大好きな絵本を手に、笑顔の子どもたち。
皆さんが大好きな本と出会ったのは、いつでしたか?
子どものころに読み、心に残っている本はありますか?
今回は、子どもと「本」との出会いについて特集します。
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大切にしたい本との出会い
今の子どもたちは、すてきな本と出会っているのでしょうか。
子どもが本と出会うきっかけをつくるのは、私たち大人なのです。
年齢が進むにつれ、活字離れが進んでいます
近年、テレビやビデオなどの映像の発達や、インターネット、携帯電話の普及などにより、子どもたちの生活環境は大きく変化しています。この変化により、子どもの活字離れが進んでいます。
平成16年5月に全国で行った「第50回読書調査」では、1か月間にまったく読書をしない子どもの割合は、小学生では7%、中学生で19%、高校生で43%となっています。年齢が進むにつれ、読書離れが進んでいることがわかります。
「家庭では、あまり本は読まれていない」という富士市の現状
平成17年3月に、市は、市内の学校や家庭などを対象に、読書に関する調査を実施しました。
その結果、幼稚園や保育園、学校では、読書活動が活発に行われていることがわかりました。
一方、家庭での読書はあまり活発ではないようです。読書が家庭で習慣化されていない原因は、最近の子どもを取り巻く環境や、保護者の読書状況などが大きく影響しているようです。
本との出会いから得られることは、たくさんあります
皆さんも、本を読んで悲しんだり、どきどきしたりした経験があると思います。子どもも、わくわくするような本との出会いから、新しい発見や未知なる体験をし、心を豊かにしていきます。やがて経験する社会とのかかわりの中で必要な、他人に対する思いやりや、生きる力もはぐくまれます。
また、子どもは読書を通して、言葉を学んだり、考えたり、判断したり、表現する力を高めたりします。
こんなにもたくさんのことが得られる読書に、子どものころから親しむことができたら、すてきだと思いませんか。
子どもが読書を楽しめる街にしよう
ことし2月、市は「富士市子ども読書活動推進計画」を策定しました。
これは、家庭や地域、学校、図書館などが連携し、子どもが読書に親しめる環境を整えていこうというものです。
これまでも、さまざまな場所で、子どもの読書活動が行われてきました。しかし、現状を見ると、子どもの読書は活発だとは言えません。子どもが読書を楽しめる街にするためには、子どもが本と出会う場所を整えたり、きっかけを与えたりすることが大切です。
それは、家庭や地域など、皆さんの身近な場所にあります。
そして、子どもに本との出会いの場を与えるだけでなく、保護者も子どもと一緒になって本を楽しむことが、読書の推進につながります。
少しでも、時間ができたときには、家族で読書の時間を持ってはいかがでしょうか。
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( 写真説明 ) 中央図書館で、毎週開催されている「おはなし会」
平成17年度に市立図書館で貸し出された本 ベスト5
絵本
1.「ぐりとぐら」中川李枝子/さく
2.「はらぺこあおむし」エリック=カール/さく
3.「ぐりとぐらのおおそうじ」なかがわりえこ/文
4.「三びきのやぎのがらがらどん」マーシャ・ブラウン/え
5.「わたしのワンピース」にしまきかやこ/えとぶん
読み物
1.「かいけつゾロリシリーズ」原ゆたか/さく・え
2.「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 上・下」J.K.ローリング/作
3.「ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上・下」J.K.ローリング/作
4.「プカプカチョコレー島こおりの国のにんじゃ」原ゆたか/著
5.「エルマーのぼうけん」ルース・スタイルス・ガネット/さく
きょうから始めよう 本との出会い
皆さんは子どものとき、どこで本と出会いましたか?
