広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和30年 5月1日発行 内容

昭和30年度予算立案に当たって

富士市長 遠藤脩治

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・予算説明を終わった遠藤市長の横顔

 昭和30年3月定例市議会は3月11日招集せられ1月定例市議会に於いて総務委員会付託となった9件目並びに新たに提案せられた29議案原案通り可決したが昭和30年度予算案について大要次のように市長から説明があった(総務課)

 昭和30年度入歳出予算は2億362万円余で29年度当初予算に比較いたしますと実に6,119万5,300円の減額でありまして各位には合併市政施行によって新市施政に対する大きな希望を持って居られた折柄第二年目に於けるこの現実に対して、その余りにも消極的であるとの御批判は推測に難くない所であります。
 而し市政執行者としてこの予算立案者たる私の苦衷は更に大なるもおが有ります。今年度2億300余万円の当初予算立案に当り私の率直なる心境を申し上げますならば飽くまで新市建設5ヶ年計画に沿って積極的に施策を強行すべきか飜って市財政の現状より消極的な非難は有っても健全財政の線を確保して施策を遂行すべきかの重大なる岐路に立ったのであります。
 即ち新市建設5ヶ年計画を強行する為には先ず之に必要な財源を何によって求むるか諸経費の節約は勿論国、県の補助金の増額起債の大巾獲得以外には道はないのであります。然し作ら御承知の通り国の1兆円予算という緊縮製作の堅持は到底市の希望を満たすことは不可能と申し上げても過言ではありません、慈に最後の手段として市税の増徴による以外に道はないのであります。然し作ら現下財界不振の際市民に対し更にこれ以上の税負担を賦課する事は到底私の忍ぶ能わざる処であります。引いては生涯意欲の減退の余儀なくされ市債の増加は市財政の破たん  次に本年度予算の財源たる歳入について申上げます。
 財源の根幹たる市税は1億2,900余万円でありまして総歳入の63.4%を占めて居ります。昨29年度に比較致しますると1600万円余の減収であります。これは過般御説明申し上げました通り地方税法の改正による県民税の新設或は大規模工場指定による固定資産税の県移譲、更に財界不況による法人税の減収等に起因するものでありまして僅かに電気ガス税の増収を見込むに過ぎない状態であります。その他税外収入は予算総額の36.6%を占め7,400万円余になって居ります。これを29年度予算に比較致しますと、これ又大巾な減収となって  歳出面について申上ぐるならば歳出全般を通じ経常費については努めて冗費を切りつめこれを事業面に振り向けるべく考慮致した積りであります。屡々私が申し上げます通り事業面については飽くまで大局的見地に立ち特定の面を軽視するが如き考えは毛頭御座いません然し限られた財源をもってこれを適切有効に、而かも能率的に運営するに当たっては結局忍び得ざる節約さえもこれを忍ぶ己むなき結果に陥入ったものも多々あります。即ち市庁舎の建設、消防自動車の購入、岩松小学校改築、富士中講堂、公営住宅の建設、火葬場の敷地買収等一応当初予算に計  而して既に申し上げました如く私は本年度は新市建設の基盤を確立すべき年度であると考え、この線に沿って重点的に事業を推進すべくこれを予算化いたしました。
 先ず第一に土木費については主幹道路、都市計画の推進、区割整理の実施等を取り上げこれに伴うダンプカーの購入も予算化し昨年度と略同額の3,800万円余を計上いたしました、教育費については昨年度に比して大巾な減額を余儀なく致しましたが決して教育面を軽視した考えはないのでありましてこれが予算化に当りましては継続事業を先ず取り上げ富士中第三期工事、田子浦小学校新築工事の完成を第一として予算化致しました更に土木費に次いで私が重点的に取り上げた事業は上水道事業でありまして緊縮財源の中から1,500万円の繰出しを計上い 次に社会労仂施設費についても政府の住宅建設推進の確定を俟って補助金記載等による財源確保の見透しが得らるるならば直ちに予算化し実施に移すことに躊躇するものではありません。予め政府の指示を待つまでもなく万難を拝して割当獲得に努力を払ふ覚悟であります。農業関係については園芸試験場分譲設置も本年度より計画予算化し
商工関係については商工会議所中の職業相談所等の重要性に鑑み全国各々市補助率をはるかに上廻る補助金を計上しその育成を計っております。
 以上本年度の歳入歳出予算編成について申し述べましたが年度内に不測の障害事態の発生を見ない限りは健全財政の範疇を傷けずに施策を遂行し得るであろうことは確信が持てると存ずる次第であります。
 而し総ては議員諸賢並に全市民各位の理解ある協力に俟って市政を円滑に進めたいと願っております。以上をもちまして予算案に対する説明の大要を終わりますが最後に申し上げたい事は当初予算は一応現在市財政の確実なる見透しの下に立案致しましたが決して私はこれをもって満足するものではありません。補助機関たる吏員が市民の公僕として一致協力市民各位の絶大なる愛市の念に応え納税の方税を期すると共に他方国県に対しては合併後の市財政の現状を率直に披露し、その増額を懇請する覚悟であります。
 更に私の意を強くする点は政府に於ける地方債に対する考え方の転向であります。従来地方債の在り方については地方財源の不足を補てんするに在ったのでありますがこれは結局貧困地方財政を更に公債費の重課のため財政窮之に拍車をかける事態を生じたのに鑑み近年漸定この方針は改められ財源補充の為ではなく事業に重点をおくべきであるとの考え方が認識され来った事であります。従いまして幸い当市の財政力により考えますれば尚相当の余裕がある事は事実であります。以上各般の情勢に即応して適切なる方策を講じ大巾な税外財源を獲得し水道、と場、  是とても私一人の微力をもって如何ともなし得ないものであります。要は義解に於ける賢明なる各位の御支援御鞭撻を力に自ら馬に鞭打つ外ないので御座いますと共に、市民各位の理解ある御協力を御願いする次第であります。

