このコーナーでは、路線バスや地方鉄道の現状に詳しい、交通ジャーナリストの鈴木文彦さんのコラムを5回にわたり紹介しています。
地域で支える「くらしの足」(2)
現在、全国では地元の自治会やNPOなどが、主体的に地域の公共交通にかかわる事例がふえています。
三重県四日市市では、住民がNPOを組織して、地域の病院やスーパーから協賛金を集めたり、乗る・乗らないにかかわらず地域のためにバスを支援する「応援券」を販売したりしています。
集まった資金でいかにニーズに合った運行をするか、バス会社と一緒になって考えた上で、「生活バスよっかいち」というバスを走らせ、大変好評です。
また、青森県鯵ヶ沢町では、住民みんなで「バス路線は地域のライフライン」という合意をし、水道や電気などと同じように、全世帯が一定の「基本料金」を毎月負担して維持しているバス路線があります。どちらも、住民自身の工夫に対して行政も資金援助をしています。
一方、広島市郊外では、バスが入ることのできない狭い坂道の交通手段を確保するため、ルートや停留所、運営のサポート方法を住民みずから考え、事業者と共同で開発した乗合タクシーが走っています。こちらは資金面では市はかかわらず、側面的に応援する形です。
いずれにしても共通しているのは、住民が主役になって、地域に最も合った方法で「くらしの足」をつくり、育てていることです。
公共交通ひとくちメモ
富士市でも、路線バスが廃止された田子浦地区で、平成19年4月から地元と市が資金を出し合って、「コミュニティバスしおかぜ」の運行を始めました。ワゴン車を使った小さなバスですが、少しずつ利用者がふえています。
ボクが田子浦地区を走っているよ。利用してね!
都市計画課
電話 55-2904 ファクス 51-0475