広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和31年 11月25日発行 内容

人権はお互いの自覚から

12月4日から12月10日まで人権週間
 来る12月10日は、国際連合が世界人権宣言を採択してから満8周年目に当りますので、この日を記念し、今年も「人権週間」として全国的に各種の記念行事が展開されております。この意義のある日を迎えるにあたり、世界人権宣言に内容をなす基本的人権の意義について考えてみましょう。
現行憲法第13条は「すべて国民は個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とする」と規程しており、これを一言にして言えば人間が人間らしく自由に且つ幸福に生活して行くためには欠くことのできない基本的な権利を憲法が保障しているのであります。
しかし終戦後11年を経た今日漸く私達の間に基本的人権の考えが一応普及されたようにみえますが、まだ完全なものとはいえません。
私達の社会には自由及び権利が間違って主張されたりまた他方私達の周囲にはまだ想像以上に根深い因習がはびこっており、個人の人権を無視している事例も少なくはありません。
この週間には特に次の点を強調することになりましたので皆さんの御理解と御協力をお願いいたします。

一、暴力の一掃
 暴力によって、他人の権利を侵害し自分の主張を貫こうとする傾向は依然としてやまず、平穏な社会生活を破かいしております。
私達の権利及び自由は、あくまでも民主的な方法によって主張し、あらゆる暴力に屈せずこれを守りぬかねばなりません。

二、迷信の打破
 最近の一部の新興宗教におちては、不当な方法をもって特定の信仰を強制し、みだりに吉凶副を説いて人心を惑わし、かえって個人の生命及ぶ幸福追求に対する国民の権利を侵害している事例もあり、これは宗教の自由の逸脱であり私達はあくまで正しい人権意識を育成して不合理な行き過ぎた迷信を打破しなければなりません。

三、売春の防止
 売春がこの世にあってよいでありましょうか。まして売春を食い物にして哀れな女性たちをさく取りしている業者の存在が許されてよいものでしょうか。売春問題は人権問題であり且つ人道の問題であります。売春をなくして明るい社会を作らなければなりません。
私達の基本的人権は、自分から譲らなければなりませんが、1人の力ではどうにもならないような場合は個人の秘密は絶対に口外いたしませんから安心して当市の人権擁護委員である、加藤玉英(金正寺住職)氏、又は加藤通温(実相寺住職)氏に進んで訴えて下さい。

ご協力に感謝

共同募金好成績あげる 毎年市民の皆さんのご協力により好成績をあげて来た共同募金は本年で10周年を迎えました。
共同募金が始められた当時はまだまだ社会福祉事業の生まれ変わったばかりで、1人歩きは出来ない状態でありましたが、いまでは10年の才月を経て皆さん方の温かいたたすけあいのお気持ちにより本年も10月1日より始まった当市の共同募金の実績は591,947円で目標額(541,000円)の109%と言う好成績をおさめることが出来ました。
これは一重に市氏の皆さんの深いご理解とご協力の賜でありますここに厚く御礼申し上げます。又社会福祉協議会の役員様方にも色々と御足労をお掛けしたのみか僅かな募集費でさえ節約されました事について敬服と感謝の誠を捧げております。
今後これが増々当市の社会福祉の向上に役立つ事でありましょう。

年末たすけあい運動

深いご理解を
 昔から貧乏こそ幸せなりとか申しますが身体が丈夫で1日1日を無事働き過ごしている家庭ではこんなまけ惜しみ的な言葉もあえて吐けると思いますが世の中、いな富士市内にも働きたくても働けない病弱な家庭や夫に死別して子供を抱え就職も出来ずに途方にくれている御気の毒な家庭が相当数あります。この様な恵まれない家庭に餅の一きれ或は古着等の同情物資を贈りお互い助けあいはげましあう運動が毎年12月1日から行われおります。本年も例年同様実施致しますのでその節は温かい思いやりをよびおこし不幸な人の身の上に一片の同情物資が与えられ

社会教育委員 委嘱される

教育委員会では11月1日付を以って次の諸氏を社会教育委員に委嘱しました。吉田 甫(富士中学校長)近藤英次(岩松中学校長)生子仲太郎(田子中校長)米山誠(連合青年団長)秋山てる(婦人会長)落合清、漆畑秀雄、荻原芳作、加藤玉英、大村芳臣、(以上学識経験者)
以上10名の方が公民館運営審議会委員も兼ねており、第1回初顔合わせは2日公民館で開かれ互選により委員長に荻原芳作氏副委員長に大村芳臣氏が決まりました。今後これ等の人により学校教育を除いた。市内の主として青少年及び成人に対して行われる組織的な社会教育活動が一層推進される事でありましょう。

