広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和31年 7月25日発 内容

児童生徒の夏休みについて

 子供達にとって一番楽しい夏休みがやってきました。夏休みとなりますと、その期間が長いので、学校では具体的な計画を立てて、家庭生活や校外生活にあやまりのないよう十分な配置をいたしますが、何としても長い期間学校生活から離れて家庭生活が主となりますと、「この長い休みをどのように過ごさせたらよいだろうか。」ということは学校だけでなく家庭の皆さんにとっても大切な問題になると思います。
元来夏休みは
◎子供の心身の休養をはかる
◎子供の自主自律の生活態度を育てる
◎子供の個性の伸長を促す。
◎子供の個々に応じた健康の増進をはかる。
などの目標をもっておりますので、学習の問題や健康の問題や生活の問題など、家庭に於いても十分責任をもってその指導にあたらなければなりません。
 指導というとすぐに「何々してはいけません。」「何々しなさい。」と禁止と命令の連続で子供を極端にわくの中にはめ込んでしまうことのように考えがちですがこれは間違いです。これではせっかくの夏休みが、子供にとって「きゅうくつな休み」「嫌な休み」となるばかりか、かえって逆な方向へ子供を走らせてしまうことにもなりかねません。
 そこで次のようなことを考慮して、子供にとって楽しい夏休みとなりますよう指導していただきたいと思います。

一、子供の立場をよく理解してその長所や短所を知る。
ニ、学校と連絡をとり夏休みの注意事項をよく知る。
三、家庭の事情にあった生活計画を子供に立てさせ実行させる。
四、子供の自発的計画の相談相手になる。
五、地域社会への奉仕活動を暖かく見まもる。
六、勉強や手伝いの負担が重くなり過ぎないようにする。
七、子供の立場になって賞揚や叱責の使いわけをする。
 要するに、家庭という独自の場にふさわしく、一つ一つのことにあまりこだわらず、夏休みの長い期間を通して子供の全体をみつめながら、生活の基盤となる健康のことや豊かな人間関係、強く生き抜いてゆく生活力などについて温かく見まもってやる根気と着意をほしいと思います。
 過日富士市PTA連絡協議会が開かれ、夏休み対策について色々と協議されましたが、その中から主な事をあげてお知らせします。
災害防止
(1)水泳について
(イ)プールで泳ごう
富士一小、ニ小のプールは市内の子供達に開放されるので、規約を守って利用する。
(ロ)学校で禁止した場所(特に事故のあった場所)知らない場所慣れない場所では絶対に泳がない。
(ハ)田子浦海岸での水泳には次のことに注意する。(昨年実施)標識の旗に注意する(赤・白の三角旗)
◇旗の見分け方
赤――危険、絶対禁止(泳いではいけない)
赤と白――注意を要する(泳がない方がよい)
◇波が静かな時でも一人では泳がない
◇旗を立てる場所(火の見やぐら)旧富士市役所、田子浦支所、岩松支所、三四軒屋、新浜、新浜会館、中丸、前田新田
(2)交通安全について
鉄道線路の歩行は厳禁

防犯対策
(1)外出のときは行先、用件時間などを必ず家の人に知らせる。
(2)日没以後の一人外出は禁止する。
(3)夏祭りの時は父兄同伴でも午後10時までには帰宅する。

映画について
 映画教育の価値をよく知ると同時に映画から受ける影響から子供を守る問題になっている映画は子供には見せない。
 以上のようなことに注意して、本年度は子供達の間から非行や事故の問題を絶対に出さないようお互いに子供を守ること子供達が夏休みを自分達のものとして進んで有功に過ごすその計画工夫に大人も積極的に協力していこうということになりました。
(富士市教育委員会)

社会福祉事業に対する寄附受領報告
 左の二氏から社会事業費として御寄付がありましたので社会福祉協議会会計に収納し事業資金として最も有意義に活用いたします。
金500円浅間町鈴木準平氏
金二万円前田新田故船山啓治郎翁 御遺族
育英資金として
金壱万円 故船山啓治郎
翁 御遺族

