広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和30年 12月22日発行 内容

年末に当たって

 昭和30年も旬日の中に終わりとなります。今年は豪雨による災害はありましたが?々おきた台風も殆ど当市には被害がなく近年にない豊作を迎えられたことは喜びに耐えません。これに引かえ経済状況はデフレ政策の下に実に苦難の年でありました。そのため市の財政にも影響を及ぼし、諸事業の遂行も思うに任せず、実に苦しい一年でございました。
 御承知の如く10月13日は市役所も旧中学校跡に移転し、新庁舎で事務能率の向上と共に体力を養って、より良く明るい役所にしたいと職員一同大いに張り切って居ます。この上共市政の円滑なる運営のために御協力下さるよう御願いします。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・富士市役所庁舎

根田水源第一号井竣工

 富士市上水道の水源である、根田水源第一号井のさく井工事は、本年7月1日着手工事順調に工を進め、去る11月30日竣工した。この第一号井は第二号井(未工)とともに四方市民に給水しようとするものである。
 昼夜二日間に亘る連続揚水試験の結果は一昼夜2万3,500石の揚水に成功したことは、上水道布設計画の根源である水源が確立したことであって、誠に慶びにたえない所である。
 明31年度は政府融資の獲得に努め、全市給水の早期完成を期せんとするものである。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・写真は根田水源1号井

国勢調査集計結果

 富士市人口41,331人 5年間に2,642人増
 去る10月1日行われた、昭和30年国勢調査の結果を鋭意集計中でありましたが11月25日最終的集計が綴りました。
 集計結果をみますと、昭和25年国勢調査人口38,689人(旧三町村分)昭和30年調査では41331人と5年間に2,642人の増となっております。男女別人口では昭和25年国勢調査では女が377人増であったのが昭和30年調査では僅かに141人増と、女子人口は依然として男子人口に比して増となっております。
 就業状況では製造業(工業)に従事する者6,068人で就業者人口に対して37%をしめて第一位となり、第二位が農業従事者4,216人25.6%、第三位卸売及び小売業(商業)第四位サービス業の順になっております。

1.総世帯数 7,579世帯

2.人口 41,331人
男女別
男 20,595人
女 20,736人

3.就業状況
‐ 図表あり ‐

4.産業大分類別人口
‐ 図表あり ‐

5.住宅の種類別人口
‐ 図表あり ‐

普通30周年 普選10周年に際して

 富士市選挙管理委員会
 富士市公明選挙推進連盟
 今年は日本に普通選挙が布かれて30周年、婦人が参政権を獲得してから10周年に当ります。政府では11月15日に、天皇・皇后両陛下の御臨場を仰いで、記念式典を催しましたし、民間でも、各地で記念の行事が挙行されて・「ます。
 日本に始めて選挙法が施行されたのは明治22年でありましたが、当時の選挙権には、男でなければならない、直接国税10円以上を1ヶ年以上納めているもの(所得税は3年以上)でなければならない、25才以上でなければならない、1年以上当該府県に本籍を定め、且居住していなければならない、というような制限がありましたのを、大正14年に、始めて納税資格の制限を取り除かれ、男子であれば年令と住所の外何の制限もなくなりました。これを普通選挙と申しています。
 婦人の参政権は、これも長い間の問題であり、その運動も長い間行われましたけれど、遂に実現に至らなかったのが、終戦直後一気に選挙権の年令引下げと共に、男子と同じ条件で婦人の選挙権も認められたのであります。ですから日本の有権者の数は
 最初(明治22年)約45万人
 普通が実施されて(大正14年) 約1,240万人
 婦選が実施されて(昭和20年)約3,700万人
 というように著しい増加を見たのであります。
 選挙権が与えられたということは、参政権が与えられたということであります。選挙権は
 主権者たる国民の基本的権利であり、選挙は民主政治の基盤であります。国民は選挙によって国会議員を選び、政府を決定します。かくて国民はこれ等代表者を通じて日本の国民に参与するのであります。それ故日本の政治に参与するのであります。それ故日本の政治が堕落するとか、よい政治が行われないで、国力は伸びず、国民は幸福にならない、というのであるならば、それは選挙する者の責任であります。それだから選挙は公明でなければならないと叫ばれるわけで、有権者の自覚によってのみ、正しく明るい選挙が行われ、その結果として正しく明るい政  今年普通30周年、婦選10周年を迎えるに当たりまして、我々国民は大いに反省し、大いに考えて、我々の権利でもあり義務でもある所の選挙を、棄権したり又情実にとらわれたり、人の言葉に動かされたりすることなく、自己の信念によって立派な選挙を行うようにしなければならないと思うのであります。
 普選や婦選が実施されても、有権者が堕落するならば、寧ろ普通も婦選挙も実施されない方が却って国民は幸福になるかもしれません。
 それだから叫びます
 公明選挙!!
 公明選挙!