国勢調査富士市表彰される

昨年10月1日、全国的に実施された昭和30年国勢調査について、当市は11月19日、午前9時半より県民会館ホールにおいて、内閣総理大臣賞の受賞の栄に輝きました。
このように此度、当市が団体表彰を受けられたのは、この調査の任に当たって呉れた市内の青年団員及び一部落民有志は勿論のこと全市民の積極的なご協力のたまものであり、ここに深く御礼申し上げます。

文化の日を記念して 服部氏表彰される

去る11月3日の「文化の日」を記念して、当市の服部仁平治氏は、見下広く教育学術文化功労者として県知事より表彰されましたのでご紹介いたします。
氏は皆さんもご存知の内容外観兼ね備えた富士見学園を設立経営し当市の教学の殿堂として私学のために気を吐いており地域社会の教育向上のために献身的な努力を捧げてきております。

社会福祉事業に寄附受領の報告

次の人達より社会福祉事業費として御寄附がありましたので、お知らせすると共に深くお礼申し上げます。
社会福祉協議会、会計に収納し福祉事業資金として、最も有意義に活用いたします。
一金1万円他
橋本、故鈴木朝三氏御遺族
一金4,000円他
水戸島、望月庄司氏
一金500円他
富士市仏教会
一金弐1,500円他
中島、佐藤恵温氏

年末融資について

市商工課では富士商工会議所会議所と中小企業者に対する年末融資について研究の結果次の如く中小企業相談所(会議所内)に於いて斡旋致す事になりましたから御活用いただくよう御知らせ致します。
1 年末融資目標額 1,300万円
2 協力金融機関 市内各金融機関
3 申込期日 11月30日まで
4 貸付期間 90日(3ヶ月)以内
5 貸付利率及び信用保証料 利率は金融機関所定の利率とする。保証料は日歩8厘
6 貸付金額 申込は30万円以内の見込
7 保証人 2人
8 その他詳細については中小企業相談所(会議所内)に御問合せ下さい

(前号に続く)選挙事務10年の思い出

市立富士中央病院総務部長
広瀬国助
 翌昭和22年には全国的に選挙が行われ俗に4月選挙と云われましたが、「衆議院議員」「参議院議員」「県議会議員」「県知事」「市町村議会議員」「市町村長」これ丈の選挙を4月の月中に執行してしまうので前の選挙の後始末もつかない内に後の選挙がやって来るなど全くてんやわんやの大騒ぎで息つぐ暇もありません。選挙選挙の連続でした。
 隣接富士町に於いても武内主事(現市総務課長)が選挙直前に選挙主任となられ相当苦心されたようでした電話が同局管内であった為もありましょうが毎日幾回となく間に合わせがあった。その時には私も1日の長がある丈けに大体のことについては回答もでき・ワしたが、相手は相当研究してからの質問であり、こちらは相変わらずの要領癖が抜け切れず汗を流し作ら不徳要領な回答をしたことも度々でしたけれど、判った様な格好をして兄貴面をする事は忘れなかったから実に噴飯ものであります。
この4月選挙で(現在でもそうですが)一番困ったのは、参議院全国区の選挙でありました当初は「候補者は何人あっても得票者は10名か20名だろう」とお互に呑気に構えて居たものですが、いざ開票して見ると驚いたことに何百人と云う候補者が1人なしに得票があり1票もないと云う候補者は僅かに2、3人であったのには胆をつぶしました。「さてこんなに候補者があったのかしら」と候補者名簿を捜しまわる始末で事務は一向捗どらない。夜は次第に更けて来る。監視官も寝てしまい、立会人もうつらうつら、只開票管理者と事務主任丈けは目を血走らせ

防火クイズ

ご協力下さい
秋の火災予防運動
11月26〜12月2日
来る11月26日から12月2日迄秋の火災予防習慣です。この運動のひとこまとして次の様なクイズを一般から募集して防火思想の昴揚をはかると同時に広報ふじに関心を持つ様奮って御応募下さい。
みんなで考えましょう
=応募規程=
‐ 防火クイズあり ‐

1 賞金3,000円です。正解者10名以内の時は等分、11名以上の時は抽せんで10名二等分します。正解者のない時は一字違いを残念賞として以上の方法により等分する。
2 締切、12月10日
3 解答は官製ハガキに限ります。住所氏名を明記して下さい。
4 正解は作者の原文に合致したものだけです。原文は審査まで市の金庫に保管します。
5 発表は12月25日(第17号)発行の広報富士紙上。
6 宛先は
市役所総務課消防係
◇注意
イ、富士市民に限ります。
ロ、市役所職員とその家族は応募出来ません。

お知らせ

防火週間 11月26日〜12月2日 火の用心

富士市の人口

昭和31年11月1日現在
総人口 41,952人
男 20,898人
女 21,054人
世帯数 7,589世帯
(住民登録調べ)