公民館文庫便り

 愈々夏休みが近づきましたので最近購入した新刊図書を参考のため紹介いたします。皆さん奮って御利用して下さい。

富士公民館文庫
世界少年少女文学全集43(創元社)現代日本文学全集64(筑摩書)世界文学全集8(河出書)日本国民文学全集別巻(河出書)社会見学博物館4(中央社)図説日本文化史大系8(小学館)日本歴史新書(至文堂)新世界史(ポプラ社)世界文化地理大系7(平凡社)以上続刊図書
萬葉集事典(平凡社)原色 日本海藻(保育社)社会保障(毎日新聞社)日本の青年(読売新聞社)アサヒスポーツ年鑑1956年版(朝日新聞社)受験の数学(聖文社)経済学史(青林書)史話と伝説(松尾書)中央アジヤ探検記録カラコルム(平凡社)実践謄本印刷(鶴書)接木挿木の新技術(新光社)世界の裏街道を行く(大宅荘一)女優(森嚇子)運河(椎名麟三)白い魔魚(舟橋聖一)感傷夫人(伊藤整)48歳の抵抗(石川達三)ささなみの日記(幸田文)四季、紅い泉のほとり、月刊雑誌文芸春秋、世界、婦人公論、小説新潮、婦人倶楽部、国際写真画
岩松公民館文庫
現代日本文学全集(筑摩) 日本少国民文学全集(河出) 現代世界文学全集(新潮社)日本少国民文庫(河出)新編大衆文学名作全集(河出)生命の科学(中山書店)日本文化風土記(河出)日本少年百科全集(河出)ことばの講座(創元社)日本むかしむかし(角川)目で見る世界地理(ポプラ社)現代家族講座(河出)以上続刊図書
文章読本(文理書院)話材(ダイヤモンド社)社会科の経済(至誠堂)人に接する法(白揚社)農村のサークル活動、農村演劇脚本集機械設立設計製図(共立図書)人物と事業名々伝、姨捨(井上靖)飢える魂(丹羽文雄)ばらといばらの細道(石川達三)失われた大陸(平凡社)月間雑誌農業及園芸、映画芸術、知性、婦人生活、アルスカメラ、婦人画報、社会大観、オール読物、週刊朝日―(以上は7月15日現在入庫図書の分)

衛生害虫駆除

これだけ知って戴きたい
殺虫剤の使用法
 私達の身のまわりの衛生を害する昆虫類(蚊、ハエ、のみ等)を駆除するには衛生施設の改善と殺虫剤の撤布があることは前にも述べた所ですが、今日はこのうちの殺虫剤の使用についてごくわかりやすく書いてみたいと思います。
 先ず殺虫剤を使用するには、害虫の生態をよく知って頂き、この薬で何を駆除するのかという事を、考える必要があります。御存知の様に昆虫は卵子→幼虫→さなぎ→成虫(親)と変化しているのです。幼虫(うじ)を駆除するにはうじに最も効果のある薬品を、成虫を駆除するには成虫に最も効果的な撤布方法で撤布することが大切です。(註―害虫の種類に依って若干使用する薬品が異なることもあります)
薬品に依っては効果が持続するもの、或は一時的の物等があります。現在使用されている防疫薬品の特性について申しますと、
第一にDDTについて
 これは人畜に全然無害であり、効果も長く持続する(最高約1年位)然し速効性はない。油剤(油でとかした液状のもの)は蚊、ハエの成虫に対し使用し、粉剤はのみ、しらみ等に対し効果があります。現在は殆どBHCと混合され、両者の特性を活かして防疫用として、広く使用されている。

第二BHCについて
 人畜に殆ど無害であり、後述のピレトリンとDDTの中間的な効用がある。尚BHCから抽出したリンデン(純ガンマ‐BHC)は速効性で、使用法は大体DDTと同様である。この外乳剤はうじ、ぼうふらに対して効果がある。 

第三にピレトリンについて
これは防・視eを主剤として作られた殺虫剤で、極めて速効性であり、持続効果は殆どない。一時的なハエや蚊の駆除は出来るが毎日敷布しなければならない。(アース、フマキラー等)

