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富士駅前(現在の富士駅北口周辺)
富士駅前で青果店を営み、当時をよく知る
稲葉 政夫(のりひこ)さん(本町3)
- 写真あり -
富士市の玄関口であり、憩いの場
昭和16年、第二次世界大戦開戦の年に、父が富士駅前で青果店を開業しました。私は、街の発展と、富士駅前を行き交う人たちを見て育ちました。昭和39年に現在の駅舎が完成し、昭和40年代には新しい店が次々と駅前に出店するなど、駅前通りは買い物客でにぎわいました。
写真中央は駅出口で、向かって左側は東海道本線・身延線の改札口です。駅前はロータリーのある広場でした。この広場は広かったので、甲子祭やどんどん焼きなど、町内の催し物会場としてよく活用させてもらいましたよ。
毎年甲子祭では、この広場に置いた山車の上で芸者さんたちが踊りを披露し、大勢の見物客が歓声を上げていました。私も、若いころは青年団として、張り切ってお祭りを盛り上げた一人です。
ことしも、もうすぐ甲子祭です。少しずつ街並みもお祭りの様子も変わってきていますが、途切れることなく伝統が受け継がれていくことは、本当にうれしいですね。駅前通りがみんなの笑顔が集まる場所であるよう、これからも見守っていきたいと思います。