皆さんの身近にある、本と出会える場所。今回は、4つの場所をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
家庭で
図書館を利用したり、読み聞かせに参加したりしている
海野理代(まさよ)さん・清夏(さやか)ちゃん(松岡)
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少しでも、本を読む時間を大切にしたいですね
子どもが生まれてから図書館によく通うようになり、3人の子どもたちは本が大好きになりました。今は、幼稚園に通う子に読み聞かせをしています。ときどき、小学生の子たちが下の子に本を読んでくれることもあるんですよ。
本は、子どもの想像力をはぐくんでくれるように思います。本を通じて、心が豊かな人に成長してほしいと願ってます。
絵本は、子どもが読む本のように思われがちですが、大人も十分に楽しめますよ。本を読み終わった後は、優しい気持ちになって心がいやされます。読み聞かせの時間は子どものためだけでなく、私も一緒に楽しむ時間になっています。皆さんも、ぜひ絵本を読んでみてください。
これからも、本を読む時間を大切にしていきたいですね。
地域で
田子浦公民館文庫「パンの笛」代表
今井 弘美さん(川成島)
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読み聞かせを通して、子どもたちに本の楽しさを伝えたいです
私たち「パンの笛」は、田子浦地区の公民館や小学校などで、主に絵本の読み聞かせをしているグループです。私は、6年前に友人に誘われて参加しました。最初、子どもたちの前で本を読んだときは、笑顔で話すことだけで精いっぱいで、何度も娘を相手に練習しました。
子どもたちは、自分からは読まないような本でも、読んであげると興味を持って聞いてくれます。同じ本ばかりだと子どもは飽きてしまうので、マンネリ化しないように心がけています。読み聞かせを楽しんでくれる子どもたちの笑顔や、話に夢中になっている真剣な顔を見ると、活動をしてきてよかったなと感じます。
私たちのような読み聞かせを行うグループは、ほかの地域にもあります。ぜひ、機会があったら参加してほしいですね。
学校で
吉永第一小学校の学校図書館司書
戸塚 雅子さん
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子どもと本を結びつける手助けをしていきたいですね
昨年から、全校に学校図書館司書が配置され、以前、かぎがかかっていた図書室には、いつも人がいるようになりました。現在は、子どもたちは休み時間や放課後など、いつでも自由に本を借りられます。本の貸し出しもパソコンで行い、昔と比べずいぶん変わりましたね。授業で調べものがあるときなど、頻繁に利用されるようになりました。もっと利用してもらえるよう、今後は子どもたちに本の活用方法を教えていきたいですね。
また、全クラスで週1回行う朝の読み聞かせや、掲示物の作成などは、地域ボランティアの人たちにご協力いただき、子どもへ読書活動を呼びかけています。
今後も、地域の人たちや保護者と連携して、子どもと本を結びつける手助けをしていきたいと思います。
図書館で
中央図書館
高井 さといさん(左)
芹澤 昭代さん(右)
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本を通じて、親と子のコミュニケーションを図ってほしい
図書館では、子どもに本と親しむきっかけづくりになればと考え、おはなし会で読み聞かせをしたり、テーマごとに本を展示したりしています。
また、日ごろから子どもが本と出会うには、周りの大人に働きかけることも重要だと感じています。
以前は、母親と来館する子どもがほとんどでしたが、最近では、父親も子どもと一緒に来館してくれて、うれしく思います。公園に行ったり、近所を散歩したり、親子で楽しめることはたくさんありますが、ぜひ本を通じて、親子で共有できる時間を楽しんでもらいたいですね。子どもが成長し大人になったとき、その時間がきっと宝物になるはずです。
皆さんも、ぜひ家族そろって、図書館へ来てみてください。
ほかにもあります!本と出会える場所
◆移動図書館
約3,500冊の本を積んだ「移動図書館車ふじ号」が、各地域の公会堂やスーパーなど27か所に出向きます。巡回する日程は、広報ふじ毎月20日号をごらんください。
◆公民館
皆さんは、図書コーナーのある公民館があることをご存知ですか。
図書館を通じて、定期的に本の入れ替えを行っている公民館もあります。ぜひ、ご利用ください。
◆本はともだち子どもまつり
毎年、開催しているイベントです。大型絵本や紙芝居など、絵本とお話の世界を楽しみませんか。
とき 6月24日(土曜日)10時〜12時
ところ 富士北公民館
これを機会に、子どもたちに本とのすてきな出会いをつくってあげましょう。
もちろん、子どもだけでなく、あなたも本との出会いを探してみてください。
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問い合わせ
中央図書館
電話 51-4946
ファクス 51-7135
Eメール library@div.city.fuji.shizuoka.jp