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【広報ふじ平成26年】富士の災害史

過去に学ぶ富士の災害史
第3回 冠水して泥海になった浮島沼周辺の惨状〈「浮島ヶ原開拓史」から〉

「富士の災害史」は、過去に市域が見舞われた災害を皆さんに理解して防災意識を高めていただくため、昨年3月に発行しました。
広報ふじでは、定期的に抜粋して掲載しています。

- 写真あり -
( 写真説明 )現在の浮島沼周辺
( 写真説明 )昭和6・7年ごろの水害

■万治(まんじ)3年の水害
 浮島沼と沼川で起こった洪水の被害は、大雨により増水した水が滞留し、あたり一面の低地に冠水して湖のようになり、稲などの農作物が水腐れしてしまうものでした。周辺の住居地にも水があふれ、交通が途絶え、舟による交通手段しかなくなってしまうほどでした。「浮島」という地名は、田が流される、田が浮いていることに由来しています。
 万治3年(1660年)は、まれに見る災害の多い年でした。全国各地で暴風雨が発生し、大きな被害をもたらしました。10月24日の暴風雨で沼川が氾濫して、高波によって潮水が逆流し、沼川周辺の田畑が冠水しました。さらに、川と海から運ばれる土砂によって吉原湊口(みなとぐち)(現在の田子の浦港)が塞がれ、湖のようになり、6日間も水が引きませんでした。また、吉原湊口には、強い西風で波と砂が吹き荒れ、東に向かって1,200メートルにわたる長い砂州(さす)(流水により砂が堆積してできる地形)ができました。
 今井の妙法寺から吉原宿(中吉原宿:現在の依田橋地区)の東端までは舟を使って往来し、家屋は水浸しになり、農作物は収穫できなくなりました。幕府は、吉原湊口の掘り明けのため、蒲原(かんばら)代官一色内蔵助(いっしきくらのすけ)、沼津代官野村長四郎(のむらちょうしろう)、加島代官古郡孫太夫(ふるごおりまごだゆう)の三代官に、吉原湊口の復旧工事を命じました。三代官は、村々から吉原湊口を掘り明けるための人を集め、新湊口を切り開くのに力を尽くしました。

こちら編集室

 富士山が世界遺産に登録されて、早いもので1年が経ちました。先月、その記念イベントが市内各所で盛大に行われ、改めて富士山の麓で暮らせることのすばらしさを感じました。その富士山が一望できる田子の浦港では、港について楽しく学んでもらおうと「田子の浦ポートフェスタ」がことし初開催されます。新鮮なシラスや、港からの眺望のほかにも、まだまだ私たちの知らないよさが隠されています。このイベントに参加し、田子の浦港の魅力についても再発見してみてはいかがでしょうか。(若)

人口 257,982人(前月比-91)
 男 127,512人 (-24)
 女 130,470人 (-67)
世帯 100,420世帯(+39) 6月1日現在
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