富士市名誉市民で素粒子物理学者の戸塚洋二氏が7月10日逝去されました。ここに生前の功績をたたえ、謹んでお悔やみ申し上げます。
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昭和17年、富士岡に生まれる。吉永村立吉永第一小学校、吉原市立穆清(ぼくせい)中学校、静岡県立富士高等学校を卒業後、東京大学へ入学。同大学大学院理学系研究科博士課程修了。その後、東京大学宇宙線研究所所長、高エネルギー加速器研究機構長など要職を歴任。世界的な素粒子物理学者として国内外の数々の賞を受賞。平成14年には、富士市初の名誉市民となる。
業績
昭和62年の超新星爆発時に、ノーベル物理学賞に輝いた小柴昌俊東京大学特別栄誉教授とともに、素粒子観測施設カミオカンデにおいて、太陽系の外から飛来した超新星爆発によるニュートリノ(※)の観測に世界で初めて成功し、ニュートリノ天文学という新しい研究分野が誕生しました。また、カミオカンデは太陽から飛来する太陽ニュートリノの観測にも成功しました。
平成13年には、新施設スーパーカミオカンデでの精密な観測結果をもとに、ニュートリノ振動が起きている(ニュートリノに質量がある)ことを国際学会で発表、大きな支持を得ました。
※物質を構成している最小の粒子を素粒子と言います。原子核の陽子や中性子を構成する粒子の仲間(クォーク)と、電子の仲間(レプトン)が素粒子と考えられています。レプトンのうち、電気を持たない粒子をニュートリノと呼んでいます。
◆戸塚洋二氏 追悼展◆
●とき 8月23日(土曜日)〜31日(日曜日)9時〜17時(火曜日〜金曜日は19時まで)
※8月23日は10時から、31日は15時まで、25日(月曜日)は休み。
●ところ 中央図書館本館 エントランスホール
●内容 写真パネルや関係資料などで戸塚洋二氏の業績を紹介する。