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【広報ふじ平成30年】特集 戦争と平和 平和の伝え方。受け継ぎ方。

特集 戦争と平和
戦争体験者が高齢化する中、体験者はどう伝え、私たちはどう受けとめ、受け継いでいくべきか。
平和の伝え方。受け継ぎ方。

◆「富士の語り部の会」代表
橋口傑(すぐる)さん(今泉) 92歳

満州開拓青少年義勇軍の一員として満州に渡った戦争体験を、市内の小・中学校やイベントなどで語り、戦争の悲惨さや、平和の大切さについて伝えてきた。
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( 写真説明 )橋口傑さん

●「年齢には勝てない。これまでのように語りができない」

29年前、市内の戦争体験者とともに「富士の語り部(べ)の会」を立ち上げた橋口さん。これまで、市内の小・中学校などで、過酷な戦争体験を語り、戦争を知らない世代に平和の尊さについて伝えてきました。
橋口さんが本格的に語り部の活動を始めたのは67歳のとき。当時は、8月になると毎週小・中学校に行くほど頻繁に活動していました。しかし、92歳になった現在は、耳が遠くなり、足が不自由になったことから、子どもたちと会話形式で語り部をすることが難しくなり、活動回数が激減しています。会員の中には、亡くなった人や、体調の都合で語り部ができなくなる人がふえていて、会の活動も徐々に困難になってきています。
- 写真あり -
( 写真説明 )説明する橋口さん

●戦争体験者でなくても平和の大切さは伝えられる。

橋口さんは、戦争体験者の生の声を聞く機会が減っている現代人に向けて、体験者でなくても戦争を語れることを知ってほしいと話します。「戦争体験がないから語れないということはありません。ニュースなどで戦争関連の情報を見たときに、自分なりに考え頭に残す。そうすれば戦争を自分のこととして捉えられ、誰でも平和の大切さを語れるようになります」と、次世代に向けてのメッセージを話してくれました。
語り部としての活動回数が減った現在は、今の自分にできることとして、約30年間にわたる活動の資料を整理しています。どこで誰に何を語ったのかをまとめ、これからの世代に語り継ぐ手法を伝えたいと考えています。
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( 写真説明 )資料を見る橋口さん

富士中学校で語り部を務めた
◆秋山稲子(いねこ)さん(一色) 77歳

横浜大空襲のトラウマに長らく苦しんできたため、体験談を人前で語ることはなかったが、平和の大切さを伝える重要性を感じたことから、初めての平和学習を行った。
- 写真あり -
( 写真説明 )秋山稲子さん

●「語り部が減ってきている。だから、私がやらなければ」

秋山さんは、4歳で横浜大空襲を体験し、母親の実家がある富士市に避難してきました。幼少期の体験にもかかわらず、真っ赤に燃える街を逃げ回り、狭くて怖い防空壕(ごう)で戦争が終わることを祈っていた恐怖は、心から消えることはなく、今でも、救急車のサイレンやジェット機のエンジン音を聞くと胸が苦しくなると言います。
小学校教諭をしていた秋山さん。自身のつたない戦争体験は人に伝えるほどでないという思いと、トラウマに悩まされていたことから、児童に体験談を話すことは一度もありませんでした。しかし、3年前に横浜大空襲について調べ始めたことで、自身の気持ちを整理でき、さらには、語り部が高齢化している実情を知ったことから、自分たちの世代が伝えていかなければならないと、語り部になる決意をしました。
6月下旬、富士中学校の平和学習で体験談を語った秋山さん。当時の様子を伝えるため、燃える街と防空壕の絵を描き、「現在のように青く美しい空がずっと続いてほしい」と平和の大切さを訴えました。
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( 写真説明 )語りをする秋山さん

●これまで、教科書の中でしか戦争の実態を知りませんでしたが、生の声を聞いてどれだけ悲惨なことなのかわかりました。
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( 写真説明 )富士中学校3年生 楠澤悠晴(くすざわゆうせい)さん

●体験談を聞いて、戦争は絶対にしてはいけないと感じたので、私も平和の大切さを伝えられるようになりたいです。
- 写真あり -
( 写真説明 )富士中学校3年生 佐野愛心(まなみ)さん

◆皆さんも、一緒に考えてみませんか
戦争を知り、平和を考える

●2018 平和のための富士戦争展
とき/8月10〜15日 9時〜17時
※10日(金曜日)は、開会式(10時〜)後に開場。
ところ/ロゼシアター展示室
内容/実物資料や遺品、写真などの展示を通して、戦争の真実を伝える
入場料/無料
問い合わせ/「核兵器廃絶平和富士市民の会」事務局 加藤 方 電話 090-2260-9531
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( 写真説明 )展示の様子

●第8回 平和を学ぶ講座
とき/8月19日、9月2日・15日・30日、10月14日・28日、11月11日・25日 各日曜日(9月15日は土曜日) 各9時30分〜11時30分 計8回
※初回は、市内戦争遺跡バスツアー。
ところ/鷹岡まちづくりセンター2階第1会議室
内容/戦争体験者や市民講師の話を聞き、戦争の悲惨さと平和の大切さを考える
受講料/各回300円(バスツアー代は別途負担あり)
申し込み/バスツアーは8月15日(水曜日)、各講座は8月19日(日曜日)までに、電話またはファクスで土屋 方へ 電話・ファクス 71-4016

●映像資料を無料で貸し出します
平和に関するDVDやビデオ、16ミリフィルムを、市内で活動している個人や団体にお貸ししています。
タイトルや、貸出方法・期間について詳しくは、シティプロモーション課へお問い合わせください。
【市ウェブサイト】くらしと市政→市政情報→平和推進→映像資料の貸し出し
- 写真あり -
( 写真説明 )映像資料

問い合わせ/シティプロモーション課 電話 55-2700 ファクス 51-1456
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