広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和30年 8月25日発行 内容

特集 議会常任委員会 行政視察報告

総務委員会
視察月日 5月9日、10日
委員 梅戸、鳥居、山田、漆畑
課長 広瀬、議会事務局、友高
視察地 群馬県伊勢崎市

◎視察概要
伊勢崎市一般行政
沿革及地勢状況
 伊勢崎市は両毛線(東北線小山ー高崎線前橋間)中有数の工業都市であり、昭和15年伊勢崎町、殖蓮村、茂呂村、三ケ町村合併して伊勢崎市政を施行、尚本年1月10日三郷村、3月25日豊受村、名和村、宮郷村を夫々合併し、現在戸数16,005戸、人口85,876人、面積65、4平方キロメートルを有し、特産物に伊勢崎銘仙を産することで有名であるが、これは主として家庭工業に依り生産される処であり、大企業大工場等は見えない。従って非常に地味であり産業そのものは華々しくはないが、総て農閉期に於いて賃織りを以って生産せられるの 役所事務機構について
(1)去る4月13日改選により市長(新人)当選し、機構についても今後改正さられる処と聞くが現在の機構は次の通りである。
総務課 商工課 社会課 土木課 水道課 税務課 会計課 農務課
(2)事務処理状況
 1 支払等については各所管課に於いて支出調書を作製総務課経由決済
 2 助役、課長の専任事項は現在の処定めてないが、近く研究実現する
 3 超勤は支給方法が非常に不自然であり今後改正の要があるが、現在は月額として平均(超勤の有無にかかわらず)割当支給

その他
(1)納税組合等の助成について
1納税組合設立に意を用い育成に努力して居り、納税成績は良好助成金は組合員に限り納付期限迄に納付したものにつき金額の100分の5を交付
2特別徴収についても同様 100分の5である
3特別徴収交付金について労組等の攻勢は無い
4特別徴収金額は市民税総額4,800万円に対し1,490万円で約31%である
(2)公営住宅関係
公営住宅については年々建設し、本年度も36戸を予定して居るが起債補助金の枠が少なく計画通り進まない。
(3)商工関係の助成について
産業経済費2,0546,000円中商工費9,300,000円であり、その殆どである9,280,000円が補助負担金、交付金である。
(4)国民健康保険の状況について
従来市に於いては実施して居ない。今回合併した三ケ村に実施して居り今後の運営については具体的に未だ考えて居ない。

議会関係行政
 伊勢崎市においては4月改選後審議会は招集されず、正副議長の選任も終わっていない実状であり、前議会の議会運営及び委員会構成、議員報酬並びに費用弁償等については主として調査し説明を聴取したいがその内容は左の通りである。
 議会運営については当市と大した差異は認められない。即ち提出議案の内絶対的多数は原案通り議決されている。それについては事前に提出を予想されている案件について委員会協議会という名称にて当局と調整し合い議会に提案されている現状である。又議会の最重要任務である当初予算については、事前に当局と議会とある程度大網を連絡試合い本会議に提出し、款別に区分し、当市の如く担当委員会に附託して細部に亘り審議して後採決をしている。
 委員会構成については後記の如くであるが、相当当市と異なった点が見受けられた。その点については伊勢崎市議会事務局長に質問し大要左の如き説明を得た。
 委員会は議会では重要視しており委員会重要主義とも言える。よって当市では委員会数は成可く少なくした方がよいということで六委員会である。總務財政委員会について總務関係は支出面、財務関係については税収入面が主たる仕事であるのでその両面を委員には精通されていていただく方が市の財政上好都合であるので、總務財政委員会で總務課関係と税務課関係を担任している。社会委員会は伊勢崎市は課設置が社会課にて、衛生、厚生の両関係の事務を担当しているので、委員会も社会委員会として設置してある。
 経済委員会については市の発展は農業と商工業は相反して期せられるではないかとの見地より市役所の課は農務、商工の両課が設置されているが議会は経済委員会としてある。
 文教委員会については教育委員会との関係があり、文教委員会は単に予算の教育費の審議をするだけがその任務の任があるので伊勢崎市でもその存廃について審議会においては相当論議の対照となるであろう。又委員会重点主義で議会運営をなすと議会より付託されない事項で委員会が会議を行った時議員がそれらの問題について熟知したいという場合その点は如何にするかという点については適宜全員協議会を開き委員長より報告しているとのことである。
伊勢崎市委員会 富士市該当委員会
總務財政委員会 総務、税務委員会
文教委員会 総務委員会
社会委員会 厚生、衛生委員会
経済委員会 農産、商工委員会
建設委員会 土木委員会
水道委員会 水道委員会

