広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和32年 2月25日発行 内容

本年最初の臨時市議会終わる 昭和30年度決算認定!

 昭和30年度各会計歳入歳出決算の認定について、かねて岩間収入役から市長へ提出されていた決算書は、土屋、加藤、両監査委員の審査に附されていたところ、何れも決算内容の正確なることの意見書が送付されたので、去る1月24日召集された昭和32年第1回市議会に提案され原案通り認定されました。
 その主な決算状況は下表の通りであります。
‐ 図表あり ‐
( 図表説明)・・・昭和30年度各種会計決算状況について

昭和32年第1回富士市議会(臨時会)は1月24日招集され、会期を2月2日まで10日間と決定し、昭和30年度市一般会計及び各種特別会計の決算の認定等市長提出議案12件を可決して閉会した。
この間各常任委員会が開会され付託議案につき熱心にして且詳細な審査が行われた。
尚先般新築落成した富士警察署庁舎の附属建物(鉄筋コンクリート造延170坪66)を県に寄附すること及び敷地654坪97を県に無償貸与することを議決した。
本会議及び常任委員会の概要は大略左の通りであります。
◎1月24日本会議
会期を2月2日まで10日間と決定し、直ちに議案の審議に入り専決報告2件を承認し外に議案3件を即決した。次で「消防団員等公務災害補償条例制定について」を総務委員会に付託し、昭和30年度市一般会計決算及び特別会計である市立中央病院、上水道事業、公益質屋、競輪事業、の歳入歳出決算をそれぞれ関係委員に付託して散会した。
◎1月25日産業委員会付託議案である市一般会計決算中歳出の内産業経済費及び競輪事業決算を審査した。
◎1月28日29日総務委員会
付託議案である「消防団員等公務災害補償条例制定について」及び市一般会計決算中歳入全部と歳出中議会費市役所費消防費教育費財産費統計調査費選挙費公債費諸支出金予備費につき2日間に亘り審査した。
◎1月29日建設委員会付託議案である市一般会計決算中歳出の内土木費及び特別会計上水道事業決算につき審査した。
◎1月30日民生委員会付託議案である市一般会計決算中歳出の内社会及び労働施設費保健衛生費及び特別会計市立中央病院、公益質屋の決算につき審査した。
◎2月2日本会議
冒頭監査委員より1月の例月出納検査の結果報告があり、次で総務、建設、民生産業の各常任委員長より付託議案の審査の経過報告があり各議案共委員長報告通り原案を承認可決した。
尚富士鷹岡線の跨線橋建設につき国庫補助事業として採択方につき関係方面へ請願陳情するにつき文案を決定し当局議会相共に強力に運動を展開する事とした。
 以上を以て議事日程を終了し市長より決算日程認定につき謝辞があり閉会となる。

昭和32年度 固定資産課税台帳の縦覧

 土地家屋及び償却資産に関する昭和32年度固定資産課税台帳を次の通り縦覧に供します。
1縦覧期日
・@3月1日より3月20日まで(日曜日休み、土曜日は正午まで)
1縦覧場所 市役所税務課
1縦覧は本人或は正当な代理人に限ります。

 台帳に登録された価格について意義のある向は、文書(審査請求書)を以て縦覧期間中及び期間後10日の間に、固定資産評価審査委員会に対し審査の請求が出来ますがそれ以後になると絶対にできませんからご注意下さい。昭和32年度の土地及び家屋の価格は原則として昨年(昭和31年度価格)通り据置かれております。この据置かれた分に対しては、審査の請求は出来ません。
 但し地目変換とか増改築とか損壊等の場合は価格が変わっておりますからご了承下さい。

市営と畜場落成

 富士市及び周辺住民13万の食生活に重大な関係を持つ市営と畜場がこの2月9日落成致しました。
 この市営と畜場の建物は昭和30年31年の二ヵ年継続事業として富士宮市岩崎建設株式会社の手に依りと畜室107坪外6棟鉄筋コンクリート特殊K構造のモダンで然も衛生的に設計された建物であります。
 又市営と畜場に於いてと殺解体される家畜の頭数は年々増加の一途にありまして昭和31年の建設中でさえ年間実に9,080頭を算えて居ります。これ等の職人はひとり富士市民の食膳ばかりでなく遠く京浜熱海方面へも移出されて居ります。又当市はあらゆる家畜の飼育に適した必要な要素を具備して居り、農業の機械化と共に家畜の飼育は益々盛んになりその品質も我が国有数であり近県よりの移入も加えて市営と畜場の利用は今後日一日と高まるものと思います。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・完成した市営と畜場正面

