東京ドーム約13個分…。一体何のことだと思いますか?実はこれ、「富士市公共建築物保全計画」で対象にしている公共施設の総床面積です。
これだけの公共施設を、今後、維持していくことができるのでしょうか?
- 図表あり -
(図表説明)公共施設の維持にはどのくらいの費用がかかっているの?
(図表説明)公共施設はどのくらい老朽化しているの?
◆市が保有する公共施設
これまで市は、市勢規模の拡大や住民ニーズの変化に合わせて、学校、福祉・スポーツ・文化施設など、多種多様な施設の整備を行ってきました。
現在、市が保有する公共施設は、公営企業が保有する上下水道施設、病院を除き、総延べ床面積が約77万平方メートルにもなります。
これらの公共施設は、かつては市の豊かさの象徴と考えられてきました。しかし、それが今、ふくらみ続けた風船のように、市の財政に影響を与えようとしています。
◆施設の更新費用に毎年約46億円
市が保有する公共施設のうち、別途計画がある市営住宅、プラント施設(※)などを除く252施設、59万5,000平方メートルについて、昨年度までに現状分析を行い、「富士市公共建築物保全計画」としてまとめました。
過去4年間における施設管理費は、減価償却費を含めて年間で平均約60億円です。また、施設の建てかえや更新に必要な費用として、年間で平均約30億円かかっています。
現在、公共施設の約45%が築30年以上経過しているため、建てかえや更新にかかる費用はますますふえていくことが見込まれます。
そこで、公共建築物寿命を65年と想定して試算したところ、今後、年間で約46億円、現在の約1.5倍の経費がかかることがわかりました。
※プラント施設…環境クリーンセンター、クリーンセンターききょう、中野台下水処理施設
◆今後、ますます厳しくなる財政状況
少子高齢化による社会福祉関係経費の増加や、人口減少などによる税収の減少など、財政状況は年々厳しくなることが見込まれます。
そのため、全ての公共施設を現状規模で維持していくことは、非常に困難な状況です。
◆将来世代に負担を残さないために
子や孫の世代に負担を残さないために、公共施設のあり方を改めて考え直さなければなりません。そのため、今後、市は、次の取り組みを進めていきます。
(1)建築物総量及び施設配置の適正化
建築物の劣化度、施設の利用状況などをもとに、施設の再編について検討を行います。また、新規施設が必要な場合には、既存施設の活用などについて検討します。
(2)計画的な保全による長寿命化の推進
利用度の高い施設や防災上重要な施設は、長寿命化を推進します。また、施設管理や点検の方法についてマニュアルを整備し、施設管理の質の向上を図ります。
- 図表あり -
(図表説明)公共施設はいつ、どのくらい建設されたの?
(図表説明)富士市の人口はどのように推移すると見込まれるの?