第四にオルソ系乳剤について
極めて速攻を有する殺虫剤である。特に幼虫(うじ)に対してのみ卓効がある
成虫に敷布しても効果は少ない。
 この様にDDTを主剤として作られた殺虫剤を使用すれば、ハエについては少なくとも一週間、蚊にあっては1ヶ月は充分効果を見る事が出来る。この場合も敷布直後100%の効果は見ることが出来ないが、一週間以上は敷布直後と同等以上の効果を有する。
 要するに室内はDDTを主剤として液剤を敷布、縁の下床下に居るのみ、蚊については同様の粉末を用い、屋外の蚊、ハエについては、BHCの粉剤を。尚便所へはオルソ剤を50倍にうすめて敷布すれば、各害虫の生態に応じてことごとく駆除することが出来る。
一回の敷布量は少なくとも室内にあっては液剤を3合以上、便所には便池面積半坪に対し三升以上(50倍液)を敷布したい。
 港にDDTがきき目が無くなったと言う声を聞くが、先進文明国である欧米各国に於けるDDTの使用量は我が国の10倍以上ときいている。然も現在尚DDTを使用し、多大の成果をあげている。十分の一の使用量を以ってDDTの効果云々ということは、未だ現在の日本には使用しない。要は使用量と使用方法の問題である。みんなで力を合わせてこの富士市を蚊やハエのいない住み良い町に致しましよう。

- 写真あり -
( 写真説明 ) ・・・衛生模範地区柚木区の防疫作業

市役所会議室 田子中講堂に

 田子浦中学校に近く市役所会議室(旧富士中講堂)が移転して田子浦中学校講堂(小学校講堂兼公民館)として御目見得します。
 目下この移転工事を市内の井上建設が請負い、着々工事を進めております。
 竣工は9月5日の予定ですので田子中の皆様が夏休みを終えて、第二学期の始まる頃には立派にできあがることでしょう。

水難事故防止の心得

 これからいよいよ水の季節です。毎年水難で尊い人命を失う者が相当ありますが、今年こそは次のことを守って水魔の犠牲とならないようおたがいに注意しましょう。
◎子供さんをおもちの方に
 1.幼児の水遊びには保護者が同行して、常に注意を怠らないようにしましょう。
 2.近所に危険な池や溝等がありましたら関係者に連絡して、垣、さく等を設けるか、危険標識をたてるようにしましょう。
◎観光地で遊覧船にお乗りになる方が
 1.船の定員をたしかめてから乗るようにしましょう。
 2.飲酒泥酔して乗船しないようにしましょう。
 3.悪天候のときは乗船しないようにしましょう。

◎水泳をする方は
 1.一人で泳ぎに行くことは危険ですから友達を誘いあわせて行くようにしましょう。
 2.泳ぐ前には必ず準備運動をしましょう。
 3.はげしい運動、湯上りの直後には水に入らないようしましょう。
 4.空腹時及び満腹のときは泳がないようにしましょう。
 5.水泳中顔や口唇が蒼白になったら水から上るようにいたしましょう。
 6.激流や水底がわからないところでは泳がないようにしましょう。
 7.水泳中冗談におぼれた真似などしないようにしましょう。
 8.遠泳の帰りにはニ倍の力を要することを考えて自分の実力とにらみあわせ、無理な計画をたてないようにしましょう。

◎万一事故の起きた場合は
 1.大声をあげてすぐ近所の人を呼びましょう。
 2.救助する場合は正面から行かず必ず後方から助けるようにしましょう。
 3.すみやかに棒切れや、なわ、板等を投げて溺れている者に握らせるようにしましょう。
 4.水から上げたらすぐ水を吐かせ、体を温め、仮死状態の時はすぐ人口呼吸をするようにしましょう
 5.応急手当をすると同時に医師や警察、家族、学校等関係者にすぐ知らせるようにして下さい。
(富士警察署)

 現在富士市に下の写真のような白色の救急自動車があります。この車は次のような場合に活動致します。
一、伝染病患者の収容
一、火災(必要と認めた時)
一、交通事故(要請のあった時)
一、その他の人命救助作業
一、災害活動
以上の場合は消防車と同様赤色燈を点滅し「サイレン」を鳴らして急行します。この外に「サイレン」を鳴らさずに伝染病患者家屋の消毒その他必要に応じ活動致します。
- 写真あり -

お知らせ

固定資産税 都市計画税 7月31日限

◇富士市の人口
昭和31年7月1日現在(住民登録調)
総 41,706人
男 20,764人
女 20,942人
世帯 7,562世帯