納税組合をつくりませう

議会だより

前号(1月15日)附広報ふじにおいて新議会成立正副議長決定までを御知らせいたしましたので、その後の議会の動静を申し上げます、昭和30年を迎え1月24日臨時議会が招集せられ全員出席午前9時より開会、会期は当日1日と決定いたしました、先ず議会常任委員のメンバーも確定し互選により正副委員長の選任も終了いたしました、次いで報告議案4件、決算、決定7件、一般議案富士市議会委員会条例制定について外15議案の上程を見、左記の通り一部総務委員会附託とし閉会中・ノ審議を続行する事を議決し他議案は原案通り承認又は議決を終了し
◆附託議案(総務委員会附託)
一、富士市議会委員会条例制定について
一、富士市職員等の旅費支給条例制定について
一、昭和28年度町立富士中央病院特別会計決算認定外6件
尚1月臨時議会終了後新たに常任委員会が構成されましたので各担当部門の認識を必要とするため左記の通り常任委員会を開催した。
1月27日 総務委員会
1月28日 衛生委員会、商工委員会
1月29日 水道委員会
1月31日 農産委員会
2月4日 土木委員会
2月5日 税務委員会、厚生委員会

◆全員協議会開催
日時 昭和30年2月25日午後1時
場所 市役所会議室
かねて議員各位の要望もあり定例議会に提出される昭和31年度富士市予算編成に対する市長の編成大綱を聴取し、田子浦小学校不要後者払下、岩松幼稚園の新築について、前田新田上水道完成、県スポーツ祭協議種目内定、富士中、田子小、招魂社(仮称)の専門委員選任等につき報告諒解を求めた。

◆3月定例市議会
3月定例市議会は3月31日招集せられ昭和30年度予算案を初め重要議案審議の関係上会期を18日まで8日間と決定議案審議の関係上会期を18日まで8日間と決定議案審議に入った先ず前議会において附託された9議案について総務委員長より報告採決の結果原案通り可決又は認定を決定いたしました。ついで議第17号より45号まで順次上提左記議案を委員会附託として11日の本会議を終了17日まで休会に入った。

◆付託議案
一、富士市公民館条例制定について
一、富士市公民館使用条例制定について、総務委員会付託
一、富士市営住宅管理条例制定について、厚生委員会付託
一、市税減免について、税務委員会付託、
一、昭和29年度富士市歳入歳出追加更正予算、関係各委員会付託
一、昭和29年度富士市水道事業特別会計追加更正予算、水道委員会付託
一、昭和30年度市立中央病院特別会計歳入歳出予算、衛生委員会付託
一、昭和30年度富士市水道事業特別会計歳入歳出予算、水道委員会付託
一、昭和30年度富士市公益質屋特別会計歳入歳出予算、厚生委員会付託
一、昭和30年度住民税整理資金特別会計歳入歳出予算、税務委員会付託
以上付託議案について左記の通り12日より17日まで連日常任委員会を開催し慎重審議が行われました。

◆休会中の常任委員会日程
3月12日 衛生委員会
3月13日 厚生委員会
3月14日 土木委員会
3月15日 水道委員会、農業委員会
3月16日 商工委員会、税務委員会
3月17日 総務委員会
以上各委員会に付託された議案の審議を終了し3月18日午前9時より本会議を開催し各委員長より付託議案審議について委員会の報告あり採決の結果全議案を原案通り可決確定をいたし、3月定例議会は閉会となりました。茲に一応昭和29年度関係議決は全部完了いたしました。尚3月11日本会議において昭和30年度一般会計歳入歳出予算上堤に先だち、遠藤市長は30年度予算に伴う施政方針について別掲の如き演説を行い、関係議案の説明後一般質問に入り、更に一般質問は18日の本会議に続行されました。予算の内容につきましては紙面の都合を見て

塵も積もれば!

富士市内を流れている河川は、沢山あるが、海岸へ近づく附近を覗いてみると、ごみがつかえて水通りが極めて悪い。春の掘干に相当の人手を掛けて河川の底ざらいと、清掃を行っても10日も経たない内に又塵の堰ができてしまう。炭俵に詰めた塵介、電球の古物、犬猫の死体等々実に閉口の限りである。塵取い一杯のごみ位は、私一人位はと、川に投入する事がこの大きな原因です。法律では「何人も河川、運河、潮沼、其の他の公共の水域にごみ又はふん尿を捨ててはならない」と規定された更にに又「公共の利益に反して前記の行為をした者は3万円以下の罰