50 オリオン座
昭和40年5月26日(今泉1)
この場所で靴店を営み、当時をよく知る
渡井 明(あき)子さん(今泉1)
- 写真あり -
みんなに夢を与えてくれた映画館
オリオン座は、昭和30年代、映画ブームのさなかにオープンしました。そのころ映画は娯楽の代表格で、子どもも大人も夢中になり、街にはたくさんの映画館がありました。毎週見に行くほどの映画ファンだった私は、自分の店(写真右)の目の前に映画館ができてうれしかったですよ。こけら落としで上映された「有楽町で逢いましょう」の主題歌が一日中拡声器から流れていたのを覚えています。
作品ごとに職人による手がきの大きな看板が飾られ、写真さながらに美しく描かれた俳優の絵を見るのが、いつも楽しみでした。また、店先からは、2階の映写室で働く映写技師の姿がよく見えました。当時、私の店で働いていた女性が、窓越しに技師の男性と恋に落ちた、なんてこともあったんですよ。
年々客足は寂しくなったものの、子ども向けの作品のときは、相変わらず大人気でした。取り壊されて駐車場になった今も、目に浮かぶのは、上映を待つ親子連れが、映画館の入り口から和田川の橋まで並んでいた、懐かしい光景です。