【広報ふじ平成24年】災害廃棄物の試験焼却 その1
復興支援へ 災害廃棄物の試験焼却
6月5日に行った災害廃棄物の試験焼却について皆さんにご報告します。
- 写真あり -
( 写真説明 )岩手県山田町の災害廃棄物仮置き場
災害廃棄物って何だろう
災害廃棄物とは、地震や津波などの災害で発生した廃棄物のことです。岩手県と宮城県では大量に発生し、復興の大きな妨げになっています。
■被災地の現状
未曾有(みぞう)の災害をもたらした東日本大震災の発生から1年以上が経過しました。
地震と津波の被害により、被災地の沿岸市町村では膨大な災害廃棄物(がれき)が発生しました。岩手県内の災害廃棄物の量は約530万トンで、これは岩手県内の一般廃棄物の約12年分に相当します。この大量の災害廃棄物は復旧・復興の大きな妨げになっています。
被災地では、災害廃棄物を一時的な「仮置き場」へ移動していますが、仮置き場をさらに確保することは地形的に難しい状況です。
また、がれきが山積みにされたままでは、火災の危険性や夏場の悪臭、ハエの発生も心配されています。
■広域処理の必要性
広域処理とは、被災地で処理しきれない災害廃棄物を、全国の自治体にある既存施設で処理することです。
岩手・宮城の両県では、既存の焼却施設に加えて仮設の焼却炉を設置し、全力で災害廃棄物の処理を行っていますが処理能力はまだ不十分です。また、コンクリートなどの廃棄物を再利用する「森の防波堤※」の建設なども推進されていますが、処理は思うように進んでいません。
被災地の一日も早い復興に向け、災害廃棄物の早急な処理が必要とされています。すでに、東京都をはじめとして、災害廃棄物の受け入れが行われています。
※森の防波堤とは、がれきを埋め立てて土盛りし、その上に津波を防ぐ森をつくろうというものです。
Q 阪神・淡路大震災のときはどうだったの?
A 兵庫県で発生した可燃性の災害廃棄物のうち、約14%が県外で焼却され、埋め立てられました。また、新潟県中越沖地震で発生した数10トンの災害廃棄物が神奈川県川崎市で処理されました。
■広域処理する災害廃棄物
広域処理する災害廃棄物は、岩手県や宮城県沿岸部のものです。
静岡県が岩手県から処理を依頼されているのは、静岡県と県内市町が支援を続けている岩手県の山田町(やまだまち)と大槌町(おおつちちょう)の災害廃棄物のうち、柱材や角材などを細かくした木材チップです。
- 図表あり -
(図表説明)福島第一原子力発電所からの距離
- 写真あり -
( 写真説明 )木材チップ
■健康に被害はないの?
国の定める広域処理の基準は、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり240〜480ベクレル以下の災害廃棄物とされています。
静岡県の基準は国よりもさらに厳しく設定し、1キログラム当たり100ベクレル以下の木材チップしか受け入れしないこととしています。
広域処理の対象になる災害廃棄物は、処理の過程で放射能濃度や放射線量の測定を繰り返し行い、健康に影響を及ぼさないという確認がされたものだけです。
可燃物を焼却すると焼却灰に放射性セシウムが濃縮されます。最も厳しい条件で評価しても、焼却灰を埋立処分した後の処分場周辺に住む人への影響は年間0.01ミリシーベルト以下です(図1)。これは一般公衆の年間線量限度1ミリシーベルトの100分の1以下です。
- 図表あり -
(図表説明)図1 日常生活と放射線の量(年間量)
Q ベクレルやシーベルトって何?
A ベクレルは放射能を表す単位で、放射性物質が放射線を出す能力を表します。一方、シーベルトは放射線量を表す単位で、放射線が人体に与える影響を表します。
災害廃棄物の試験焼却に向けて
市は、災害廃棄物の試験焼却について、地区説明会と現地視察を実施しました。
- 写真あり -
( 写真説明 )広見地区で行われた説明会
(1)地区説明会
4月に、実際の処理に準じた試験焼却の実施について、環境クリーンセンター周辺の青葉台・広見・大淵地区と、最終処分場周辺の神戸・吉永・吉永北地区、計6地区で説明会を開催しました。
説明会では、広域処理する災害廃棄物が健康へ影響を及ぼすかどうかを確認するための、さまざまなデータを得ることを目的に行う試験焼却について説明しました。環境省が作成した広域処理のビデオ映像などを見た後、静岡県が想定している試験焼却の流れ(下図)や、市での実施方法について説明を行いました。
- 図表あり -
(図表説明)試験焼却の流れ
【説明会参加者の声】
<賛成>
・富士市が最初にやるべきであったと思う
・受け入れる量については協力するなら目いっぱい協力すべきだ
・山田町は放射能汚染がされていないから大丈夫ではないか
<反対>
・がれきは被災地で処理すべきで、持ち込むべきではない
・ろ過式集塵器や電気集塵(じん)器で本当に放射性物質を除去できるのか
・焼却施設自体が老朽化している中で実施するのは不安だ
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp