう。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・一斉駆除する塔ノ木区民

市役所事務の御案内(その13)

商工課

富士市役所商工課は新興商工都市「富士市」を築くため関係各種団体の御協力により市内商工業の振興をはかっています。そして同商工課の窓口においては次に述べます業務を行っておりますから市民のお役所としてご不明の点がありましたなら遠慮なく係に申出て下さい。係員が親切に御相談に応じます。
一、主要食糧購入割当
一、物資配給
一、計量法について
一、転出証明関係
一、公園、遊園、プール管理に関する事項
一、市場、貿易振興および金融に関する事項
一、地代家賃統制令に関する事項
一、宅地建物、取引業法に関する事項について
一、乗合自動車運行免許申請に関する事項
一、身延線改善期成同盟会に関する事項
一、商店街、不燃化に関する事項
一、観光協会に関する事項
一、競輪事業その他商工業に関する事項
一、その他