【広報ふじ平成22年】富士市山岳救助隊1
救助隊は、登山者等による遭難の未然防止及び遭難者の捜索・救助活動を行うことを目的とする。
-富士市山岳救助隊規約 第2条-
結成 登山者の安全を守るため -きっかけは、愛鷹連山での相次ぐ遭難・事故-
戦後社会が落ち着くとともに盛んになった登山。険しい山容を持つ愛鷹山系の山々や須津川上流部の岩場へも多くの登山者が訪れるようになり、岩場からの転落や滑落事故が多発するようになりました。昭和31〜34年の4年間には10人が転落・滑落し、うち4人が死亡しています。
当時、救助を求める人々は登山口にある商店に駆け込みましたが、遭難や事故の急増により、次第に商店や関係者では対処できなくなりました。そこで昭和35年、旧吉原市役所、旧吉原警察署、市内の山岳団体が協議し、当時の吉原山岳会会長を隊長として、吉原山岳救助隊が結成されました。これが現在の富士市山岳救助隊の母体です。
その後、救助隊の地道な活動により、市内での遭難事故は大幅に減少し、近年の救助の内容は、道迷いによる保護要請に変わってきました。ここ2年間は救助要請はありません。
それは、日ごろから山を愛し守る富士市山岳救助隊のたゆみない努力があるからなのです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 愛鷹連山
- 図表あり -
( 図表説明 ) 静岡県山岳遭難事故発生状況報告書
隊員 山を愛する市民ボランティア
山岳救助隊員は、自営業・会社勤務など自分の仕事を持ちながら遭難の未然防止や遭難者の捜索・救助活動に当たるボランティアです。
愛鷹連山をはじめとし、富士山の懐に点在する市内の山々で遭難事故が発生した場合、富士警察署山岳救助隊や富士市消防本部救助隊とともに救助活動などを行います。また、遭難者の救出・救護だけでなく、登山の安全に関する啓発活動や登山ルートの点検なども行っています。
現在は、静岡県山岳遭難防止対策協議会富士支部の組織として、消防本部警防課に事務局があります。
結成のきっかけとなる事故が多発した愛鷹連山は、富士市山岳救助隊の活動拠点。沼津市、裾野市と協力して、崩落など危険な場所が多いこの山の状況把握に努めています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 愛鷹連山地図
活動 救助だけじゃない安全を守る日常活動
山岳遭難事故を想定した訓練を行うほか、事故防止のために日ごろから山に入り、危険箇所の確認などを行います。愛鷹連山だけでなく、富士山や、野田山・岩本山などの遊歩道やハイキングコースの確認も行っています。
また、消防本部が行っている普通救命講習に参加し、救助活動には欠かせない応急手当や救命処置の知識取得に努めています。
●山岳救助訓練
愛鷹連山などでの遭難事故を想定した訓練を富士警察署山岳救助隊・富士市消防本部救助隊と合同で実施。遭難者の捜索・救出活動が迅速・的確に行われるように、ザイルワークなどの実践訓練を年に2回行っています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昨年11月に行った訓練の様子。救助のための自己確保の仕方、救護者の安全な搬送の方法など、実践さながらに行いました。
●登山ルートの点検・整備
遭難事故発生時、直ちに捜索や救助活動ができるよう、日ごろから登山ルートの点検、指導標識などの整備や危険箇所の実態把握に努めています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 指道標
●富士登山支援活動
市教育委員会が隔年で実施しているネイチャーウオークや富士山登頂などに同行し、参加者の安全な登山の手助けをしています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 平成21年富士山登頂集合写真
●登山道徳の啓発
自然環境を保全するため、入山者にごみの持ち帰りなどを呼びかけています。
また、昨年から富士山富士宮登山口で「富士山パトロール」を実施。登山者の装備品の確認や、救助活動を行っています。
●装備品の点検
須津まちづくりセンターの倉庫に救助活動に必要な資機材を置いてあります。救助要請が入った場合、すぐに救助体制が整えられるように、定期的に装備の点検を行っています
- 写真あり -
( 写真説明 ) 装備品の点検作業の様子
救助 経験と訓練。すべてを結集し現場に向かう
転落して動けなくなってしまった、山道で迷ってしまったなどの連絡を受けると、山岳救助隊は一刻も早く現場に向かう準備を整えます。要救護者本人が自分のいる場所がわからない場合でも、近くに見える景色などの情報や、これまでの経験から、要救護者の位置を推測し、警察・消防と連携して救助に当たります。
●救助要請するには…
110番または119番に電話
●連携体制
警察、消防、どちらに電話をしても山岳救助隊に情報が届きます。救助要請を受けた隊員たちは、速やかに出動。消防本部では、けがや病気に備えて、顧問医師に連絡をし、万一の場合に備えます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士市山岳救助隊緊急連絡系統図
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp