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新通町(しんどおりちょう)公園に新幹線が登場!
昭和58年4月
- 写真あり -
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( 写真説明 ) 現在
この車両は、昭和43年3月に製造された、0系初期型広窓新幹線「こだまK11号」の先頭車両です。モデルチェンジのため、昭和58年2月に廃車されるまでの15年間に、521万1,387キロメートルを走りました。浜松市の工場で解体されるに当たり、「新幹線を身近に見られることが、子どもたちの夢を育てるために役立てば」と、高木一三(かずみ)さん(故人・柏原)の厚意により、旧富士警察署(現在のラ・ホール富士)の北側、新通町公園に移転され、展示されることになりました。
土・日曜日、祝休日の10時〜15時には新幹線内部を見学でき、毎月第2日曜日には鉄道模型のデモ走行やミニSLの走行・乗車体験も行われています。
「夢の超特急」が手の届く場所に
新幹線は、子どものころにみんながあこがれた「夢の超特急」です。昭和39年、東京オリンピックの開催に合わせて開業した東海道新幹線は、高度経済成長の象徴でもありました。小学生のとき、東京タワーを見るために、家族と一緒に初めて新幹線に乗ったときのうれしさは、今も忘れません。
本物の新幹線の車両が、日本で初めて富士市の公園に展示されると聞き、当時、地元のテレビ局に勤めていた私は、ビデオカメラを担いで移転作業の現場を訪れました。車両を載せた大型トレーラーは、深夜に浜松市を出発し、国道を通って夜明け前に富士市に到着。輸送班の見事な運転技術で、公園手前の狭い路地も、電柱や建物の軒先をぎりぎりにすり抜け、無事公園の中へ入りました。この写真は、大型クレーン2機が69トンの車体をつり上げ、台車と連結する瞬間です。私はカメラを回しながら、子どものように胸が高鳴っていました。
公園には、多くの親子連れや鉄道ファンが訪れます。親も目を輝かせながら、懐かしそうに子どもに語っていますよ。子どもたちが鉄道にふれる場として、未来のために大切に保存していきたいと思います。
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( 写真説明 ) 当時、カメラマンとして現場で撮影し、今も公園を楽しみに訪れている
神田 隆文さん(神谷)