広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和30年 1月15日発行 内容

知事選挙について(富士市選挙管理委員会)

 静岡県知事の繰上選挙が来る2月1日執行されることになりました。
 補充選挙人名簿が左記によって調製せられますから、新しく権利を生ぜられた方や基本選挙人名簿にもれて居る方は期間中に補充選挙人名簿登録申請をして下さい。


名簿調製現在期日 1月14日
登録申請期間 1月14日から1月19日まで
調製期間 1月19日から1月23日まで
縦覧期間 1月23日から1月27日まで
異議の決定期日 1月29日
名簿確定期日 1月30日
右によって新たに登録申請書を提出しなければならない者は次の二つの要件を併せて有している者です。
◎年令要件
昭和9年12月21日以前に出生された方は基本名簿に登載されて入る筈ですから、昭和9年12月22日以降昭和10年1月15日までの間に出生せられた人

◎住所要件
 年令満20才以上方で昭和29年6月16日以前より当市に住所を有して居られた方は、基本選挙人名簿に登載されて入る筈ですから昭和29年6月17日から昭和29年10月15日までの間に当市に住所を有するようになった人
 一応右の人達が新しく権利を得られたことになりますがこの外、基本選挙人名簿に登載される権利があり登載洩れになって居る人も該当いたしますから、期間中に基本選挙人名簿を閲覧せられて確かめて下さい。

市議選を反りみて

 昭和29年11月2日予ねて議題の中心であった特別市議の総辞職が極めて円満裡に行われた。
 さあ選挙だ!と我々選管職員は一様に張り切った補充選挙人名簿を調製して有権者を一人も洩らすまいとする一方、住所の移動等による失格者が投票することのないような措置を講ぜねばならない。
 事務手続等は規定に従って執行するので簡単だが、一番困るのは選挙運動です。県や国の選挙になれば市の選管は一応客観的な立場にあるので多少気楽な処もありますが地元の選挙については、全責任を背負はねばならないので大変です。候補者は素より運動員も最小の経費で最大の効果を狙はねばならない。然も合法的でなければならないことに悩みがある。そこで38候補の選挙事務所からひっきりなしに電話がかかって来てその応答に1人や2人では間に合わない時が多い、平素考えれば充分理解できることでも選挙運動期間中は判らないものです。職員も極

富士市の水道

 水道の必要性は改めてゆうまでもない、健康にして文化的な生活は水道のような公衆衛生の基本的施設なくしては営むことが出来ない。水道は単に衛生上安全な飲料水を給水するに止まらず、防火上、産業の振興上から非常に重要な役割を果たしている。
 水道はかって、大都市ばかりが所有するものであるように思はれていたが、今ではあらゆる寒村僻地にも布設の熱意が高まっており、布設の終わった所では水道が安全な飲料を確保したという範囲から一歩出て、生活の合理化改善が行われ住民の福祉の増進に役立っている。
 ところで振返って我が富士市を見ると、今から340年前古郡孫太夫重政公が、新田開発以来幾星霜の間、どんな早魃のときでも飲水に事欠くことはなかった加島郷であったが、近代企業の発展と共に戸口は稠密となり、殊に工業用水の尨犬なる地下水の揚水は、必然的に浅井の涸渇を招き、或は用水路も汚染の度を加へるに至った。
 欺くして今から20余年前岩松地区には各所に簡易水道の布設を見るに至ったが、昭和の中期日本軽金属株式会社が蒲原水力発電の為富士川上流に於いて、本流の殆ど全量ともいうべき取水は、著しく地下水の低下を招来し、かっては水騒動さへ煮起した。
 最近市内の各地に簡易水道の布設を見るに至ったが、それは市域の極く小部分を満たすに過ぎないものである。そこで富士市の発足に当り、全地域を総合した水道布設事業が、所謂富士市建設5ヵ年計画の内、最も緊急を要する施設として挙げられており、昭和30年度から着工の予定を以って目下諸般の計画準備を進めている。
 この内岩松地区については、旧岩松村当時岩本片平山の湯沢湧水を第一水源とし、既設簡易水道を補給水源とする布設計画が確立し既に着工された、それが富士市の誕生により、市営事業として移行強固なる財政基礎の下に、水源施設を始め、配水管布設の延長と着々成果を収めつつ、各方面の協力を得て、岩松上水道は昨年の暮全事業を完成し、給水を開始したのである。
 曾ては朝夕疲れた躾で数町及至十余町の道を遠しともせず、水貰いに行った事も、今は昔の物語りとなったことは誠に欣びにたへない処である。
 今その計画の概要を記して見ると

一、計画の基準
 1、給水区域 旧岩松村及柚木一円
 2、計画給水人口 5,500人
 3、給水量
  (1)1人1日当平均給水量 120立(6斗5升)
  (2)1人当最大給水量 180立(9斗9升)
  (3)1人当時間最大給水量270立(一石4斗8升)
  (4)1日最大給水量 997.2平方メートル
二、施設
 1、水源
  (1)位置 岩松片平山
  (2)湧水量 1昼夜864平方メートル
  (3)集水池 容量11.5平方メートル
 2、配水池
  (1)位置 水源地に同じ
  (2)容量 90立方メートル
 3、減菌装置 1基
 4 事業費及財源

‐ 図表あり ‐

議会の動き

 昭和29年3月31日富士市誕生に伴い4月以降議会の召集は6回に及びました。この間、町村合併促進法の規定により74人の議員をもって合併直後複雑なる市政の運営に当られ、克く市民の代表として真摯な態度をもってその職務の遂行に努力せられました事は、皆様ご承知の通りであります。偶々5月市長選挙後6月には昭和29年度予算の審議も原案通り可決を見ました。更に市政の運営も慚く正しい軌道に乗ってまいりましたので11月1日第6回市議会閉会後全議員一致の宣言書通りの理由を以って議長の下に総辞職の提出となり翌11月2日議長は全  次いで21日富士市公選第1回の議会が召集され全員登庁正副議長選挙選挙の結果議長に山田金吾氏副議長に漆畑五六氏が当選せられました。議席の決定も了りここに目出度新議員による議会は成立し第1回の議会は閉会となりました。
 新春の議会では常任委員会の構成を待って癒々本格的な活動を開始する段階になって居ります。

賀正 富士市議会 議員一同

1.時田 義次 川成島
2.梅戸一二三 平垣
3.時田 恵造 本町
4.鳥居 一好 下横割
5.佐野 喜郎 水戸島
6.羽切 松雄 宮島
7.漆畑 一江 宮島
8.八木 安一 森島
9.漆畑 五六 松岡
10.井出 徳太郎 蓼原
11.長谷川 盛男 蓼原
12.三浦 三郎 水戸島
13.遠藤 仙作 岩本
14.芝田 幸太郎 五味島
15.田辺 正美 本市場
16.佐野 晴雄 岩本
17.影山 辰男 岩・{
18.佐野 恵温 中島
19.田村 正雄 本市場
20.川口 清俊 上横割
21.土屋 昌信 蓼原
22.斎藤 健治 川成島
23.山田 金吾 平垣
24.佐藤 富士雄 松岡
25.小林 伴三 中島
26.志村 幸三 十兵衛
27.常盤 宗作 中丸
28.山中 城一 田子
29.時田 恒彌 中丸
30.飯塚 彦作 前田
(議席順)

‐ 写真あり ‐