‐ 写真あり ‐
富士市長 遠藤脩治
‐ 写真あり ‐
昭和33年の新春を迎え誠におめでとうございます。
世の中は日進月歩と申しますが、社会の情勢は駸々乎として目まぐるしく変換して行きます。
昨年は、突如ソ連の人工衛星の打上げ成功に全世界の注目を集め、世は挙げて人工衛星ブームを現出しました。
さて、我が国内においても、三年続きの豊作、一千億減税に加え財界は久しき沈滞から脱し、一昨年上半期より急激に膨張し、生涯、輸出入共に世界の水準をはるかに超越する伸を示しました。所謂神武景気を迎えましたことは、御同慶に堪えない所であります。
しかし好事魔多しとか、昨年5月頃から国際収支の均衡が破れ、財政の危機に直面するに至りました。ここに必然的な輸入抑制、金融引締めという最後の措置が取られたことは御承知の通りであります。以来神武景気は一転漸次下降の一途をたどっている現状であります。
かかる国内情勢を反映して、当市に於きましても本年は財政面に相当厳しい制約を覚悟せねばなりません。
しかし乍ら当市にとって超劃期的な事業、即ち旧田子浦村長船山翁が心血を注いで企画され、夢物語と称せられた田子浦港の築造、又市民年来の要望である大工場の誘致、更に加島踏切、富士駅舎の改築等々何れも昨年来より脚光を浴びてまいりました。
本年は愈々これが実施の段階に入るべき年であります。尚富士川用排水事業も愈々最終年度を迎え完成の年であります。
私は、富士市初代の市長として重責をけがして就任以来三年余、この間市民各位の絶大なる御支援、御鞭撻により専心駑馬に鞭打ち市政の運営に当たってまいりましたが、任期も余す所僅少となりました。しかし最後まで就任以来寄せられました市民各位の御附託に応え、且つは本市百年の繁栄を希い渾身の努力を傾注し、厳しい本年の市財政を克服し、これら諸事情の実現に邁進いたす覚悟であります。何卒倍旧の御支援御鞭撻の程御願い致します。
年頭に当たりいささか所懐を申し述べて御挨拶といたします。
市民各位の御健康と御多幸を御祈り申し上げます。
富士市議会議長 漆畑五六
‐ 写真あり ‐
希望に輝く昭和33年の新春を寿き富士市議会を代表し年頭の御挨拶を申し上げます。
昭和32年の歩みをふりかえってみますと、ソ連の人工衛星の打上げ成功、東海村に於ける人類第三の火といわれる原子炉の反応開始、あるいは内閣の更迭等各面に亘り連日新聞紙上をにぎわし世界の耳目をそばだたせる大ニュースが数多くありましたが、まず以て当市にとっては、市将来の発展を約束ずける旭化成工業株式会社の進出計画と、これに並行する田子浦港の築港計画の内定をみましたことは誠に欣快に堪えぬところであります。
天皇、皇后両陛下の・s幸啓を仰ぎ開かれた第12回国体、並びに高松宮殿下の御来臨をいただいて繰り展げられたバドミントン競技の熱戦、且つ静岡県の優勝等は我々にとり終生の思い出を残してくれたことと思われます。
ここに当市の事業について検討致しますと富士川用排水事業の進捗、上水道施設の拡充、岩松小学校の改築、体育館の完成等があり、且つ昨年はこれという災害もなく平和な一年を送り得ましたことは御同慶の至りです。
一方経済界は後半期には沈み勝ちな傾向をたどりましたが、躍進を続ける当市を象徴するのかの如く不燃化高層商店街の建設をみつつあることはこれまた私の慶びとするところであります。
然して昭和33年は我々市議会議員にとり任期中最後の年に当たり、且つ旭化成、田子浦港問題の帰趨を決する年であることに思いをいたすとき、市政の一翼を担う者の試練の年であると言わねばなりません。私はこの問題の円満なる解決がなし得られなければ当市発展は画上の餅であると考え市議会の全力もこれに傾注したいと思うものであります。
年々才々当市も発展の一途をたどりつつあるとは申せ、これまた都市計画事業、農工業用水施設の完備等都市建設の基本計画が着実に実行されるとき当市の発展も一段と輝きを増し、飛躍的発展が期せられるものと思考するのであります。
かかる見地より、本年は駅北駅南を結ぶ大動脈たる富士鷹岡線の促進、富士川用排水事業の完成等市建設の基本計画の合理的解決に努力してまいりたいと考えるものであります。
私は是非とも本年はこれら諸問題の解決により、富士市史の一頁を飾る事の出来る昭和33年であることを希うと共に、市政の諸問題解決に市民各位の御協力と御支援を御依頼し、年頭の御挨拶といたす次第であります。
市長 遠藤脩治
助役 遠藤 栄
収入役 岩間三郎
総務課長 竹内秀道
文書課長 落合広治
土木課長 佐野清一
税務課長 長洲幹彦
戸籍課長 望月藤作
商工課長 下方雅雄
厚生課長 滝川隣竜
衛生課長 望月雅己
水道課長 北村良作
保険課長 栗原 勝
会計課長 稲垣正義
開発課長 高沢 武
農産課長心得 後藤竜雄
田子浦支所長 田中常次郎
岩松支所長 鈴木敏三
職員一同
教育委員会事務局
教育長 涌田隆一
総務課長 宮崎慈謙
公民館長 松永安衛
職員一同
市立富士中央病院
院長 多々良満寿雄
副院長 児玉実光
副院長 滝本房一
総務部長 広瀬国助
職員一同