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【広報ふじ平成25年】特集 生きがいと自立のために(2)

Case2 一般企業で働く

- 写真あり -
( 写真説明 )窓のサッシを組み立てる鈴木さん
( 写真説明 )二人で作業する鈴木さんと諏訪部さん

■障害者の働く場は広がっている
 近年、障害者の社会参加が進み、企業や地域などさまざまな場で活躍する人がふえ、同時に就職を希望する人も多くなっています。
 ことしの4月から、民間企業での障害者の法定雇用率(5ページ)(※)は、これまでの1.8%から2%に引き上げられました。
 平成28年度には、雇用分野における障害者への差別の禁止や、障害者が職場で働く上での支障を改善することが義務づけられます。
 このほか、障害者を雇用するための支援制度の拡充などにより、障害者が働く場は年々拡大しています。

雇用主の声

【適材適所を見極めれば雇用できる場はあります】
不二軽窓販売株式会社
社長 前島 章則(あきのり)さん(大淵)
- 写真あり -
 約5年前、特別支援学校から生徒の職場研修をさせてほしいと依頼されたことがきっかけで障害者の雇用を始めました。
 ことしは、3人採用しました。採用までは2週間の研修を行い、その後も2、3回研修を行いました。
 当社で行う窓のサッシの組み立ては、瞬時に力を入れて部品同士をとめる作業があるのですが、とても器用に、上手に行います。また、素直なので、しっかりと説明すれば、とても正確に仕事をします。
 社内では、障害のある人が一緒に仕事をするということで、ほかの社員が優しくなり、みんなが人に対して優しく接するようになりました。
 まだ障害者雇用に踏み出していない企業の皆さんも、まず、研修をしてみてはいかがでしょうか。仕事を体験してもらい、会社で働けそうか、合う仕事は何かを判断するとよいと思います。障害者の秀でたところを生かして適材適所で雇用すれば、できる仕事はたくさんあると思います。当社では、これからも障害者の雇用をしていきたいと思っています。

働く現場の声

【先入観を捨てることが大切です】
障害のある鈴木さんとペアで仕事をしている
諏訪部 庄蔵さん(富士宮市)
- 写真あり -
 半年ほど前から、役割分担しながら二人で作業をしています。
 会う前は、障害のある人にどう接したらよいか、どう教えたらよいかと不安でした。しかし、一緒に仕事をしてみると心配はなくなりました。将くんは、仕事を覚えようという気持ちがあり、本当に一生懸命仕事に取り組んでいます。
 障害者と働く上では、自分の持っている先入観を捨てることが大切だと気づきました。固くならずに接すればよいと思います。

【難しい仕事ができたときには達成感があります】
不二軽窓販売株式会社で働く
鈴木 将(しょう)さん(大淵)
- 写真あり -
 特別支援学校の先生の勧めでこの会社の研修に参加しました。
 もともと組み立て作業が好きだったこともあり、1年半ほど前から働いています。
 入社して1年半は、窓の枠をつくる仕事を受け持ち、今は、ペアの諏訪部さんと一緒に窓のサッシの組み立てをしています。一日に組み立てるサッシは60本以上です。
 初めは、何もわからなかったので、教えてもらい覚えながら作業をしていました。今は、お客様の目線で、サッシに傷がないかなどを気にかけて作業をするようになりました。
 納期限が迫っているのに、任された仕事が終わらないときなど、プレッシャーを感じることもあります。また、サッシにはいろいろな種類があり、家の玄関のように、大きくて重く、複雑なものを組み立てることもあります。作業は難しいですが、完成したときには、達成感がありますね。
 いろいろな組み立て作業に挑戦できることが会社に行く楽しみでもあります。

◆現状を語る
【障害者雇用の需要はふえてきています】
社会福祉法人 誠信会 富士障害者就業・生活支援センターチャレンジ
センター長木村 清子(きよこ)さん
- 写真あり -
 私たちのセンターでは、富士・富士宮地域のさまざまな障害のある人に就労面と生活面での支援をしています。現在、登録者数は約700人に上ります。
近年、障害者雇用の需要はふえています。企業側から雇用の話がくることもあり、障害者の就労は、まさに今なのです。これまで諦めていた人も、もう一度、一般企業での就労を考えてほしいですね。
 しかし、需要がふえる一方で、雇用に結びつかない現状もあります。障害は個々に違うため、企業の求める人材と障害者の希望が合うことが難しいのです。
 この現状を踏まえ、障害のある人は、自分の「障害」という「弱さ」を認知することが大切です。そして、企業側は障害のある人の「弱さ」を理解し、欠けている部分を補えるよう環境を整えられるとよいですね。
障害者雇用は、もう特別なことではありません。

◆障害者にとって就労とは
【働くことは障害者が社会の一員という喜びを感じられるもの】
富士市障害者就労機能パワーアップ事業
主任コーディネーター 米永(よねなが)政文さん
- 写真あり -
 障害者にとって、福祉事業所で働くことは、「仲間がいて、できる仕事がある」と実感できるだけでなく、つくった製品を買ってもらえることで喜びを感じ、生きがいにもつながります。また、一般企業で働くことは、職場にいるほかの健常者が、障害者への理解を深め、地域の障害者に目を向けることにもつながります。いずれも障害者自身が社会の一員である幸せを感じることができるのです。
 「富士市障害者就労機能パワーアップ事業」では、「就労支援ネットワークの強化」「工賃のアップ」「企業への提案」を三本柱に、福祉事業所や一般企業への就労の支援を通して、障害者の自立をはかることを目指しています。
 福祉事業所も企業も地域とともに生きています。自主製品の販路の拡大、一般企業での就労の継続という課題はありますが、働くことを大きな意味でとらえ、障害者を一人の人として皆さんに理解してほしいですね。

障害者雇用企業訪問を行っています

 市は、毎年9月の障害者雇用支援月間に、障害者相談員を中心に、障害者を雇用している企業への訪問を行っています。
 訪問では、事業者に、雇用されている障害者の近況や要望などを聞き、障害者本人からも直接話を聞いて、今後の障害者の就労支援や雇用の拡大・促進に役立てています。
 ことしは、障害者を雇用している34社の企業を訪問し、貴重な意見をいただくとともに、雇用されている65人の障害者に会って話を聞きました。

[用語の解説]
◎法定雇用率
従業員50人以上の企業に、雇うことが義務づけられている全従業員に占める身体、知的障害者の割合。全国平均は1.76%で、富士市は1.71%(平成25年6月1日時点)

【問い合わせ】
障害福祉課
電話:55-2759 ファクス:53-0151
Eメール fu-syougai@div.city.fuji.shizuoka.jp
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
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