【広報ふじ平成28年】富士市事前都市復興計画
富士市事前都市復興計画を策定しました
市は、平成26〜27年度にかけて「富士市事前都市復興計画」の策定を進めてきました。今回は、完成した計画の概要を紹介します。
富士市事前都市復興計画とは
本市では、南海トラフを震源とする巨大地震の発生により、最大規模で、死者約140人、建物の全壊約6,180棟という、甚大な被害の発生が危惧されています。
防災・減災対策はもちろんのこと、復興への取り組みも大きな課題です。このことから、発災後、迅速かつ着実に復興できるよう、あらかじめ復興の方向性や進め方などを定めた「富士市事前都市復興計画」を策定しました。
策定に当たり、学識者や市民の代表で組織する市民懇話会で話し合いを重ね、幅広く意見を取り入れました。
この計画は、復興まちづくりの方向性を示す「復興ビジョン編」と、復興の進め方を示す「復興プロセス編」で構成されています。
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(写真説明)「富士市事前都市復興計画」
復興ビジョン編
発災後の復興まちづくりの理念や目標について示したものです。
■基本理念
災害発生後も住み続けたいと思えるまちづくり
■課題ごとの目標
(1)市街地の復興 害に強い、安全・安心な市街地の早期形成を実現します
(2)住環境の復興 地域のつながりに配慮した住まいの確保など、良好な住環境の形成を実現します
(3)産業の復興 事業者の事業継続及び産業活動の早期再開を実現します
(4)復興の体制など 市民・事業者・行政の協働による復興まちづくり体制を構築します
復興プロセス編
発災後の復興の取り組みの中で、市民・事業者・行政のそれぞれの役割について、項目別に時間軸に沿って示したものです。
■復興まちづくりの流れ
地震などにより大きな被害が発生した場合、本格的な復興までには多大な時間を要するため、発災後の時間的経過に伴う4つのステップを設定し、そのときの状況に応じた復興まちづくりを進めていきます(左上図参照)。
■協働による復興まちづくりの体制
復興後、同じ被害を発生させないためにも、地域が一体となった復興まちづくりを進める必要があります。そのためには、地域住民の復興への意欲と合意形成が不可欠であり、地域の復興まちづくりの方針などを検討するための組織づくりが重要です。
平常時から各地域で、本計画を活用した講座や訓練の実施を通じて、復興まちづくりに対する理解を深め、復興の進め方などを共有することで、発災後、迅速かつ着実な復興まちづくりを進めることができます。
震災の教訓
復興まちづくりを着実に進めるためには、過去の震災の教訓を十分に生かすことが重要です。
【市街地】
津波の被害が甚大な地区で高台・内陸移転を検討した際、移転先の用地確保や住民の合意形成に多大な時間を要した
【住環境】
・仮設住宅スペースが限られたことなどにより、地域住民の住居がバラバラになり、地域コミュニティの維持が困難になった
・仮設住宅を建設した学校では、児童生徒の教育や運動の場が確保できないなど、教育環境の悪化を招いた
【産業】
・仮設商店街の設置に時間を要し、市民が生活用品を買うための店舗が不足した
・行政の復興方針が定まるまで自主再建が進まず、被災地外への工場などの移転や労働者の流出が進んだ
【復興の体制など】
・行政主導により復興計画を策定したため、住民の意向を反映しきれず、住民の不平不満が多数発生した
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(写真説明)仮設住宅を建設した学校の様子
復興まちづくりの流れ
- 図表あり -
(図表説明)発災から本格復興期までの流れ
住宅の安全性と被害想定の確認を
市民懇話会座長(常葉大学教授) 池田 浩敬(ひろたか)さん
- 写真あり -
熊本地震の被害を見ると、個々の住宅の耐震化の必要性を改めて認識させられました。今回の地震では、1回目の地震とその後の余震により、居住者があらかじめ別の場所へ避難していたときに最も大きな揺れに見舞われたため、住宅被害の甚大さに比べ、人的被害が少なかったという側面がありました。住宅は、人々の生活を支える最も大切なインフラであり、これを機に改めてご自身の住宅の安全性を確認し、必要な対策を検討していただきたいと思います。
また、備えるべきは揺れによる建物倒壊だけではなく、富士市では津波や土砂災害などによる被害も想定されています。まず、自分の住んでいる地域にどのようなリスクがあるのか、県が公表している被害想定などを確認することから始めていただきたいと思います。
【問い合わせ】
都市計画課 電話:55-2786 ファクス:51-0475
Eメール:toshikei@div.city.fuji.shizuoka.jp
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