広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和31年 1月25日発行 内容

年頭所感

富士市長 遠藤脩治
‐ 写真あり ‐

 皆様明けまして御目出度うございます。
 昨年は豊年満作で、国民斉しく鼓腹馨懐の喜びを味わいました。誠に有りがたい年でありました。
 富士市も同様、幸いにして挙ぐべき程の事件もなく、至って平穏無事に過ぎましたのは、お互い市民の心掛けによるもので、誠に御同慶に存じます。併し作ら市政の上からみますと異状な大減収で、市の発展が大きく阻害されようとしたのであります。欺くては積極政策もとれませんし、場合によっては既に着手した事業をすら中断しなければなりません。それ故苦心に苦心を重ね縮小し得る処は思い切って縮め、幾分の赤字を出しつつも為すべき事業はなし来ったのであります。
 富士中学校及田子浦小学校の建造、水道工事などその著しいものであります。
 こういう点からみますと昨年は誠に苦難の年でありましたが、今年はどうでしょうか。政府が地方財政復活のために如何なる政策を打ち出すか存じませんが、まず昨年と大差ないものとみなければなりますまい。富士市には成すべき多くの事業が待ち構えて居ります。五ヵ年計画というものもありますけれども、凡ては財政によって左右されなければなりません。今の事情は合併当事とくらべて大きく変わって来ているのでありますから盲目的に之に従うことは富士市民を不幸に導く擢があります。そこで先般来合併当時の五ヵ年計画に再検討を加えつつあるのであ  勿論私は最善の努力を致し、工夫に工夫をこらしてまいりますけれど、何事にも限度がありますからすべて望み通りにはゆきますまい。こういう時こそ一小局部の利害にこだわることなく、和衷協同全市民が一つになって事業に秩序を立て、急を要する度合に従って順次に成し遂げ、たとえ少々の遷延はあっても大富士市の建設に瑕瑾を残さぬよう心がけなければならぬと思うのであります。年頭の辞としてはあまり明るい言葉ではありませんけれど、私の最も強く感ずる所を述べた次第であります。皆様の御協力と御指導とを切に御願い致します。

年頭挨拶

富士市議会議長 漆畑五六

 謹んで四万市民各位と共に昭和31年の元旦を迎え祝詞を申し述べますことを光栄に存じます。
 過ぐる昭和30年は羊年に相応しく概して平穏な年でありました。先ず世界情勢を見まするに久しき冷戦の様相は漸やく平静を保ち、各国間に平和希求の気運が漲って着ました事は事実であります。即人類滅亡の為の原子力は平和産業にその目的を転換し慈に産業の一大革命を起こさんと致して居ります。この傾向は人類福祉の為御同慶に堪えません。
 翻って国内の情勢を省みまするに、社会面については汽船沈没による人命の損傷、女学生の水難、新潟市の大火による災害等暗い面も有りましたが、外交面については日ソ交渉、フィリッピンとの賠償交渉等明るい見透しの下に漸進して来ました。政界につきましては懸案の保守革新二大政党の統合を見、財界方面につきましても漸やく好転の曙光を伺う事が出来ます。特に昨年は未曾有の大豊作に恵まれ、政府の住宅政策と相待って衣、食、住の安定をみつつあることはこれ又御同慶に堪えません。
 更に本市に於きましても平穏無事な年でありました。市民各位の代表機関であります議会は、全員和衷協力市長と緊密なる連繋を保ち市民各位の絶大なる御理解の下に市政運営の為に微力をしました併し作ら昨年は政府の緊縮財政の堅持と、税制の改革により市政施行後の建設計画について市民各位の負託に充分沿い得なかった事を遺憾に存じ深く自省いたすものであります。本年も財界好転の情勢であるとは申せ市の財政は更に厳しいものがあると存じます。議会は心気一転更に全員その結果を固く致しまして申年は不景気の去る年と考え市民各位の代表議決機関  終わりに市民各位に栄光あらんことを御祈りして新年の挨拶といたします。

議会の近況

◎正副議長改選(12月21日)
昨年12月定例議会開会中山田漆畑正副議長の辞表提出に伴い選挙の結果満場一致の推薦により次の通り決定いたしました。
議長 漆畑五六
副議長 梅戸一二三

◎富士市議会委員会条例一部改正
本年1月18日臨時議会に提案決定いたしました。改正の要点は次の通りであります。
従来の税務委員会を廃止し総務に併せ総務財政委員会となった。新たに文教保安委員会を設け従来通り八委員会となった。
委員会構成員数は従来7名宛てであったが今回の解しえで総務財政土木委員会は9名に増員された。

◎常任委員の改選
1月17日閉会中に各常任員より議長宛辞表提出により18日本会議に於いて選考委員を挙げて選考の結果決定いたしました。各常任委員会の正副委員長は次の通りであります。

1. 総務財政委員会(9名)
委員長 山田金吾
副委員長 長谷川盛男

2. 厚生委員会(7名)
委員長 常盤宗作
副委員長 斎藤健治

3. 衛生委員会(7名) 委員長 芝田幸太郎
  副委員長 鳥居一好

4. 土木委員会(9名)
委員長 川口清俊
副委員長 羽切松雄

5. 農産委員会(7名)
委員長 三浦三郎
副委員長 漆畑一江

6. 商工委員会(7名)
委員長 時田義次
副委員長 遠藤仙作

7. 水道委員会(7名)
委員長 影山辰男
副委員長 佐野喜郎

8. 文教保安委員会(7名)
委員長 佐野恵温
副委員長 佐野晴雄

◎議会選出教育委員改選
議会選出教育委員小林伴三辞職決定の報告教育委員会より受理に伴い18日議会に於いて選挙の結果次の通り決定しました。
富士市議会議員 時田恒弥(議会事務局)