コミュニティ交通だから実現できることは?
もっと身近なコミュニティ交通に育てる
■ケース1 富士南地区
〜富士地区は、みんなのバス「みなバス」がある〜
〈みなバス〉
JR新富士駅〜富士南地区〜JR富士駅を結ぶコミュニティバス。平成20年から2年間の実証運行を経て、昨年10月から本格運行を開始しました。
地区住民で協議した結果、ことし12月から一部運行内容を変更します。
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( 写真説明 ) コミュニティ交通「みなバス」
◇本格運行するも運営は難航
富士南地区は、人口1万6000人以上の市内最大の地区で、75歳以上の高齢者も1400人以上います。しかし、公共交通は路線バス1路線しかなく、高齢者を中心に暮らしの足として公共交通運行の要望が高まっていました。
そこで、地区のまちづくり推進会議で話し合い、昨年10月から「みなバス」の本格運行を開始しました。しかし、利用者数が伸び悩み、運営は厳しい状況にあります。
◇問題点を踏まえた改善を
その状況を打開するために、まちづくり推進会議とは別に独自の「富士南地区コミュニティ交通協議会」を設置。総務・広報・運行グループに分かれ、運行内容の検討を重ねてきました。
その結果、地区周辺にスーパーや診療所がふえるなど、利用ニーズが変わったことから、運行ルートの再検討が必要だと判断しました。
実際「みなバス」に乗って調査すると、バス停の表示が見づらかったり、屋根やいすがなかったりするなどの問題点が発見されました。その問題点を踏まえ、協議会で何度も話し合い、改善策を検討しました。
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( 写真説明 ) 富士南地区コミュニティ交通協議会
会長補佐 加藤 謙一さん(宮島)
◇夢のあるバスに育てたい
検討した結果、高齢者が利用しやすいように、屋根のある場所や診療所やスーパーの目の前にバス停を設置したり、ルートを1周する運行時間をふやさずに、利用者が多く見込まれる地区の南側ルートを伸ばしたりするなどさまざまな工夫をしました。
また、昨年度は、運賃収入が不足し、多額の地元負担金が発生してしまいました。そこで今年度は、協賛企業を拡大するため、協議会のメンバーでPR活動をしつつ、協賛の依頼を何度も行いました。そのかいあって、多くの協賛を得ることができました。
いよいよ12月から、地区で練り上げた運行内容に変更します。これからも地区のみんなで「みなバス」を育てて、夢のあるバスにしていきたいですね。
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( 写真説明 ) 同協議会広報グループ副班長 杉山廣孝さん(宮島)
■ケース2 丘地区
〜丘地区の暮らしの足は「おかタク」〜
〈おかタク〉
11月1日、「おかバス」から移行して運行開始。丘地区内(自宅)から診療所、スーパー、JR入山瀬駅などの停車場まで送迎します。
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( 写真説明 ) コミュニティ交通「おかタク」
◇「おかタク」になっても存続を
一昨年11月から、丘地区住民の暮らしの足として「おかバス」を実証運行してきました。しかし、1便当たりの利用者の目標が6人に対し実際は2人と伸び悩んでいました。
このまま本格運行すると地区住民への負担が大きくなります。そのため、アンケートやワークショップで意見を聞いた結果、効率的な運行ができるデマンドタクシーに移行して本格運行することになりました。
将来的にふえる丘地区の高齢者の暮らしの足を確保するためにも「おかタク」はぜひ存続していきたいですね。
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( 写真説明 ) 丘地区まちづくり推進会議議長 勝又美次(よしつぐ)さん(厚原)
◇高齢者の大切なふれあいの場
私は定年を機に自動車の運転をやめ、自宅の近くに公共交通がなく困っていたところ、「おかバス」の実証運行が始まりとても喜びました。
「おかバス」は、地区内のスーパーへ買い物に行ったり、JR入山瀬駅から電車で市外へ出かけたりするのにとても便利でした。
また、車内は高齢者のふれあいの場にもなっていて、私はいつもおばあちゃんたちと話をしていましたよ。
「おかバス」の運行が終了して残念ですが、今度は「おかタク」を上手に利用して、孫や近所の高齢者と一緒にお出かけするのが楽しみですね。
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( 写真説明 ) 「おかタク」に会員登録した 高田康子さん(大淵)
■市の取り組み
〜地域のコミュニティ交通を応援〜
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( 写真説明 ) 「バスの日」のイベント
( 写真説明 ) 公共交通のパネル展示
◇富士市バスなび(バスマップ)
市内の路線バスやコミュニティ交通の方面や本数を記載した地図です。公共施設やバス事業者営業窓口で配布中。転入者には、市民課窓口で配布しています。
◇ラッピングバス
コミュニティバスをもっとわかりやすく、親しみを感じてもらうため、イメージキャラクターに愛称をつけ、それぞれのバスの車両にラッピング(張りつけ)しています。
※ラッピングバスについては、次のページをごらんください。
◇回数券
コミュニティ交通の車内では、お得な回数券を販売しています。
◇協議会
地区単位で地域のコミュニティ交通について協議する組織の設置をサポートしています。現在、「こうめ」の岩松北地区と「みなバス」の富士南地区が設置しています。
◇コミュニティ交通導入の検討
須津・浮島地区からJR東田子の浦駅へのバスの需要を把握するため、11月から3か月間、実証運行を実施しています。
◇イベント
皆さんにバスや電車などの公共交通に関心を持ってもらう事業を実施しています。
●「バスの日」のイベント
●親子ワンデイ・トリップ・チャレンジャー