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【広報ふじ平成21年】特集 戦争と平和 その1

戦争の史跡から伝えたいこと…

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( 写真説明 ) 現在の忠魂塔(岩淵)

旧富士川町地域には、多くの戦争の史跡が残っている

 もうすぐ8月。8月15日は、64回目の終戦記念日です。それは、日本だけでなく、世界じゅうが忘れてはいけない、第2次世界大戦(太平洋戦争)終結の日です。
 戦後64年が経過した平和な今日、戦争の恐ろしさ、悲惨さを知る戦争体験者が少なくなりつつあります。
 今回は、昨年11月に富士市と合併した旧富士川町地域の史跡を中心に紹介します。日露戦争時に使用された巡洋艦の主砲などを使ってつくられた「忠魂塔」や、太平洋戦争時に軍事用としてつくられた「地下ごう」など、戦争の痛みを伝える場所が数多く残っています。
 この史跡やそれに伴う戦争体験を通じて、皆さんもこの機会に「戦争と平和」について、じっくり考えてみませんか?

巡洋艦の砲身を使用した忠魂塔

 旧富士川町の忠魂塔は、大正13年、富士川第一小学校東側にあった奉安殿(※)の敷地内に、日清・日露戦争の戦没者供養のため建立されました。
 この忠魂塔は、日露戦争の日本海海戦で使用された巡洋艦の20センチメートル主砲を中心に、30センチメートル砲弾2個、20センチメートル砲弾7個を使用しました。また、基礎台は軍艦富士の砲盾で、砲身の長さは9.55メートル、重量は17トンありました。建立作業は、横須賀からの輸送をはじめ、多数の人員と日数がかかったと言われています。
 昭和47年、旧富士川町役場の新庁舎建設に伴い、旧松野村の忠魂碑と併せて、現在の富士川第一小学校の裏山に移転復元をしました。この移転作業は、自衛隊に協力してもらい、ようやく完成しました。 
※奉安殿 戦前戦中に各地の学校で、天皇皇后の写真などを納めていた建物のこと。

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( 写真説明 ) 富士川第一小学校東側にあった忠魂塔(昭和46年)

戦時中の旧富士川町 (1)町役場

●町役場で聞いた終戦のラジオ放送●
 終戦時、私は旧富士川町役場の職員でした。当時の旧富士川町役場は木造平屋建てで、私たち若手職員は、仮事務所として役場に駐屯していた数人の兵士と一緒に寝泊まりしていました。
 終戦の年は、警戒警報が391回、空襲警報が75回発令され、私は連日その対応に追われていました。私は兵事係の担当で、所轄の警察署から召集令状が市町村役場に届くと、指定された期日までに入隊するよう、本人や家族に伝達する役割でした。戦争が激化すると、昼夜関係なく召集が行われました。
 4月のある夜、急ぎの召集令状を、自転車で2時間以上かけて届けに行きました。本人は他県に住んでいましたが、たまたま実家に帰省していたため、令状を渡すことができました。その後、本人が戦死したと知り、とても複雑な思いになりました。
 そして終戦の日。全職員が町長室で、天皇陛下のラジオ放送に耳を傾け、日本の敗戦を知りました。
 戦後の不安の中、多くの人たちの努力によって、平和な今日があります。みんなが悲しむ戦争は、二度と行うべきではありません。

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( 写真説明 ) 戦時中から旧富士川町役場の職員だった 大久保 芳夫さん(岩淵)
( 写真説明 ) 建設当時の富士川第一小学校と忠魂塔(大正13年)

戦時中の旧富士川町 (2)学校

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( 写真説明 ) 旧富士川町国民学校の教師だった 佐野 謹子さん(南松野)
※佐野さんは、「母たちの記録集」を中心となって編集しました。

●食べ物がなくつらかった昼食の時間●
 昭和19年、私は旧富士川町国民学校に赴任し、2年生34人の担任になりました。兵隊が学校に駐屯していたため、子どもたちは校舎を半分しか使えず、校庭もさつまいも畑と防空ごうで半分しか使えませんでした。  
 また、空襲に備え、被害を最小限にとどめるために、お寺や補習学校などで分散教育(授業)をしていました。
 食べ物も日を追うごとに乏しくなり、学校では、友達のお弁当を黙って食べたり、お弁当がなくて昼食の時間は隠れたりする子どもがいました。あげたくてもあげられなかったつらさは、今も忘れることができません。愛する子どもたちに、あの苦闘を再び味わわせたくはありません。

★旧富士川町婦人会発行「母たちの記録集」★
 私は6歳のとき、静岡大空襲の被害に遭いました。そのとき感じた戦争の悲惨さを後世に伝えるため、婦人会文化部を中心に、皆さんから戦争体験記を集め、「母たちの記録集」という冊子にまとめ4巻発行しました。

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( 写真説明 ) 「母たちの記録集」編集に携わった 旧富士川町婦人会会長 勝呂 惠子さん(岩淵)
※総集編は、市立図書館富士川分室で貸出可能。
添付ファイル
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