【広報ふじ平成27年】戦争のない平和な世界を願って
戦後70年、富士市核兵器廃絶平和都市宣言30周年
戦争のない平和な世界を願って
皆さんは、市内にある「核兵器廃絶平和宣言都市」のモニュメントを目にしたことがありますか。
市は、昭和60年(1985年)に「核兵器廃絶平和都市宣言」を行いました。モニュメントは、宣言の輪が広がっていくことを願い、設置したものです。
ことしは戦後70年、そして、市が核兵器廃絶平和都市宣言を行ってから30周年の節目の年です。
改めて、平和について考えてみませんか。
【平和都市推進事業についての問い合わせ】
広報広聴課
電話:55-2700 ファクス:51-1456
Eメール:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
ご存じですか?富士市は「核兵器廃絶平和宣言都市」です
■核兵器廃絶平和都市宣言とは?
昭和20年(1945年)8月6日に広島市、8月9日には長崎市に原爆が投下されました。まちは壊滅的な被害を受け、多くの犠牲者が出ました。深い傷跡を残したまま、同年8月15日、日本は終戦を迎えました。
「悲惨な戦争を二度と繰り返してはならない」との思いで、日本は戦争放棄を誓いました。市でも、恒久平和への誓いを新たにするとともに、あらゆる国の核兵器の廃絶を願い、昭和60年(1985年)11月19日に「核兵器廃絶平和都市宣言」を行い、非核宣言自治体になりました。
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(写真説明)宣言塔(青葉通り・市庁舎南側)
■全国の状況
非核宣言自治体とは、核兵器廃絶や、非核三原則の遵守などを求める内容の自治体宣言や議会決議を行った自治体のことです。日本では、1980年代から非核宣言を行う自治体がふえ続け、現在では都道府県及び全国の市区町村1587自治体(平成27年3月1日現在)が宣言を行っています。
■核兵器廃絶平和都市宣言のあゆみ
昭和60年(1985年)9月5日、「非核平和都市宣言を求める富士市実行委員会」から、紹介議員10人の連名署を添えて、「核兵器廃絶平和都市宣言」採択の請願書(署名7万2,902人)が提出され、満場一致で採択されました。
同年11月19日、市議会11月定例会本会議において、市長提案による「核兵器廃絶平和都市宣言」が満場一致で議決されました。
また、市は、昭和61年(1986年)4月に日本非核宣言自治体協議会、平成20年(2008年)10月に平和市長会議に加盟しました。
日本非核宣言自治体協議会
昭和59年(1984年)に設立されました。非核宣言自治体が互いに手を結びあい、この地球上から核兵器が姿を消す日まで、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を世界の自治体に呼びかけ、その輪を広げるために努力するという趣旨のもと、さまざまな平和事業を行っています。
平和市長会議
反核運動を促進する世界の地方自治体で構成される国際機構です。
昭和57年(1982年)に、当時の広島市長の呼びかけにより設立されました。日本で始まり、その後世界に広まっていきました。現在、世界で160か国・地域の6,733都市(平成27年7月1日現在)が加盟しています。
【核兵器廃絶平和都市宣言】
戦争の惨禍をなくし 世界の恒久平和を実現することは 全人類の願いであり 世界で初めての被爆体験を持つ日本国民の悲願である
しかしながら 核軍備拡大競争は 依然として進み 平和に対する 深刻な脅威と 戦争の危険は後退していない
富士市は 平和憲法のもとで 平和で明るい生活を享受するため 市民憲章を制定し 市民の行動原理として培ってきている
富士市民は 戦争をなくし 真の平和を実現するための努力を明らかにし 富士山のように広く 美しく 高く たくましく 正しく生きることを悠久の理想として 非核三原則を遵守し すべての核兵器の廃絶を求めることを市民の総意とする平和都市を ここに宣言する
昭和60年11月19日 富士市
戦後70年?。今、伝えたいこと。そして、伝えていくべきこと。
「戦争で亡くなった人たちがやり残したことを自分がやる」
戦時中、少年兵に志願した佐野 幸平(こうへい)さん(比奈)
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昭和20年(1945年)、当時14歳だった私は、国民学校の高等科に在籍し、学徒動員により勤労奉仕をしていました。
ある日、陸軍の飛行機が飛んできて、空中で、わら半紙をばらまきました。拾って見てみると、赤い文字で少年兵の募集について書かれていました。当時、私は既に兄を戦争で亡くしていて、いつ自分の住む地域が攻撃されてもおかしくない状況の中、兄のため、そして国のために少年兵に志願することを決意しました。しかし、息子を戦争で亡くしている父に伝えると反対されると思い、父には内緒で志願しました。
その年の3月、沼津市へ試験を受けに行き、海軍の少年兵に4〜5人、陸軍の少年兵には私を含め3人が決まりました。
10月から、現在の埼玉県熊谷市で活動することが決まり、竹やりを使った攻撃の仕方や、手りゅう弾の扱い方などの訓練をしました。しかし、少年兵として活動することなく、8月15日、日本は終戦を迎えました。
