稲の収穫を祝い翌年の豊穣を祈願する新嘗祭で、富士市の米を献上しました。田植えから献上までを振り返ります。
●新嘗祭とは
稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する古くからの行事です。日本全国で栽培された精米1升を神殿に供え、五穀豊穣を願います。
献上された米は、天皇が天神・地祇(ちぎ)(地の神)に勧め、その恩恵に感謝し、召し上がります。宮中のほか、伊勢神宮や出雲大社でも行います。
古くは陰暦11月の下の卯(う)の日に行われていましたが、明治以降は11月23日に固定されました。このため、この日は「勤労感謝の日」に制定され国民の祝日になっています。
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( 写真説明 )献上された米
●平成30年は忘れられない1年に
県の代表として米を献上した鈴木史浩さん(松岡)(写真(3))。献穀者に決まった瞬間は「私でいいのか」と不安になった一方、選ばれたからにはよい米を献上しなければと強い思いを抱いたそうです。
「この年は台風が多かったので例年以上に朝昼晩の見回りの回数をふやし、土や水の状態などを確認しました。天皇皇后両陛下に米を献納したときは、これまでの苦労が吹き飛ぶほどうれしかったですね。今回の献穀事業が無事に終えられたのは、地域の人や農家仲間が祭事の運営に協力してくれたり、参加者用の駐車場を貸してくれたりと、何でも快く引き受けてくれたおかげなので、感謝の気持ちでいっぱいです。今後は就農を決めた息子とともに、一人一人のお客さんが満足する作物をつくり続けたいです」と力強く話してくれました。
◆献穀事業の軌跡(平成30年)
4月18日 種まき祭 苗床に種をまきました
5月12日 御田植祭 献穀田を清め、田植えを行いました
9月13日 抜穂祭(ぬいぼさい) 実りに感謝を込めて稲穂を鎌で刈り取りました
10月18日 選米作業 大きさをそろえるため献上する米を選別しました
10月22日 献穀受納式 皇居で天皇皇后両陛下に献穀米を献納しました
11月23日 新嘗祭(宮中祭儀)
11月下旬 岩松地区の小・中学校へ献穀記念米の贈呈 献穀事業が行われた岩松地区の小・中学校3校へ贈呈しました
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( 写真説明 )写真(1)種まき祭
( 写真説明 )写真(2)御田植祭
( 写真説明 )写真(3)抜穂祭
( 写真説明 )写真(4)選米作業
( 写真説明 )写真(5)献穀受納式
( 写真説明 )写真(6)11月26日に行われた岩松中学校での贈呈式の様子
問い合わせ/農政課 電話 55-2781 ファクス 53-2550