広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和32年 12月25日発行 内容

人権を守り合って平和な幸福な社会を

去る12月10日で、世界人権宣言が公布されてから9周年をむかえました。
「すべての人間は生まれながら自由で尊厳と権利とについて平等である」これが人権宣言の第一条にかかげられた最初の言葉であります。
わが日本の憲法もこの宣言とまったく同じような内容をもつ基本的人権を規定しております。
たとえば言論、思想、集合、結社、学問、居住、移転、転業選択の自由等の権利がそれであります。
私たちは、これらの権利を行使するためには公共の福祉に反しない限りにおいてひとしく法の保護を受け権力等によって不当に自由を拘束されることがないという保障が与えられているのであります。
しかしまだまだ世の中には人権を無視するような数多くの事件が新聞やラジオなどによって毎日のように報道されているのであります。皆さんの中でもし、他人から自分の自由をしばられたり、平和がおびやかされ日常生活に困っている人は、人権擁護委員は、あなたの秘密を守り、あなたの「人権」を擁護するために適切な処置を講じてくれます当市の、人権擁護委員は次の方々です。
金正寺住職 加藤玉英
実相寺住職 加藤通温

本年最後の定例市議会終わる

議長に漆畑(再選)・副議長に鳥居氏

富士市議会11月定例会は先月29日に招集され、月を越えた12月2日迄の4日間の会期をもちまして閉会となりましたが、本定例会中特筆すべきことは皆様既に新聞紙上等で御承知の如く議長以下富士市議会役員の総改選のあったことであります。ではここに11月定例会を振り返りその4日間の議会活動のあらましを御知らせ致します。
◎11月29日
当日は病気欠席の2議員を除く28議員出席し午前9時開会は宜せられ直ちに会議に入り「昭和32年度市営競輪特別会計歳入歳出予算の専決報告につき承認を与え次いで岩松小学校の改築資金(800万円)及び新市町村建設事業(山道線南藤間線)資金(200万円)並びに市立中央病院の建設資金の本年度借入分(1,900万円)をそれぞれ大蔵省資金運用部より借入れる旨の決議を行い、且本州製紙、東芝両会社の社宅建設資金(両社とも900万円)としてそれぞれ厚生年金還元融資として市が一旦借入れ、同額を会社に転貸するという決議を行いました 次に市役所職員及び市特別職の方々の公用出張旅費の改正条例が提案になったが本改正案は総務委員会に付託審査することに決し、それより市一般会計の追加予算(50万5,000円)及び国民健康保険税の減免、体育館の負担付寄附の採納の件等を慎重審議の上可決し休憩に入りました。
休憩後会議を続開し、正副議長より辞表の提出がありそれを受理し、直ちに正副議長の選挙を行い、漆畑議長の再選、鳥居副議長の新任を見たわけであります。
次いで各常任委員の改選に移り、選考委員を上げて次の如く選任し各委員会毎で正副委・長の互選を行い決定いたしました。
◎常任委員会
総務委員長 山田金吾
建設委員長 佐野喜郎
厚生委員長 田村正雄
産業委員長 小林伴三
○12月1日
午前9時より総務委員会を開き11月29日に付託された市職員等の公用出張旅費の件を原案通り承認する旨決定しました。
◎12月2日 午前9時より市議会は再開され、総務委員長より2月1日の総務委員会に付託の件を原案通り可決すべきものと報告し原案通り可決し、次いで田子浦地区の開発のため市議会内に特別委員会を設置する議決を行い、且、委員の選任、正副委員長の互選を見て閉会となりました。
◎特別委員会
田子浦地区開発特別委員長 川口清俊

「開発課設置」

12月20日第8回臨時市議会において市役所課設置条例の一部が改正され新しく開発課が設置され24日高沢農産課長が開発課長に任命されました。

市政にもっと関心を

広報ふじアンケート

昭和29年3月市制施行とともに広報ふじタブロイド型第一号を9月25日創刊、毎月25日一度定期発行としていく予定でおりましたが当時は編集等の不慣れもあり29年は休刊した月もありました。翌30年より確実に定期発行して本号で第28号を迎えました。
現在一回の発行部数は8,000枚で各世帯に一枚の割で配布しております。発行してから三年余、どれほど市民にゆきわたっており、どの程度読まれているか等広報(市役所で行っている仕事をみなさんにお知らせする)効果の測定と今後の編集の参考にするため去る2日より18日まで行った公明選挙巡回部落座談会の際、集った約500余人より公明選挙に対するアンケートと一緒にこの「広報ふじ」についてのアンケートを行い回答を得たものです。
そして今では広報ふじが市民の生活の中にとけこんで大いに役立っていることを知り広報担当者として自身を高めるとともに、また反省もさせられ、なお一層努力してよりよい、そして全市民に親しまれる広報紙にしたいと念願しております。

◎アンケート結果

配布枚数 500
回収枚数 421
問1 「広報ふじ」をご存知ですか。
知っている 415
知らない 6
記入なし 0
問2 配布の状況は
毎月届く 359
時々届く 54
全然届かない 6
記入なし2
これらをみると「知っている」人は98%と従ってとにかく届くという人の98%と合致します。又「全然届かない」は1%でこの理由は、配布の時配給台帳を基礎に各部落班ごとの世帯数を調査するので中には登録のしていない人等は漏れることがあります。従って登録は必ずお願い致したく思います。
問3 読んでいる状況
毎号読む 271
時々読む 133
全然読まない 11
記入なし 6
問4 読んだ感じは
文章がむずかしい 21
今ぐらいでよい 372
やさしい 10
記入なし 18
「毎月読む」64%、「時々読む」31%でとにかく読む人は95%ですが時々読む人が31%を占めていることは大いに考えさせられました。次に考えさせられました。次に文章の程度で「今ぐらいでよい」と「やさしい」が約91%、「むずかしい」が5%です。むずかしいと言う人が一人もないようにもっともとおわかりやすくしていきたいと考えています。
問5 お役に立っていますか
大いに役立つ 232
時々役立つ 174
役に立たない 11
記入なし 4
「役立っている」は96%で「役立たない」が約3%あります。