議員報酬及費用弁償については、報酬は議員一人月4,000円、費用弁償については支給していないとの事である但し研修費として一人月4000円の支給しているとの事である。
以上の如く伊勢崎市議会の概要を記したが、議会運営は議員各自の見解の結集にあるので各位の当市議会の運営に対し少しでも参考となることが出来れば幸甚の至りです。

視察後における感想
 両毛線伊勢崎駅に降りた瞬間に感じたことは、街に活気がないということであった。駅前通りも曲がった街路であり寂れた田舎町を連想させた。
 然し足利、桐生、伊勢崎、前橋をつなぐ街道は繁華であった。特に目を引いたものはネオンの街路灯に町名を入れてあることであった。市役所は昭和15年市制施行直後建設されたと聞き、当時4万余の人口にも不拘規模構想が雄大であって、現在8万余の人口を有する役所としてさして狭隘を感じないことと水道事業の規模と思い切った工事施工状況には敬意を表したい。但し斬る事業のために昭和29年度に於いて3,500万円の財源繰上充用をしてあることは健全財政の上からみれば非常に危険なことであり、起債申請等事務処理上障害となり大いに戒心す  役所内事務機構にしても、議会運営の点についても本市と大差はないが、事務処理状況等に於いて学ぶ点はなかった。殊に超過勤務手当を平均割に支給して居る点は実に不合理であり能率向上には効果がないと思った。



商工委員会
視察月日 5月16日、17日
委員 時田(恵)、芝田、佐野(喜)
課長 落合
視察地 愛知県岡崎市
    磐田郡二俣町

◎視察概要
岡崎市商工行政
 同市は最近九ケ町村合併して人口15万有余の市となる。重要産物としては、ガラ紡と石材が主である。
 当市にある日本紡績会社の誘致の出来た主なる原因は、思想的によく良水が豊富であり、電力の供給がよかった等の点である。
 昭和30年度の予算総額は8億円位にて商工関係は638万円位である。同市は駅と市街地とが相当の距離があり、駅前が非常に淋しき感あり、之は先輩有志が国鉄誘致を回避した結果とかにて現在に於いては居るとの事尚市街は戦災に遭い最近漸く近代的建築が出来つつある状態であります。
 観光協会は現在市役所内に置いてあるが、従来は商工会議所にて、観光施設等を行って参りましたが、余り芳ばしからず市より補助金を交付して其の進展を図って来た。商工会議所に対しては、昭和29年度35万円、30年度に於いては20万円の予算である。商工課の人員は30名で公設市場にも関係している。
 市場は三ヶ所にて日用品を主として扱って居り、場内に76の店舗がある。今後の観光面に関する方針としては、岡崎市に成可く多くの人を誘致したいと考え、煙火を打ち揚げる等の行事を盛大にし、競艇についても郡市、半田市等と共催にて考慮している。競輪競馬については、競輪は豊橋市を借りて実施(組合組織)しており、競輪は豊橋市を借りて実施(組合組織)しており競馬は名古屋競馬場を借りて行う等税外収入にも力をそそいでいる。

二俣町観光行政
 同町には二俣観光協会と天竜観光協会とがあって連繁して居る。昭和29年度補助金を得て施設を整備し鳥羽山公園の施設拡充を行いたるにより現地の視察をなす
一、応援道路の増設延長
二、展望台(鉄骨やぐら)設置
三、野外劇場(コンクリート造り)
四、便所の増設
五、休憩所の新設
以上の実施と既設の簡易宿泊所(山の家)1棟、バンガロー5戸、井戸一ケ所、野外炊事場一ケ所、街灯施設30灯等の設置にて一応公園の基礎をなしている。
 町民全員が会員と成って居り、特別に業者より10万円位出して貰う予定が思う様に行かない。
 天竜観光協会は主として観光の行政面に重点を置いている。県有の船2隻あるが管理に非常に困難を感じているとのこと。煙ひの打揚げ等の行事を盛んにして大いに客を誘致したいと語っていた。