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・作業場の一部

‐ 図表あり ‐
( 図表説明)・・・月別と殺到数

岩松水源地 ポンプ場完成

 市営上水道布設昭和31年度第一期工事として、総工費3,830万円を以て東京都浅野物産株式会社の請負に依り着工した。岩松水源地ポンプ場施設と幹線配水管布設工事は、去月25日竣工したので去る4日市議会建設委員立会の下に、竣工検査を施行し受渡しを完了致しました。
 その工事の概要は次の通りであります。
△ポンプ室上家
K構造 鉄骨鉄筋コンクリート造 42.4坪
△同 地下室
鉄筋コンクリート造 22坪
△ポンプ
電動機直結ゐのくち三段タービンポンプ 口径150ミリメートル50キロワット(67馬力) 1台
総揚程72メートル、揚水量毎分2.5立方メートル
△ディーゼルエンジン
ヤンマーディーゼルエンジン 75馬力 1台
△水源集水井
鉄筋コンクリート、内径3.5メートル、深さ9.7メートル
△電気施設
高圧変電版、高圧配電盤、低圧配電盤、計器盤 各1面
△排水ポンプ
口径38耗1/2馬力 1台
△幹線配水管
鋳鉄管 径350ミリメートル
延長 1,790.4メートル
同 径300ミリメートル
延長 1,066メートル
同 径250乃至150ミリメートル
延長 326メートル
合計 3,182.4メートル
△消火栓
地上式双口消火栓 14基
 次に駅北地区の配水管布設工事は、第二期工事として総工費2,767万5千円を以て、会社の請負によって目下施行中で、今月末までには完成し各戸への給水を開始いたしたい予定であります。
 駅南地区の配水管布設工事も、総工費3,380万円を以て、之も会社の請負によって近く着工の運となりましたが、資材の入手難に阻まれ、この渇水期にまに合わなかったことは甚だ遺憾でありますがもう暫くお待ちを願います。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・完成した岩松根田水源地ポンプ場

工業統計調査終わる

 昭和31年12月31日現在で実施したこの調査には9人の調査員に依り市内で製造(加工、修理)を行っている事業所について調査を行った処、事業所の積極的なご協力によって調査が順調に進み、その結果が纏まりましたので、主な内容を昨年と対象してご紹介いたします。
 この表を見ると年々市内の製造工場の経営規模が商工業都市にふさわしく躍進しつつあり誠に喜ばしく思います。
‐ 図表あり ‐

防火地域の設定を強力に推進しよう!

 毎年の火災でわが国は200億円を灰にしています。静岡県だけでも昭和30年に9億円の損失を蒙っております。
 「木と紙と泥の家」と言われる吾々の都市を是非とも燃えない街にしなければなりません。
 その為にも、政府も、県も、市も、都市の不燃化に協力、多額の補助金を支出、又、融資の面でもいろいろ便宜が与えられています。然し、それらの補助金をもらったり、便宜を得る為には「防火建築帯」を設定しなければなりません。
 「防火建築帯」設定の為には「防火地域」及び「準防火地域」を設定してからその指定を受ける事になっておりま・キ。
 去る8日県建築課長、指導係長らの御出席を得て、公民館に於て説明会を開催しました。

防火建築は何故必要か
国や県や市で如何補助しているか
 静岡、熱海、鳥取、新潟等の大火の模様をスライド写真にしたものを上映しつつ詳細な説明があり、本町中町平垣本市場国久水戸島上区十兵衛北区の方々の感銘を新たにし、防火建築の必要を痛感させられました。
 防火地域の指定を受けるか受けないかの段階はすでに過ぎ、何時迄に防火地域の設定をするかという事が問題となって来ました。
 防火地域に指定されると今在る家も建て直さなければならないように考え、反対される方々もあるようですが、その様な事はありません。
新築は不燃建築で!
 是非富士市も盛り上る力で燃えない都市にしましょう。商工課・土木課