以上の通り市民の市政に関する関心と熱意をあらわしていますが、それだけに広報係として責任を感じます。

登載者2万3,886
12月20日 基本選挙人名簿確定

9月15日現在をもって調製した昭和32年基本選挙人名簿は、11月5日より15日間市役所(支所)において縦覧し12月20日確定しました。
本年の名簿確定日における登録人員は2万3,886人と昨年の基本選挙人名簿登録人員2万3,095人を比較してみると実に971名の増となっております。
男女別に比較してみるとだんぜん女が多く、昨年の場合でも731人女の有権者が多く登録されております。
この基本選挙人名簿は、確定日から、来年の12月19日まで据置かれ、その間に行われる公職選挙法による各種選挙に使用される名簿であります。
 従って来年予定されている市長、市議会議員等の選挙に使用することになります。

‐ 図表あり ‐
( 図表説明)・・・基本選挙人名簿登録人員に関する調

公営住宅入居者募集

昭和32年度公(市)営住宅は目下、岩松地区瀬戸河原地先に建設中でありますが、これが竣工に先立ち富士市営住宅管理条例に基き左記要綱により入居申込みの受付を致しますから希望者は市役所厚生課、岩松支所、田子浦支所より指定申込用紙の交付を受け申込まれたい。
尚・アのことについて御不明の点がありましたら厚生課へお尋ね下さい。
一 申込資格
1現に市内に住所又は勤務場所を有し独立の生計を営む者。
2現に同居し又は同居しようとする親族(事実上婚姻の関係と同様の事情にある者、その他の婚姻予約者を含む。)があること。
3現に住居に困窮していることが明らかな者で、入居契約の際敷金(家賃の3月分)の納入及び毎月の家賃支払能力のある者。
一申込受付期間
1月6日(月曜日)〜1月31日(金曜日)
(註)申込書は指定用紙により指定の受付期間内に受付けたものに限り有効。

‐ 図表あり ‐
( 図表説明)・・・建物の構造及び家賃予定額その他

明るい越年運動によせて

富士市社会福祉協議会と富士市婦人会が共同して毎年明るい越年運動を展開し市民各位の絶大な御協力を得て恵まれない人等に沢山な金品が贈られておりますことは誠に有難いことと思います。
本年も相当の成績を挙げつつありますことをお礼申し上げます。

昭和32年のあしあと(12月25日現在)

1月
新年祝賀式及び消防出初式、849人の成人式、岩松水源地ポンプ場完成、富士警察署新庁舎落成、臨時市議会で30年度決算認定、富士−吉原即時電話開通
2月
市営と畜場落成、駅南給配水管工事着工、消防団本部望楼サイレン取付、国保無料巡回健康相談及び血圧測定実施
3月
富士、沼津市共催、伊東けいりん、小(936)、中(900)学校の卒業式、市営住宅10戸落成、定例市議会で32年度市政方針表明総額4億2,700余万円の予算決まる。富士川用排水土地改良区総代会総代決まる、新国道(柚木)自動信号機取付富士駅、伝法線改築工事完了、健民運動推進協議会誕生
4月
消防団常備部発足、中堀下堀改修工事完了、選挙管理委員決まる、市体育会館建設着工、関西方面観光宣伝自動車派遣、赤ちゃんコンクール
5月
県スポーツ祭バドミントン大会、岩本公園ハイキングコース整備
6月
防火帯建築始まる、モーターグレーダー購入、定例市議会、公平委員決まる
7月
新農業委員決まる、市営住宅20戸完成、民生委員制度40周年記念行事、360健康家庭表彰、市役所車庫完成
8月
防火帯仮営業所竣工式、富士市文化連盟結成、旭橋及びみどり橋築造工事完了、霊柩自動車運輸事業開始、田子浦浜通り幼稚園落成、引揚者遺族給付金取扱事務開始、32年産米政府売渡予納申込数量完了(7,710石)
9月
各種国体開催記念行事、592人の敬老会、駅南給配水管工事(1,100戸)完成、新農村特別助成事業(435万)着手、国保受診証切替、畜産共進会岩小改築工事着手、静岡県下議長会
10月
体育会館落成、駅前ネオンアーチ完成、第12回国体バドミントン大会、天皇、皇后市内をご通過、高松宮殿下体育館ご視察、旭化成工場誘致について議会全員協議会開催富士市全域、3,000分の1現況測量完了、南藤間線改築工事完了、旭化成工場誘致の覚書取りかわす
11月
富士、熱海市共催伊東けいりん、一般住民結核健康診断開始、公明選挙推進協議会誕生、各種農産物総合品評会、本町、四丁河原線築造完了、共同募金目標額を突破、定例市議会で議長以下役員の総改選、田子浦地区開発特別委員会設置
12月
正月料理の講習会、公明選挙巡回部落座談会、旭化成工場誘致のための測量開始、市役所開発課設置

年末年始の市役所執務

例年の通り、市役所は12月28日(土曜日)ご用納めとなり新年は1月4日よりご用始めとなります。