このコーナーでは、路線バスや地方鉄道の現状に詳しい、交通ジャーナリストの鈴木文彦さんのコラムを5回にわたり紹介しています。
みんなが「くらしの足」を支える当事者に
市民の公共交通へのかかわりは何も、直接お金を負担したり、運営に参加したりすることだけではありません。公共交通は、利用者が多ければ収支がよくなり、継続できるようになります。富士市の市民1人が1年間に1回バスで出かけるだけで、市が補助しなくても現状の路線は維持できるのです。大切なことは、みんなが当事者になってできることをやり、公共交通を育てることです。
事業者は持っているノウハウを生かしてサービスを拡充し、わかりやすい情報を提供して利用者をふやす努力をします。行政も全体を見渡しながら効果的に支援し、市民とともに汗をかくことが必要です。
そして市民は、それぞれの地域にとって本当に必要な「くらしの足」とはどんなものか、みずから考え、議論し、いろいろな形で参加することが重要です。マイカーはふだん意識している以上にお金がかかり、事故などのリスクも大きいものです。
バスや電車でもできる移動は、少しの不便は我慢してバスを使ってみたり、お酒を飲む日はバスで出かけたりするなど、日ごろから意識して、みんなが工夫することが大切です。その積み重ねが、地球環境保全に貢献し、子や孫の代まで公共交通を持続させる手だてになるのです。
公共交通ひとくちメモ
平成16年度実施の交通実態調査によると、富士市のマイカー利用の何と4割が10分以内という短時間のものであり、「どんなに近所でもクルマを利用する」という現状が明らかとなりました。今後は、クルマ・公共交通・自転車などを賢く使い分けるライフスタイルを実践してみませんか?
皆さん、ボクたち公共交通をたくさん利用してね!
問い合わせ 都市計画課 電話 55-2904 ファクス 51-0475