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若い世代の人口減少は、富士市にどのような影響を与えるのでしょうか。

■転出者が転入者を上回り、人口流出が顕著に
　全国的に少子化を要因とした人口減少が始まっています。
　富士市でも、平成22年に策定した「第五次富士市総合計画」の推計よりも速いスピードで人口が減少しています。
　市の人口は、平成21年12月末の26万1,690人をピークに減少が始まりました。特に、平成23年11月からは転出者が転入者を大幅に上回る状態が続き、人口の流出が顕著になっています。

■若い世代の人口減少が加速
　市の若い世代（15〜39歳）の人口は、平成23年4月は前年4月から2.1％の1,649人減、平成24年も前年から2.4％の1,882人減になり、ほかの世代よりも減少が進んでいます。
　今後の富士市を考えると、大きな不安要素になります。

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（図表説明）総人口の推移

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（ 写真説明 ）富士市都市活力再生懇話会会長など、市の審議会の委員を務める石川良文（よしふみ）さん（南山大学教授）

■人口減少は市の活力低下を引き起こす
　人口が減少すると、まず、それに応じて市内での消費が減少するため、主に商業に大きく影響します。昔からあった店はもちろん、新しく進出してきたスーパーでも売り上げが減少し、徐々に撤退していくという現象が起こるでしょう。
　店が減り、買い物ができない地域となれば、不便な生活になるため、さらに若者が市外に流出してしまいます。人口がさらに減少すれば、また店がなくなるという負の連鎖に陥ります。
　また、市全体の産業が冷え込み、税収が大きく減少することにより、住民サービスなど、これまで行っていたような施策ができなくなります。

■若者はまちの重要な人材
　富士市は、若者の人口が推計以上に減少しています。
　結婚し子どもを生む可能性を考えると、1人の若者の流出は将来の2、3人分の流出に相当します。そのため若者の人口流出は、将来の富士市の人口を大きく減少させる要因になる可能性があります。　
　また、若者は働く世代です。今後の富士市の活性化のために、産業を支える若者はなくてはならない存在です。
　一言で「若者」と言っても、高校生から働く人や若い夫妻など幅広いと思います。大切なのは、「若者」がしっかりと富士市に住んでくれることですね。

■富士市の魅力を知る
　私は、以前富士常葉大学にいて、そのころから富士市の都市計画などさまざまな審議会の委員を務めてきました。
　富士市は、まちの中心部で商業施設が撤退するなど、若者にとって魅力的な施設や店舗がないという現状があり、「富士市には魅力がない」と思っている若者が多いようですね。
　しかし、富士市には若者が気づいていない魅力がたくさんあると感じています。
　例えば、新東名や東名高速道路、鉄道網に恵まれています。新幹線の駅もあるので首都圏なども近く、日帰りで十分行けます。
　また、富士山のいろいろな恵みを受けたとてもすばらしいまちでもあります。気候は温暖で、産業が盛んでいろいろな業種があり、若者が住むにはいい条件がそろっているのではないでしょうか。
　仕事や子育てのしやすさなど、富士市で暮らしたいと思う要素は人によってさまざまだと思いますが、富士市で生活していく若者が、暮らしの中で魅力を見つけられることが大事ですね。

市内に住む若い世代に聞きました。「将来、どんな暮らしをしたいですか」。
その暮らしは、富士市でできないのでしょうか。

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（ 写真説明 ）高校2年生　鈴木里那（りな）さん（荒田島町）

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（ 写真説明 ）大学3年生　秋山和也さん（富士見台5）

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（ 写真説明 ）社会人3年目　佐野江里（えり）さん（平垣）

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（ 写真説明 ）結婚6年目　太田原（おおたはら）信貴（のぶたか）さん　康子さん（中之郷）