【広報ふじ平成25年】慢性腎臓病(CKD)を予防しよう
成人の8人に1人がかかる新たな国民病 慢性腎臓病(CKD)を予防しよう!
※CKDはChronic Kidney Diseaseの略です。
■腎臓ってどんな臓器?
背中側の腰椎(つい)の上あたりに左右1個ずつある、握り拳大のソラマメのような形をした臓器です。
〈腎臓の働き〉
◎血液をろ過し、不要なものを尿として排出
◎体内の水分やミネラルの調整
◎血圧の調整に必要なホルモンや赤血球をつくる刺激を出すホルモンをつくる
◎骨をつくるのに必要なビタミンDを活性化する
■CKD予防のための自己チェック!
下記の項目に当てはまるものがありますか?
□は主治医に相談を!△は要注意です!
□尿検査で尿たんぱくが出た
□eGFRが60未満
□体がむくむ
△たばこを吸う
△肥満気味だ
△血圧が高目だ
△塩分の多い食事が好き
※eGFRは、血液検査のクレアチニンなどから算出する、腎臓のろ過機能をあらわす数値です。
慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病(以下CKD)は、慢性的にたんぱく尿があるか、腎臓の機能が低下し正常時の60パーセント未満になった状態を言います。自覚症状はほとんどありませんが、進行するとむくみや貧血などの症状があらわれます。重症化すると、人工透析が必要な腎不全まで進行する場合があります。
また、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を発症する危険性も高くなることがわかっています。
■原因は生活習慣病
CKDの発症には、食生活や喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣との関係が大きく影響しています。生活習慣が悪いと、メタボリックシンドロームや糖尿病・高血圧などの生活習慣病になり、それらが腎機能の低下を加速させます。
■市内の患者数も増加傾向
国内のCKD患者数は、約1,330万人に上り、成人の8人に1人に当たります。
市でも、ここ数年の特定健診受診者の約3〜4%が腎臓の専門医による診療が必要と推察されています。また、CKDが原因で人工透析をする患者数も年々増加しています(左グラフ)。
- 図表あり -
(図表説明)富士市国民健康保健加入の人工透析患者数の推移
■4月から富士市CKDネットワークが始まりました
市は、人工透析や心血管疾患のもとになるCKDについて、かかりつけ医と腎臓専門医が連携して治療に当たる病診連携を軸とした「富士市CKDネットワーク」の体制を整えました。このネットワークでは、CKDの知識の普及を進めるほか、適切な医療体制を整えることによって市内の透析患者や心血管疾患の発症を減らすことを目的としています。
- 図表あり -
(図表説明)富士市CKDネットワークの仕組み
連携による温かな医療を
市立中央病院と富士市医師会は勉強会などを通し、常に情報を共有してきたこともあり、富士市にはネットワークをつくる環境が整っていました。
CKDの病状は、以前より的確に判断できるようになっています。県東部は重症のCKD患者が多い地域ですが、このネットワークにより、健康診断で異常が見つかってもかかりつけ医が速やかに専門医を紹介し、診療を受けることが可能になりました。
また、CKDは徐々に病状が変化し、長期的な経過の観察と治療が必要な病気です。かかりつけ医と専門医が連絡手帳などで診療内容を共有することで、役割に応じた治療をしていくことができます。
健康診断、かかりつけ医の診療、専門医の診療という途切れることのない仕組みで協力して治療に当たり、より温かな医療を皆さんに提供できればと期待しています。
- 写真あり -
( 写真説明 )富士市CKDネットワーク運営委員会会長の中央病院副院長兼腎内科部長 笠井健司 医師
CKDにならないために
(1)生活習慣を改善しよう!
日々の生活習慣を見直し、できることから取り組んでみましょう。
◎バランスのよい食事で肥満予防
・よくかんで腹八分目に
・主食、主菜、副菜をそろえる
・間食は食べ過ぎない(1日200キロカロリー以内)
・食事は3食規則正しく食べる
・お酒は適量に(ビール中ビン1本程度。女性や高齢者はこの半分が目安
◎減塩で高血圧を予防
・調味料はかけずにつける
・レモンや酢を利用
・汁物は具だくさんに
・めん類の汁は残す
・ハムやソーセージ、干物、練り物などを減らす
◎適度な運動をする
◎禁煙をする
◎睡眠をしっかりとる
(2)定期的に健康診断を受けよう!
CKDの早期発見には尿検査が欠かせません。また、血液検査で腎機能をチェックすることができます。
※富士市国民健康保険の特定健診では、今年度からeGFRを表記します。
必ず、定期的に健康診断を受け、自分の健康状態を知り、予防に努めましょう。
「予防でいつまでも健康な腎臓を」
【問い合わせ】
健康対策課
電話:64-8993 ファクス:64-7172
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