少年兵に志願したときは、自分が打って出て戦おうと思っていましたが、戦争が終わって改めて感じることは、命があることが一番大事だということです。戦争では、兄を含め多くの人たちが命をなくしました。その人たちがやり残したことを、生き延びた自分がやらなければいけないと思いながら、これまで過ごしてきました。
時代は移り変わり、世界中でさまざまな問題が起きていますが、戦争は絶対に繰り返してはいけません。国同士が上手につき合うことで、平和な戦争になることを願っています。
「過去にあったことを忘れないために残していきたい」
戦時中の情報をまとめた田村 勝彦(かつひこ)さん(森島)
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私は、自分が生まれ育った地区のことについてもっとよく知りたいと思い、いろいろと調べていました。その中で富士南地区にあった陸軍富士飛行場について興味を持ちました。
終戦を迎えた昭和20年に生まれた私は、戦時中のことはわからないため、当時を知る住民約50人に話を聞いて回りました。中には記憶が曖昧になっている人もいて、情報が食い違う部分もありましたが、いろいろな情報をとりまとめていくうちに、事実を知ることができました。
陸軍富士飛行場は、現在の三重県伊勢市にあった明野(あけの)陸軍飛行学校の分教所として設置され、昭和19年9月から使用が開始されました。当初、幅30メートル、長さ600メートルしかなかった滑走路も、最終的には幅100メートル、長さ1,500メートルになりました。現在、滑走路の跡地には富士南中学校が建っています。
ほかにも、富士川にかかる新幹線の鉄橋の100メートルぐらい下流の左岸には防空壕があり、そこは通信本部として使われていたようです。また、練習機の事故があったことなど、当時の状況なども聞くことができました。
時間が経過するにつれ、当時を知る人が少なくなっています。過去に何があったのか、今後も忘れられてしまうことがないように、私が集めた情報を記録として残していきたいと思っています。
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(写真説明)陸軍富士飛行場
市の平和都市推進事業の取り組み
■ミニミニ原爆展の開催
平成22年から、市庁舎2階市民ホールなどで開催しています。より多くの市民に被爆の実情を知ってもらうことを目的に、広島と長崎の被爆物写真や被爆後の風景写真、被爆者の写真などのパネルを展示しています。
※ことしの開催期間は、8月3〜14日(土曜日・日曜日は除く)です。
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(写真説明)展示パネル
(写真説明)昨年のミニミニ原爆展の様子
■「平和のための富士戦争展」の後援
市は、市民団体「平和のための富士戦争展の会」が主催する「平和のための富士戦争展」の後援をしています。平和の大切さや命のとうとさについて考える場として、ロゼシアター展示室で実物資料や遺品、写真、書籍などの展示を行っています。
※ことしの開催期間は、8月11〜16日です。
- 写真あり -
(写真説明)昨年の富士戦争展の様子
■「平和を学ぶ講座」の後援
市は、市民団体「平和のための富士戦争展の会」が主催する「平和を学ぶ講座」の後援をしています。戦争の悲惨さと平和のとうとさを次世代に伝えるために、市民を対象に開催しています。
※ことしの開催日は、8月30日、9月6・13・19・27日、10月4・11日の計7回です。
■その他
そのほかにも、次のような取り組みを行い、平和に対する啓発を行っています。
◎クリアファイルの配布
「核兵器廃絶平和都市宣言」を記載したクリアファイルを作成し、市内の小学6年生に配布しています。
◎横断幕の掲示
毎年、宣言を行った11月に、市庁舎南側の青葉通りにある歩道橋に核兵器廃絶をPRする横断幕を掲示しています。
◎視聴覚資料の貸し出し
平和に関するアニメーション映画、ドキュメンタリーなどのビデオテープ、DVDなどを広報広聴課で貸し出しています。
※貸し出しをしている視聴覚資料の一覧は、市ウェブサイトをごらんください。
(くらしと市政→市政情報→平和推進→平和について考える、視聴覚資料をお貸しします)
核兵器廃絶平和都市宣言 30周年記念事業のお知らせ
◎30周年記念パネル展
とき/11月18〜29日
ところ/中央図書館1階ギャラリー
内容/宣言などに関するパネルの展示
◎30周年記念式典・映画上映会
とき/11月29日(日曜日)13時〜16時30分
ところ/ロゼシアター中ホール
内容/記念式典、映画「アオギリにたくして」の上映
入場料/無料(要入場整理券)
※詳しくは、「広報ふじ」10月5日号でお知らせする予定です。
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(写真説明)モニュメント(富士市交流プラザ)
現在の平和な日本に暮らす私たち。その日本には、忘れてはならない過去があります。この節目の年を機に、70年前の日本に何があったのか、戦争とはどういうものかを、改めて見つめ直してみませんか。
きっと、平和の大切さを知るきっかけになるはずです。
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