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【広報ふじ平成25年】富士山 世界文化遺産へ(2)

構成資産(6)〜(11)

(6)山宮浅間神社
◎遥拝(ようはい)所から富士山を望む(富士宮市山宮)
 山宮浅間神社には富士山を拝むための遥拝所があります。これは、古い富士山祭祀(さいし)の形をとどめているものと考えられています。遥拝所の周囲には溶岩礫(れき)を用いた石塁が巡っています。遥拝所内部には、祭壇や祭祀列席者の座席と考えられる石列が設けられています。
 浅間大社の社伝によれば、浅間大社の前身であるとされています。
- 写真あり -
( 写真説明 )山宮浅間神社

(7)村山浅間神社
◎修験道の中心地(富士宮市村山)
 村山は、富士山における修験道の中心地であり、明治時代まで興法寺という寺院がありました。
 鎌倉時代には、修験者により寺院が成立し、「絹本著色富士曼荼羅図」が描かれた16世紀には、修験者や道者が集まっていたと考えられています。
 近世には、村山三坊(さんぼう)が興法寺や大宮・村山口登山道などを管理しました。
- 写真あり -
( 写真説明 )村山浅間神社

(8)須山浅間神社
◎須山口登山道の起点(裾野市須山)
 須山浅間神社は須山口登山道の起点になった神社で、江戸時代の富士講をはじめ富士山頂を目指した多くの人が立ち寄った場所です。
 拝殿手前右側にある覆い屋の中の古宮(ふるみや)と呼ばれる小社(こもり)は1611年に建立されたものと考えられています。境内の樹齢400〜500年以上とされる約20本の杉の巨木が、須山浅間神社の歴史を物語っています。
- 写真あり -
( 写真説明 )須山浅間神社

(9)冨士浅間神社(須走浅間神社)
◎須走口登山道の起点(小山町須走)
 須走口登山道の起点となる神社で、富士講信者が多く立ち寄り、33回を一つの区切りとする登拝回数などの記念碑が約70基残されています。
 社伝によれば、807年に造営したと伝えられ、1707年の宝永噴火では大被害を受けましたが、1718年に再建、修理を重ね、現在に至っています。「御鎮座千二百年記念資料館」が併設されています。
- 写真あり -
( 写真説明 )冨士浅間神社

(10)人穴富士講遺跡
◎溶岩洞穴と200基を超える碑塔群(富士宮市人穴)
 人穴富士講遺跡には、溶岩洞穴「人穴」と富士講講員が建立した200基を超える碑塔などがあります。富士講の開祖とされる長谷川角行(かくぎょう)は、「人穴」にこもって修行し、この地で亡くなったとされています。「人穴」は角行の修行の地・入滅(にゅうめつ)の地として信仰を集め、先達の供養碑や記念碑などの碑塔を建立することも多く行われました。
- 写真あり -
( 写真説明 )人穴富士講遺跡

(11)白糸ノ滝
◎国の名勝及び天然記念物(富士宮市上井出)
 富士山の湧水(1日平均15〜16万立方メートル)が約120メートルにわたって噴出し、数百条の白糸が垂れているように見えます。
 富士講関連の文書によれば、長谷川角行が「人穴」での修行と合わせて水行を行った地とされ、富士講信者を中心に人々の巡礼・修行の場となりました。また、絵画で描かれるなど、景勝地としても有名です。
- 写真あり -
( 写真説明 )白糸ノ滝

富士市内にある富士山に関連する文化財を紹介

 市内には、富士山世界文化遺産登録候補の構成資産ではないものの、富士山信仰や富士登山の拠点となった歴史的文化財があります。
 中でも、田子の浦の海から望む富士山の景観は昔から有名で、海抜0メートルから富士登山をしたり、「万葉集」にも詠(うた)われたりしています。

【鈴川の富士塚】
富士登山の安全祈願をした塚(鈴川西町13)
- 写真あり -
( 写真説明 )鈴川の富士塚
 市立元吉原中学校の西約200メートルの場所に「鈴川の富士塚」と呼ばれる小高い丘があります。
 「鈴川の富士塚」は、江戸時代ごろ富士登山の前に身のけがれをはらう場であったと考えられています。登拝者は、海岸で海水を浴びて心身のけがれを落として清め、その際浜から玉石を持ってきて砂山に積み上げ、登山の安全を祈願したと伝えられています。身を清めた登山者は、この塚を起点に、旧吉原宿から富士宮市村山浅間神社に至る村山道を通り、富士山頂を目指したといいます。
 また、「鈴川の富士塚」は、江戸時代中期以降に関東地方を中心に隆盛した富士講(江戸時代半ばごろの富士山の信仰集団)によって築かれた多くの富士塚とは異なり、それ以前に築かれたものと見られます。
 現在の富士塚は、昭和51年に鈴川区が古老の記憶に従って復元したものです。

【山部赤人(やまべのあかひと)の万葉歌碑】
富士山を望む歌(ふじのくに田子の浦みなと公園)
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( 写真説明 )山部赤人の万葉歌碑
 昭和61年に田子の浦港富士埠頭(旧フェリー乗り場)に建てられたこの歌碑は、昨年3月に県が建設した「ふじのくに田子の浦みなと公園」に移設されました。南松野産出の松野石の石柱8本を富士山型に配し、奈良時代の代表的歌人である山部赤人が詠(うた)った「富士山を望む歌」を刻んでいます。

■山部宿禰(すくね)赤人 富士山を望む歌一首
天地(あめつち)の 分(わか)れし時ゆ 神(かん)さびて 高く貴き
駿河なる 富士の高嶺(ね)を
天の原 降りさけ見れば 渡る日の 影も隠らひ
照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり
時じくそ 雪は降りける 語りつぎ
言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は
■反歌
田子の浦ゆ うち出てみれば ま白にそ
富士の高嶺に 雪は降りける
(田子の浦を通って、広々としたところに出て見ると、真っ白に富士の高嶺に雪が降り積もっていることだ)

 この歌は、赤人が政府の役人として東国に赴く道すがら、田子の浦を通って仰ぎ見た富士の姿が余りにも雄大で美しく神秘的であったため、その印象を詠んだ叙景歌の最高傑作であるといわれています。

富士市内の文化財に関する問い合わせ

文化振興課
電話:55-2875 ファクス:53-0789
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