【広報ふじ平成26年】特集 工場夜景(3)
特集 工場夜景(3)
工場夜景の可能性
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( 写真説明 )参加者を圧倒した大興製紙株式会社の煙突
協力企業の思い
自社努力を知ってもらうきっかけに
1年半前、新聞に掲載された自社の工場夜景を見て、感銘を受けました。1枚の写真に、工場の躍動感があらわれていたのです。人が働き、工場が動いている、そのエネルギーが目に見える形で伝わってきました。
富士山が世界遺産に登録され、喜びと同時に、私たち企業がどう貢献できるのかを考えました。そこで、水や空気をいかにきれいにし、循環させるかということに、さらに努めるようになりました。
富士市には、富士山と工場が共生する独特の風景があります。その風景は、富士山の恵みと産業のつながりを見事にあらわしているとともに、環境に配慮した工場運営を行う企業の自社努力を知ってもらうきっかけになります。
また、私が感じたように、働く工場が、工場夜景として注目を浴びれば、従業員も、自分の仕事に誇りを持つことができるでしょう。
当社では、ウェブサイトにも工場夜景の写真を掲載し、私自身も、取引先の人などに、工場夜景の魅力を伝えています。
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( 写真説明 )大興製紙株式会社 代表取締役社長 等(ひとし)健次さん
( 写真説明 )特別に公開・ライトアップされた大興製紙株式会社の工場
岳南電車との共演
岳南電車は、吉原駅から岳南江尾駅まで全長9.2キロメートル、市内で唯一の私鉄ローカル線です。戦後、工場への資材を運ぶ鉄道として開通・発展し、工場で働く人々や地域の人々の「足」として、運行してきました。しかし、平成24年、長年、市の産業を支えてきた貨物部門が運行を終了し、現在、運営存続の危機に直面しています。
そのような状況の中、岳南電車を輸送以外に活用する動きが高まっています。その一つが、工場夜景との共演です。岳南電車が走る路線沿いには、数多くの工場が建ち並び、車窓から見える工場夜景に魅力を感じる人もふえています。
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( 写真説明 )富士山世界遺産登録1周年記念に、特別にライトアップされた日本製紙株式会社吉永工場のパイプラインを抜ける岳南電車(提供:富士工場夜景倶楽部)
●発信の幅が広がる
YEGの工場夜景ツアーで初めて工場夜景を見たときは感動しました。岳南電車と沿線の工場夜景を組み合わせれば、違った層の集客も見込めるはずです。また、ふだん岳南電車を利用しない市民の皆さんが乗車し、地元の電車を再認識してもらういい機会になります。
ことし、岳南電車自体が鉄道として初めて、日本夜景遺産に認定されたこともあり、今が好機です。岳南電車とほかの要素を組み合わせることで、発信の幅が広がります。工場夜景との共演は、その一つです。多くの皆さんの支援には、心から感謝しています。だからこそ、私たちも、できる限りこのまちのPRに協力したいと考えています。
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( 写真説明 )岳南電車株式会社 社長 上原 厚さん
将来の産業の担い手に聞く
●働く方々への感謝と喜び
工場の光を見ると、三交替で夜も働く現場の方々への感謝の気持ちが湧いてきます。煙突から出る水蒸気は、工場の心臓部分であるボイラーが安定して動いている証です。その工場の「ありのままの姿」に共感し、見たり、撮影したりして楽しんでくれる人がいることをうれしく思います。
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( 写真説明 )日本製紙株式会社富士工場 坂口慎太郎さん(松富町)
●身の引き締まる思いに
残業の夜や帰るとき、ふと工場を見ると、暗闇に浮かび上がるその存在感に感動しますね。「ここで働いているのだ」と誇りに思います。夜景を通じて私の働く工場を見てくれる人たちがふえたことで、より安全で環境に配慮した工場運営をしようと、一層、身の引き締まる思いになります。
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( 写真説明 )ポリプラスチックス株式会社 富士工場 平田邦紘(くにひろ)さん(宮島)
煙突、工場ー今ある素材を活用する それが、まちを発信する一つの手段
●見方を変えれば、新しい魅力に
工場夜景は、このまちを訪れた人たちの宿泊や翌日の楽しみにつなげることができ、長く滞在してもらうきっかけになります。
また、富士市は、出張で訪れるビジネスマンが多い一方、会社と宿泊施設との行き来だけになってしまっているのが現状です。その客層に、このまちをより知ってもらう切り口として、まちの特徴である工場に焦点を当てた工場夜景は、最適な素材です。
そのほか、工場夜景として工場が注目されると、そこで働く人たちが喜びや誇りを感じることができます。これは、まちの活力につながる重要な要素です。
もともとある素材も、見方を変えれば、まちを発信する新しい観光資源になります。産業が「生きている」という今の姿を切り取った「工場夜景」は、富士市の日常にあるものを、角度を変えて捉え直した、新しい魅力なのです。
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( 写真説明 )常葉大学富士キャンパス経営学部 教授 大久保あかねさん
( 写真説明 )岳南原田駅
まちに活力をもたらす新たな光に
●富士市一丸となって取り組みを
工場夜景は、「ものづくりのまち」として発展を遂げた私たちのまちを再認識し、一人一人がこのまちに誇りや愛着を持つきっかけになると考えています。
市は、工場夜景の持つ可能性を探るため、昨年度から、YEGの皆さんとともに、全国工場夜景サミットを視察しており、平成27年度には、サミットへの正式参加を予定しています。サミット参加都市の多くは、富士市と同様に、工業都市ならではの課題を抱え、観光面を含めた都市のあり方を模索しています。それらの都市と連携することで、工場夜景を観光資源だけではなく、本市の課題解決の糸口としていくことができると考えています。また、本市の工場夜景への注目度も高まり、全国的な情報発信も可能になると思います。
工場夜景は、YEGや富士工場夜景倶楽部など、市民や民間団体の皆さんの熱い思いから生まれた、可能性を秘めた原石です。磨き上げれば、このまちに活力をもたらす新たな光になります。市も、工場夜景の魅力発信に努めていきますので、企業や市民の皆さんには、より一層のご理解とご協力をお願いします。富士市一丸となって、まちを盛り上げていきましょう。
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( 写真説明 )産業経済部長 吉田和義
全国工場夜景サミット
平成23年2月、北海道室蘭市、神奈川県川崎市、三重県四日市市、福岡県北九州市の4市が連携し、「第1回全国工場夜景サミット」が開催されました。その後、平成24年11月の第3回サミットでは、山口県周南市が参加。ことし10月に周南市で開催された第5回サミットでは、兵庫県尼崎市が加わり、現在、参加都市は、6市になりました。
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( 写真説明 )全国工場夜景サミット
1枚の写真に写る工場の光、光に映し出される煙突、そこから立ち上る水蒸気ー。
富士市を支え続ける産業の息吹が今宵(こよい)も、まちを彩ります。
工場夜景ー
それは、富士市の原動力の象徴。
そして、将来を照らす“新しい灯火(ともしび)”かもしれません。
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( 写真説明 )日本製紙株式会社吉永工場(提供:富士工場夜景倶楽部)
【問い合わせ】
観光課 富士山・シティプロモーション推進室
電話:55-2958 ファクス:51-1997
※市ウェブサイト「富士じかん」もごらんください。
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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