土木委員会
視察月日 5月9日、10日
委員 川口、小林、影山、遠藤
課長 佐野
視察地 群馬県伊勢崎市

◎視察概要
伊勢崎土木行政
市政施行年月日 昭和15年9月13日
面積 6,540平方キロメートル(昭和30年3月25日吸収合併のため増大)
3,024平方キロメートル(富士市)
人口 85,876人(合併前 57,356人)
41,381人(富士市)
市役所関係吏員数
548人(合併直後につき一応旧村部の者其の吸収、市民156人につき一人の割)
158人(富士市)
土木関係吏員数
27人(建築水道関係及工夫運転手共、市民3,658人につき一人の割)
23人(富士市)
◎都市計画の現況及区画整理の施行
 方針と市計画の認定は昭和19年に受けたるも(富士市は昭和10年6月22日)実際の事業に着手したるは27年度より着手したが、極く一部の街路を施工したるに過ぎず結局潰地の交渉、家屋の移転等の交渉が困難のため今後の方針は区画整理により街路網の整備を行う方針を取りたいとの意見であった。随而此れが基本計画を行うために現況測量も昨年度より開始して現在約100万坪程度完了しておる。
 区画整理は本年度より駅前の拡幅を鉄道関係、建設省関係、県及市の四者協同にて実施する予定である。整理地域の面積は約6,000平方メートルを3ヵ年計画にて完了の予定である。
 以上一般土木行政としては現在迄には何等持筆大書すべきものはないが、市内の幹線街路に類するものは大体簡易舗装ではあるが殆ど施行済みの模様であるが簡易舗装のため富士市の本町通りとどう用地盤軟弱の箇所は破損凹みの箇所は至る処に見られておる。
 用地関係に付いては現在市価のためには固定資産税の評価価額を基準として押さえておる。大体市役所附近で坪6,000円とのこと(宅地、市の繁華街)農地としては最高坪750円が現在迄の所であるが、過小残地の特別の残地補償をしないからかかる所は買入価額の10%迄は上げても良いことに条例を以って定めておる。或は農家の庭先を取られて営農が成り立たないという様な場合は買入価額の50%迄を加算出来ることになっておるとのことである。
◎下水道の施設状況
 街路側溝の整備は一応出来ておるも平時の流水は所に依っては充分でない所も見受けられ、塵埃の戴積しておる様な所もある。当市のものと比較して割合に断面が大きく取ってある様に見受けられ、豪雨等の場合は相当役立つことと思われる。

富士市社会福祉協議会の目的及び事業の概要について

◎目的
 本会は富士市に於ける社会事業関係者及び社会福祉に関心をもつ地域居住者が相協力して地域社会福祉の増進を図ることを目的としています。
◎事業の概要
(1)青少年福祉対策推進
(2)ヒロポン禍徹底撲滅
(3)結婚簡素化啓蒙
(4)国民健康保険実施促進
(5)世帯更正運動推進
(6)法外援護対策

◎8月以降実施予定表
8月 理事会
としよりの日の行事打合
児童福祉に関する研修
長期欠席児童対策
9月 理事会
共同募金運動打合せ会
社会浄化運動
敬老会、巡回映画
婦人部会
道義高揚犯罪未然防止運動

10月
理事会
文化の日諸行事打合
国民たすけあい運動
共同募金運動
青少年保護育成月間
全国社会事業大会

11月 理事会
歳末同情運動
振興地区としての回顧反省
文化の日表彰(社会福祉関係善行優良児)

12月 理事会
青少年不良・サ防止運動
明るい越年運動
歳末同情物資配分慰問

1月 理事会
共同募金歳末実施報告
民生児童委員啓発

2月 理事会
昭和卅1年度事業計画予算樹立
生活改善委員会
学生対策(卒業者就職児童のたのしみ会)
会計監査

3月 理事会(次年度事業計画審議)
社会福祉協議会活動の回顧反省
本年度総会開催(厚生課)